アットウィキロゴ

特許法第八条

(在外者の特許管理人)実意商
第八条
日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない者(以下「在外者」という。)は、政令で定める場合を除き、その者の特許に関する代理人であつて日本国内に住所又は居所を有するもの(以下「特許管理人」という。)によらなければ、手続をし、又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服として訴えを提起することができない。(改正、平八法律六八)
2 特許管理人は、一切の手続及びこの法律又はこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服とする訴訟について本人を代理する。ただし、在外者が特許管理人の代理権の範囲を制限したときは、この限りではない。(改正、平八法律六八)

旧法との関係 一六条
趣旨
 本条は、在外者の代理人に関する規定である。このうち、一項は、在外者は日本国内に住所又は居所を有する代理人によるのでなければ手続をすることができず、またこの法律に基づいて行政庁がした処分を不服として訴えを提起することができない旨を定めてものである。もし、このような規定をおかないときは特許庁が在外者に手続をする場合も直接その者に対してせざるを得ず、到底その煩にたえ得ない。また、在外者という場合は、日本国民である場合と外国人である場合とを問わないので、日本国内に住所も居所も有しない日本人についても代理人が強制される。
 なお、昭和六〇年の一部改正において、一項の規定にかかわらず、在外者である国際特許出願人は、所定の期間内に限り特許管理人によらないで手続をすることができる特例が設けられた(一八四条の一一参照)。
 さらに、平成八年の一部改正において、特許管理人の選任等についての登録の第三者対抗要件に関する第三項を削除したことに伴い、本項中より、在外者が特許管理人によらなくても手続をすることができる場合として掲げていた「第三項の登録を申請する場合」を削除した。
 二項は、一項の規定によって選任された代理人の権限に関する規定である。旧法においては、在外者の代理人の権限として「手続並民事訴訟、私訴及告訴」をすることを認めていたが、このうち私訴については旧刑事訴訟法にもとづくもので、旧法においても事実上は廃止されていたものである。また告訴及び民事訴訟の一部(たとえば、侵害訴訟)については、特許法上の問題でなく民事訴訟法又は刑事訴訟法の問題であるので、現行法では特許出願その他特許に関する手続のほかはこの法律に基づいて行政庁がした処分を不服として提訴する訴訟に限り権限を有することとしたのである。ここでいう「一切の手続」には、特許出願の取下げ、審判請求の取下げ等のいわゆる不利益行為も含む(旧法の場合は不利益行為については特別の授権がなければ代理権を有しないという解釈が有力であった)。
 なお、商標法条約四条(3)(c)には「委任状は、代理人の権限を特定を特定の行為に限定することができる。」と規定されていることに加え、近年における送達方法の発達及び特許庁の事務処理の機械化の進展等により在外者と直接連絡を取ることが容易となってきていることをも勘案して、平成八年の一部改正においては、特許法においても、本項にただし書を追加して、在外者も内国人と同様に特許管理人の代理権の範囲を制限できることとした。
[字句の解釈]
1 <住所>各人の生活の本拠をもって住所とする(民法二二条)。
2 <居所>住所のように生活の本拠ではないが多少の時間的継続をもって人が住んでいる場所をいう。なお、住所が知れない場合又は日本に住所を有しないものについては居所をもって住所とみなすこととされている(民法二三条、二四条)。
3 <特許管理人>本条の代理人は通常の委任による代理人と異なり包括的な権限を有する。こうした事実に着目して、特許管理人という特別の名称を付したのである。
[参考]
<特許管理についての登録制度の廃止>商標法条約では、代理に関して同条約に定める要件以外の要件を課すことを禁止しており(商標法条約四条(6))、平成八年の一部改正においては、商標法だけでなく、特許法においても特許管理人についての登録制度を廃止することとし、特許管理人の選任等についての登録の第三者対抗要件について規定していた三項を削除することにした。(青本第17版)
最終更新:2009年09月30日 21:09
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。