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特許法第一四八条

(参加)実意商
第一四八条
第一三二条第一項[共同審判]の規定により審判を請求することができる者は、審理の集結に至るまで、請求人としてその審判に参加することができる。
2 前項の規定による参加人は、被参加人がその審判の請求を取り下げた後においても、審判手続を続行することができる。
3 審判の結果について利害関係を有する者は、審理の終結に至るまでは、当事者の一方を補助するためその審判に参加することができる。
4 前項の規定による参加人は、一切の審判手続をすることができる。
5 第一項又は第三項の規定による参加人について審判手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、被参加人についても、その効力を生ずる。

旧法との関係 九八条
趣旨
 本条は、参加について規定したものである。参加とは審判の係属中に第三者がその審判の当事者の一方に加わってその審判手続を追行することをいう。加わる場合の態様として民事訴訟法にあっては、独立当事者参加、共同訴訟的当事者参加、補助参加及び共同訴訟補助参加が考えられるが、このうち本条に規定されているのは共同訴訟的当事者参加および共同訴訟的補助参加に類似するもののみである。民事訴訟法における独立参加は他の参加と違い当事者の一方に加わるのではなく、当事者双方を被告とするものであり、いわば三面訴訟の構造をとるものである(異なった説もある)が、特許法において審判に参加する場合は参加の対象となる審判が有効無効のいずれかに判断されるものであり、民事訴訟におけるような第三の判断はあり得ないので、民事訴訟法におけるような独立参加の制度を認めなくても、本条一項に規定するいわゆる共同訴訟的参加によって十分その目的を達し得るものとして規定しなかった。また、民事訴訟法における補助参加は、当事者の一方を補助するために加わるものであるが、このうち、自らは請求について独立に原告又は被告となる適格を有せず、しかも、その裁判における判決(無効という判決)の効力が第三者に及ぶようなもの(たとえば、破産管財人の訴訟における破産者の参加)については当該訴訟への補助参加は特に共同訴訟的補助参加といわれる。しかして、特許法において参加の認められる審判の審決(無効にすべき旨の審決)は第三者にその効力が及ぶので、特許法における補助参加は常に共同訴訟的補助参加に類似するものとなる。本条において単なる補助参加について規定しなかったのもこうした理由である。
 まず、一項は共同訴訟的当事者参加に類似する参加について規定したものである。この参加における参加人は独立して審判を請求する適格を有する者が参加をもって請求に代えるものである。したがって、自ら請求人となる適格を有しない者は、三項の参加人とはなり得ても一項の参加人になることはできない。また、この規定による参加人は、請求適格を有する者が「請求人として」参加するもので、一三二条一項の規定による共同審判請求人と同じような地位、権限を有し、一切の審判手続をすることができる。一項の規定による参加人については四項のような規定を設けなかったのも当然のことと考えられるからである。さらに二項に規定するように一項の規定による参加人は被参加人がその審判の請求を取り下げた後においても、当該審判手続を続行することができる。これは一三二条一項の規定による共同審判請求人の一人が審判請求を取り下げても、他の請求人は引き続き手続を続行することができるのと同じである。
 三項は共同訴訟的補助参加に類似する参加について規定したものである。三項の規定による参加の例としては、ある特許権について無効審判が請求されている場合にその特許権について実施権(通常実施権または専用実施権のいずれでもよい)を有する者が参加するような場合である。この場合、実施権者は当事者としての適格は有しないが特許を無効にすべき旨の審決が確定した場合はその効力が自己に及んでくるという利害関係を有するからである。この三項の規定による参加人は一項の規定による参加人とは異なり、被参加人が審判の請求を取り下げた後は審判手続を続行することはできない。ただ、このような事例がおこるのは参加人が審判請求人の側に参加した場合であり、しかも請求人の側に参加する場合の多くは一項の規定による参加の場合が多く、実際には三項の規定による参加があった審判について、請求人が請求を取り下げるということはあまりないことであろう。
 四項は三項の規定による参加人は一切の審判手続をすることができる旨を規定したものである。これは参加人にも審決の効力が及ぶことにもとづくものであり、この点が通常の補助参加人とは異なる(民事訴訟法の通常の補助参加人は被参加の不利益になるような行為や被参加人の行為と抵触するような行為はすることができない)。
 五項は一三二条四項と同趣旨の規定で、一項の規定による参加についても三項の規定による参加についても、参加人についての審判手続の中断又は中止の原因があるときは、被参加人にもその効力が及ぶ旨を規定する。これは一項の規定による参加人についても三項の規定による参加人についても、審判の効力が及んでくることの当然の帰結である。
[字句の解釈]
1 <審理の終結に至るまで>一五六条一項の規定による審理の終結の通知のあるまでである。
2 <審判の結果>審決の結論(主文)において示される判断をいう。審決の理由においてある事実について判断したにすぎないようなものはここにいう審決の結果ではない。
3 <利害関係>法律上の利害関係であることを要し、当事者の一方が親友であるというような感情的な理由や、権利が無効になればその当事者の収益が減少し自己の借金を返済しなければならなくなるというような経済的な理由は含まれない。
4 <中断・中止>二二条参照(青本第17版)
最終更新:2009年12月21日 20:43
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