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特許法第一八四条の一〇

(国際公開及び国内公表の効果等)
第一八四条の一〇
国際特許出願の出願人は、日本語特許出願については国際公開があつた後に、外国語特許出願については国内公表があつた後に、国際特許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対し、その発明が特許発明である場合にその実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の補償金の支払を請求することができる。当該警告をしない場合においても、日本語特許出願については国際公開がされた国際特許出願に係る発明であることを知つて特許権の設定の登録前に、外国語特許出願については国内公表がされた国際特許出願に係る発明であることを知つて特許権の設定の登録前に、業としてその発明を実施した者に対しては、同様とする。(改正、平六法律一一六、平一〇法律五一、平一一法律四一)
2 第六十五条第二項から第五項[出願公開の効果等]までの規定は、前項の規定により請求権を行使する場合に準用する。(改正、平六法律一一六)
(本条追加、昭五三法律三〇)

趣旨
 本条は、国際特許出願について国際公開及び国内公表の場合の仮保護について規定したもので、六五条と同趣旨である。
 国際公開の効果については、PCT二九条(1)が出願人の権利の保護に関する限り、審査を経ていない国内出願の強制的な国内公開について当該指定国の国内法令が定める効果と同室とすると規定しているが、我が国の場合には出願公開に伴う補償金請求権がこれに該当する。ただし、その効果を生じさせるべき時期については、PCT二九条にいくつかの選択可能な時期が規定されており、諸外国とも各国の現行法の規定に準じた時期を採用するとしている。我が国としても六五条の規定に準ずることとし、国際公開は原則として優先日から一年六月経過した後になされるものであり、出願公開の時期と同じであることから、日本語で国際公開される日本語特許出願については、国際公開後に生じさせることとした。ただし、外国語特許出願の場合には、その出願に係る発明の内容は翻訳文により定まるものであるため、翻訳文の公表時である一八四条の九に規定する国内公表jの後に生じさせることとした。
 PCTは、指定国の国内法令は国際公開が出願人の請求により優先日から一年六月を経過する前に行われた場合に、国際公開の効果が優先日から一年六月を経過した時から生ずることを定めることができる旨を定めており(PCT二九条(3))、我が国の特許法は特許出願の日から一年六月を経過する以前の早期公開を認めていなかったことから、国内出願との均衡を図り、優先日から一年六月を経過する以前に国際公開がなされた場合であっても、補償金請求権は優先日から一年六月を経過した時以降にしか生じないこととしていた。しかしながら、平成一一年の一部改正において、出願人の請求により優先日から一年六月を経過する以前の早期公開を認めることとしたことに伴い、日本語国際特許出願については、優先日より一年六月を経過する以前に国際公開がなされた場合においても、国際公開語に補償金請求権を生じさせることとした。
 なお、平成一〇年の一部改正において、六五条一項の出願公開による補償金請求権の規定の改正に伴い、国際出願の場合の補償金請求権についても、両者の整合性を担保するため、一項における「通常」という文言を削除する改正を行った。
 二項は、補償金請求権の行使について、出願公開による補償金請求権を行使する場合に準用することとしたものである。(青本第17版)
最終更新:2010年01月29日 13:29
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