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特許法第一八四条の一五

(特許出願等に基づく優先権主張の特例)
第一八四条の一五
国際特許出願については、第四十一条第四項及び第四十二条第二項の規定は適用しない。(改正、平五法律二六)
2 日本語特許出願についての第四十一条第三項の適用については、同項中「又は出願公開」とあるのは、「又は千九百七十年六月一九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」とする。(改正、平五法律二六)
3 外国語特許出願についての第四十一条第三項の適用については、同項中「特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、「又は出願公開」とあるのは「又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」とする。(改正、平五法律二六、平六法律一一六、平一四法律二四)
4 第四十一条第一項の出願が国際特許出願又は実用新案法第四十八条の三第二項の国際実用新案登録出願である場合における第四十一条第一項から第三項まで及び第四十二条第一項の規定の適用については、第四十一条第一項及び第二項中「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、同条第三項中「先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面」と、同条中第三項中「先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面」とあるのは「先の出願の第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、「について出願公開」とあるのは「について千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」と、第四十二条第一項中「その出願の日から一年三月を経過した時」とあるのは「第百八十四条の四第四項若しくは実用新案法第四十八条の四第四項の国内処理基準時又は第百八十四条の四第一項若しくは同法第四十八条の四第一項お国際出願日から一年三月を経過した時のいずれか遅い時」とする。(改正、昭六二法律二七、平成五法律二六、平一四法律二四)
(本条追加、昭六〇法律四一、改正、平五法律二六)

趣旨
 本条は、国際特許出願について、四一条に規定する特許出願等に基づく優先権の主張の特例を規定したものである。
 PCTに基づく国際出願であって日本国を指定国として含むもの(特許出願に係るものに限る)は、その国際出願日にされた特許出願(国際特許出願)とみなされるので、この国際出願による特許出願は、本法等に特段の定めがない限り、特許出願として本法等の規定の適用を受けることとなり、四一条の規定についても同様である。
 このように、国際出願について特許出願等に基づく優先権制度が導入され、国際出願においてPCT八条(2)(b)に規定するいわゆる自己指定の効果が認められることとなった。自己指定とは、一又は二以上の特許出願又は実用新案登録出願(国内出願に限られる)、あるいは日本国のみを指定国として含む国際出願を基礎とした優先権の主張を伴う国際出願において、日本国を指定国として含めることを言う。このような自己指定の自己指定の効果及び条件はPCT八条(2)(b)により国内法令の定めるところによることとされており、これに対応して四一条及び本条が創設されている。
 なお、自己指定以外の場合、つまり日本及び日本以外のPCT加盟国を含む国際出願を基礎として優先権の主張を伴う国際出願に日本国を指定国として含む場合は、PCT八条(2)(a)の規定により、パリ条約四条の定めるところとなる。
 一項は、国際特許出願において四一条に規定する優先権の主張の手続及び主張の取下げは、PCT及びPCT規則の規定によるため、四一条四項及び四二条二項の規定は適用しない旨を規定している。
 国際出願についての優先権の主張の手続は、PCT規則の定めるところによるものとされており(PCT八条(1))、PCT規則では優先権の主張の手続について種々の規則が設けられている(PCT規則4.1(b)(i)、(4.10))。そこで、優先権の主張の手続を定めている四一条四項の規定は国際特許出願については適用しないこととしている。したがって、国際特許についての四一条一項の優先権の主張は、国際出願の願書において行うこととなる。なお、PCT規則17.1において、出願人が優先権書類を提出しない場合には、指定国はその優先権の主張を無視することができるとされているが、我が国は四一条一項の優先権の主張については優先権書類の提出を義務付けていないことから、優先権書類は不要である。
 また、国際特許出願についての優先権の主張の取下げは、PCT規則90の2.3に規定されていることから、四二条二項の規定は適用されない。したがって、優先権の主張の取下げは、優先日から三〇月を経過する前はいつでも取り下げることができることとなる。なお、優先権の主張の基礎とされた特許出願又は実用新案登録出願はその出願の日から一年三月を経過した時に取り下げられたものとみなされるので、その後にその優先権の主張を取り下げても、当該先の出願が復活することはない。
 二項は、四一条一項の優先権の主張を伴う日本語特許出願についての四一条三項の適用については、日本語特許出願は出願公開を行わないこととしていることから(一八四条の九第四項参照)、出願公開を国際公開に読み替えて適用するものである。
 三項は、四一条一項の優先権の主張を伴う外国語特許出願についての四一条三項の規定の適用については、外国語特許出願の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面によって定めるとともに、出願公開を国際公開に読み替えて適用するものである。
 四項は、四一条一項の優先権の主張の基礎となる先の出願が国際特許出願又は国際実用新案登録出願である場合に、四一条一項から三項までと四二条一項の適用について所要の読替えを規定している。
(1) 国際出願について、特許法上の願書に添付した明細書又は図面に相当するものは、国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面であることから、四一条一項及び二項で「願書に最初に添付した明細書又図面」とあるのを「第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と読み替えて適用するものである。これは、四一条一項の優先権の主張の基礎となる発明は、国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載されている発明であり、日本語国際出願だけでなく、外国語特許出願についても国際出願日における原語出作成された国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明である。この取扱いは、パリ条約四条に規定する優先権と同様である。
(2) 四一条三項の「先の出願の願書に最初に添付した明細書、請求の範囲又は図面」とあるのは、「先の出願の第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と読み替えるのは、前記(1)と同様の理由である。このことは、優先権主張の効果として二九条の二(実三条の二)の規定により後願を排除できる発明又は考案は、日本語国際出願だけでなく、外国語国際出願についても国際出願における原語で作成された国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明又は考案である。
(3) 国際出願については、出願公開は行われず、それに代わるものが国際公開であることから、出願公開とあるのは国際公開と読み替えて適用されるものである。
(4) PCT二三条、四〇条の規定を考慮し、四一条一項の優先権の主張の基礎とされた国際特許出願または国際実用新案登録出願のみなし取下げの時期を調整するため、四二条一項の「その出願の日から一年三月を経過した時」とあるのを「第百八十四条の四第四項若しくは実用新案法第四十八条の四第四項の国内処理基準時又は第百八十四条の四第一項若しくは同法第四十八条の四第一項の国際出願日から一年三月を経過した時のいずれか遅い時」と読み替えて適用するものである。
 なお、昭和六二年の一部改正により、国際特許出願又は国際実用新案登録出願のみなし取下げの時期が国内処理基準時と一致することとなったため国内処理基準時を用いた規定に改正された。
 なお、従来の五項では、四一条一項の優先権の主張の基礎とされた先の出願が旧一八四条の一六第四項又は実旧四八条の一四第四項の規定により特許出願又は実用新案登録出願とみなされた国際出願である場合における所要の読替えを規定していたが、平成六年の一部改正において、これらの規定は一八四条の二〇において規定することとし、五項は削除した。
 また、平成一四年の一部改正において、三六条二項の「明細書」から「特許請求の範囲」が分離されたことに伴い、本条にも同様の修正が加えられた。(青本第17版)
最終更新:2010年02月03日 12:19
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