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特許法第一三三条

(方式に違反した場合の決定による却下)実意商
第一三三条
審判長は、請求書が第百三十一条[審判請求の方式]の規定に違反しているときは、請求人に対し、相当の期間を指定して、請求書について補正をすべきことを命じなければならない。(改正、昭五九法律二三、平八法律六八、平一五法律四七)
2 審判長は、前項に規定する場合を除き、審判事件に係る手続について、次の各号の一に該当するときは、相当の期間を指定して、その補正をすべきことを命ずることができる。
一 手続が第七条第一項から第三項[未成年者、成年被後見人等の手続をする能力]まで又は第九条[代理権の範囲]の規定に違反しているとき。
二 手続がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。
三 手続について第百九十五条第一項又は第二項[手数料]の規定により納付すべき手数料を納付しないとき。
(本項追加、平八法律六八)
3 審判長は、前二項の規定により、審判事件に係る手続について、その補正をすべきことを命じた者がこれらの規定により指定した期間内にその補正をしないとき、又はその補正が第百三十一条の二第一項の規定に違反するときは、決定をもつてその手続を却下することができる。(改正、平八法律六八、平一五法律四七)
4 前項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。(改正、平八法律六八)

旧法との関係 八七条
趣旨
 本条は、審判請求書及びそれ以外の審判事件に係る手続が方式に違反した場合の取扱いを規定したものである。
 一項は、審判請求書の場合について規定している。審判請求書は一三一条一項に規定しているように特許庁長官に提出されるものであり、特許庁長官は一七条三項によりこれを処理できるものであるが、審判官を指定した後は、本項により処理することとしたものである。すなわち、一三七条一項の規定により審判官が指定され、一三八条一項の規定により審判長が指定されたときは、当該審判請求書は特許庁長官から審判長に回付されてくるわけである。審判長は、回付されてきた審判請求書について点検し、その請求書が一三一条一項又は三項の規定に違反している場合は、一項の規定により相当の期間を指定して補正を命じなければならない。
 なお、平成一五年の一部改正に当たり、一三一条から請求書の補正に係る規定を一三一条の二に移行し、一三一条に審判請求の方式についての規定のみをまとめたことから、審判請求の方式の規定である一三一条全体の規定を受ける形に改定した。これにより、一三一条二項に違反した場合も、一三三条一項による補正指令の対象となり、早期の段階で請求書の不備を正し、請求書の副本を送達するときには被請求人が有意義な反論をすることができる状態にして、審理の迅速化及び被請求人の負担軽減が可能となる。
 二項は、審判請求書以外の審判事件に係る手続について規定している。この規定についてはこれまで一七条三項に規定したものであるが、審判事件に係る手続が方式に違反している場合の措置は第六章・審判の規定中で明示すべきとの考えから、平成八年の一部改正において条文移動したものである。
 三項は、前二項の規定による補正命令に従わないときは、審判長はその手続を決定をもって却下することができる旨を規定したものである。却下するか否かは審判長の裁量権の範囲である。なお、この「手続の却下の決定」の中には、審判請求書の方式(一三一条一項又は三項)違反又は審判請求の手数料不納の場合において、補正命令に応じないときになされる「請求書の却下の決定」が含まれる。補正命令に対しては補正がなされない場合は、「その補正をしない」ものとして、同項により審判請求書が却下されることになる。しかし、一三一条二項の補正命令に対して補正する場合、その補正が一三一条の二第一項に違反する不適法な補正の場合には、「その補正をしない」ものといえるか明らかではないため、平成一五年の一部改正にあたり、不適法な補正をした場合の対応を明らかにする意味で、その補正が一三一条の二第一項の規定に違反するときも却下対象となることを明記した。
 ちなみに、請求書の却下の決定に不服があるときは東京高等裁判所へ出訴することができ(一七八条一項)、また、これ以外の手続の却下の決定に不服があるときは行政不服審査法上の不服申立て(特許庁長官に対する異議申立て)をすることができる。
 四項は、平成八年の一部改正において、二項を新設したことに伴い、旧三項を繰り下げたものである。
 ところで、本条は審判長の単独権限になっており、合議体の権限とされていないが、これは審理する内容が形式的でかんたんなものであるということにもとづくものであり、本条以外の事項、すなわち、審理の内容が複雑なものについては、一三五条に規定するように、合議体によって審理し、審決をもって却下しなければならないのである。
[字句の解釈]
<却下することができる>平成八年の一部改正において、旧二項で「その請求書を却下しなければならない」としていたものを、三項は「その手続を却下することができる」との裁量規定にしたのは、旧一項に基づく補正命令に対する旧二項の「(却下)しなければならない」という処分を、新二項で規定する旧一七条に基づく補正命令に対する旧一八条の「(無効)にすることができる」という処分の両者をあわせて規定するために、広い概念である「することができる」の書き振りにしたものである。したがって、これによって、従来の実務上の対応が変わるわけではない。
[参考]
<即時抗告制度の廃止>旧法は審判長の請求書却下の決定に対して即時抗告をすることができることにしていたが(八七条四号)、現行法においてこれを廃止した。その理由は、一七八条一項の規定によって訴えを提起することができるということと、即時抗告制度を認めても裁判所と審判との間に何ら続審関係のない現行法の下においては、その不服は同一審級で判断するにとどまるからである。(青本第17版)
最終更新:2009年12月16日 02:02
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