(答弁書の提出等)
第一三四条
審判長は、審判の請求があつたときは、請求書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。実意
2 審判長は、第一三一条の二第二項の規定により請求書の補正を許可するときは、その補正に係る手続補正書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機械を与えなければならない。ただし、被請求人に答弁書を提出する機会を与える必要がないと認められる特別の事情があるときは、この限りではない。(本項追加、平五法律二六、改正、平六法律一一六、平一四法律二四、平一五法律四七)
3 審判長は、第一項又は前項本文の答弁書を受理したときは、その副本を請求人に送達しなければならない。(改正、平五法律二六、平一五法律四七)意商
4 審判長は、審判に関し、当事者及び参加人を審尋することができる。(改正、平五法律二六、平六法律一一六)意商
旧法との関係 八八条
趣旨
本条は、審判の請求があった場合におけるその請求書に対する答弁書の提出等について規定したものである。
なお、平成一五年の一部改正において、特許無効審判における審判請求書の請求の理由の補正について例外的に容認する規定、及び「キャッチボール」現象の弊害に対処するための規定(一二六条の[趣旨]を参照)を新設するなど、特許無効審判の手続全般について見直しを行ったことから、平成五年の一部改正において本条に追加された訂正請求に係る手続規定は、新たに一三四条の二を新設して統合整理し、本条では、副本の送達、答弁書の提出、及び審尋の規定について整理した。
一項において、「審判の請求があつたとき」とは、一三三条一項に規定する事項について点検し、瑕疵がないと判断した後のことであって、審判請求書が回付されてきた後ただちにという意味ではない。さもなければ、請求書の副本の送達をうけた被請求人は不完全、不明瞭なものに対して答弁書を提出することになるからである。この点について、平成一五年の一部改正では、一三一条及び一三三条を改正することで更に適切な手続きを担保している。また、被請求人は請求書の副本の送達を受けた場合に必ず答弁書を提出しなければならないものではなく、任意的であり、審判長は答弁書の提出の有無にかかわりなく手続を進行することができる。
二項は、一三一条の二第二項の規定により、請求審判の理由について、新しい無効理由が追加されるなどの要旨変更にわたる補正が許可された場合に、手続補正書の副本を特許権者に送達し、新たに答弁書を提出する機械を付与することを規定したものである。しかし、補正後においても答弁や訂正をさせるまでもなく無効審判請求に理由がないと認められるなど、被請求人の防御の機会という観点から答弁機会を与える必要がないと認められる特別の事情があるときは、答弁の機会を与える必要がないとした(同項ただし書)。
三項は、一項の場合とは逆に被請求人に提出したものを請求に送達するわけであるが、その趣旨は一項の場合と同じである。
四項は、審理をするにあたって審判長が当事者等を審尋する必要のある場合のことを考え規定したもので、口頭によって審尋する場合のみならず、文書によって審尋する場合も含まれる。
なお、平成六年の一部改正前の本項では、「審尋」ではなく「尋問」という用語を用いてきた。しかしながら、従来の「尋問」は、一五一条において準用する民事訴訟法における「尋問」とは同義ではなく、むしろ同法における「審尋」に類似するものであると解されていたため、「審尋」に改正した。
五項は、平成五年の一部改正において設けられた規定であり、二項において無効審判の手続における訂正を認めることとしたことに伴い、訂正の要件、手続、効果等について、関連する条文を準用したものであるが、平成一五年の一部改正において、訂正請求の規定である一三四条の二を新設したことに伴い、訂正の要件、手続、効果等に関する規定も同条に整理統合した。(青本第17版)
最終更新:2009年12月16日 23:30