(被告適格)実意商
第一七九条
前条第一項の訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。ただし、特許無効審判若しくは延長登録無効審判又はこれらの審判の確定に対する第百七十一条第一項[再審の請求]の再審の審判に対するものにあつては、その審判又は再審の請求人又は被請求人を被告としなければならない。(改正、昭四五法律九一、昭六二法律二七、平五法律二六、平一五法律四七)
旧法との関係 一二八条ノ三
趣旨
本条は、審決に対する訴えの被告適格について規定したものである。行政事件訴訟法一一条は、処分行政庁が被告である旨を規定している。特許庁において現実に審決を行うのは審判官であり、しかも審判官は独立の官庁であると解されているから、行政事件訴訟法の一般原則からすれば被告は審判官ということになる。しかし、行政庁内部の事情から考え特許庁長官を被告とすることが便宜であるので長官を被告とすべきものとした。本条のただし書では無効審判及び特許権の存続期間の延長登録無効審判の審決に対する訴えにおいては、その審判の請求人又は被請求人を被告とすべきことを規定している。これは、他の審判に対する訴えにおいては特許庁長官を被告とするに対して前記の無効裁判は特許庁の処分についての紛争であるにもかかわらず請求人、被請求人という当事者対立構造を採用していることにかんがみ特に審判における相手方を被告とすべきものとしたものである。
この点は無効審判の確定審決に対する再審についても全く同様の問題であると考えられる。そこで昭和四五年の一部改正で、再審の審決に対する訴えについても請求人又は被請求人を被告とする旨を明定した。
なお、平成五年の一部改正において、訂正無効審判が廃止されたことに伴い、該当箇所を削除した。また、平成一五年の一部改正において、一二三条一項の審判及び一二五条の二第一項の審判を、特許無効審判及び延長登録無効審判と規定する修正を行った。趣旨については一二一条を参照されたい。(青本第17版)
最終更新:2010年01月09日 00:37