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特許法第一八四条の二〇

(決定により特許出願とみなされる国際出願)
第一八四条の二〇
条約第二条(ⅶ)の国際出願の出願人は、条約第四条(1)(ⅱ)[願書]の指定国に日本国を含む国際出願(特許出願に限る。)につき条約第二条(ⅹⅴ)の受理官庁により条約第二十五条(1)(a)[指定官庁による検査]に規定する許否若しくは同条(1)(a)若しくは(b)に規定する宣言がされ、又は条約第二条(ⅹⅰⅹ)の国際事務局により条約第二十五条(1)(a)に規定する認定がなされたとき、特許庁長官に同条(2)(a)に規定する決定をすべき旨の申出をすることができる。(改正、平一一法律一六〇)
2 外国語でされた国際出願につき前項の申出をする者は、申出に際し、明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る。)、要約その他の経済産業省令で定める国際出願に関する書面の日本語による翻訳文を特許庁長官に提出しなければならない。(改正、昭六〇法律四一、平二法律三〇、平一一法律一六〇)
3 特許庁長官は、第一項の申出があつたとき、その申出に係る許否、宣言又は認定が条約及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当であるか否かの決定をしなければならない。
4 前項の規定により特許庁長官が同項の許否、宣言又は認定が条約及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当でない旨の決定をしたときは、その決定に係る国際出願は、その国際出願につきその許否、宣言又は認定がなかつたものとした場合において国際出願日となつたものと認められる日にされた特許出願とみなす。
5 前項の規定により特許出願とみなされた国際出願についての出願公開については、第六十四条第一項中「特許出願の日」とあるのは「第百八十四条の四第一項の優先日」と、同条第二項第六号中「外国語書面出願」とあるのは「外国語でされた国際出願」と、「外国語書面及び外国語要約書面」とあるのは「第百八十四条の二十第四項に規定する国際出願日となつたものと認められる日における国際出願の明細書、請求の範囲、図面及び要約」とする。(改正、平六法律一一六)
6 第百八十四条の三第二項[国際特許出願についての四三条不適用]、第百八十四条の六第一項及び第二項[国際出願に係る願書、明細書等の効力等]、第百八十四条の九第六項[証明等の請求]、第百八十四条の十二から第百八十四条の十四まで[補正の特例、特許要件の特例等]、第百八十四条の十五第一項、第三項及び第四項[特許出願等に基づく優先権主張の特例]並びに第百八十四条の十七から前条まで[出願審査の請求の時期の制限、拒絶理由等の特例、訂正の特例]の規定は、第四項の規定により特許出願とみなされた国際出願に準用する。この場合において、これらの規定の準用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。(改正、平六法律一一六)
(本条追加、昭五三法律三〇)

趣旨
 本条は、PCT二五条の規定による指定官庁における検査についての我が国における手続、取扱いについて定めたものである。受理官庁が国際出願日を認めることを許否した場合若しくは国際出願は取下げられたものとみなす旨を宣言した場合又は国際事務局がPCT一二条(3)の規定により所定の期間内に記録原本を受理しなかったと認定したばあいについては、PCTは、国際出願の出願人がそれらの宣言等について不服がある場合は、それらの宣言等を行った受理官庁又は国際事務局に対して不服を申し立てるのではなく、権利を取得しようとする各指定官庁に対し、国際手数料の納付、翻訳文の提出等を行うことにより、それらの宣言等がPCT及びPCT規則に照らし正当であるか否かについて決定を求めることができることとなっている。その結果、指定官庁がその許否若しくは宣言が受理官庁の過失の結果であり、又はその認定が国際事務局の過失の結果であると認めた場合には、当該国際出願を、当該指定官庁に係る国における効果に関する限り、このような過失の結果が生じなかったものとして取り扱うこととなっている。(PCT二五条)。
 一項は、指定国に日本国を含む国際出願について、受理官庁が国際出願日を認めることを許否した場合若しくは当該国際出頭は取下げられたものとみなす旨の宣言をした場合又は国際事務局がPCT一二条(3)の規定により所定の期間内に記録原本を受理しなかったと認定した場合においては、当該国際出願の出願人は、特許庁長官に対し、経済産業省令で定める規定内にPCT二五条の検査を申し出ることができる旨明定したものである。ここで経済産業省令で定める期間内といっているのは、PCT二五条(2)(a)に規定する期間であり、具体的にはPCT規則51.3で規定している宣言等の出願人に対する通知の日から二月のことである。
 二項は、外国語でされた国際出願について検査の申出をする者は、明細書、請求の範囲、図面の中の説明、要約その他経済産業省令で定める国際出願に関する書類の日本語による翻訳文を特許庁長官に提出しなければならない旨を規定している(図面の翻訳文に関する昭和六〇年の一部改正および要約の翻訳文に関する平成二年の一部改正については、一八四条の四の[趣旨]参照)。経済産業省令で定める国際出願に関する書類としては、例示に揚げられている書類のほかに、国際出願に関し、出願人から提出された一切の書類及び受理官庁等から出願人に対し出された一切の書類が含まれる。なお、一項又は二項の規定によりされた検査の申出に係る手続に方式上の瑕疵、手数料の不納等の事由があった場合には、その手続は一七条三項の規定による補正命令の対象となり、その命令に対し補正がされなかったときは、一八条の規定により申出手続の棘下として処理されることとなる。
 三項は、特許庁長官は、検査の申出があったときはその申出に係る許否、宣言又は認定がPCT及びPCT規則に照らして正当であるか否かを決定する旨を規定したものである。
 四項は、三項により特許庁長官がその申出に係る拒否等が正当でない旨の決定をしたときは、その国際出願は、その国際出願につきその拒否等がなかったものとした場合において国際出願日となったものと認められる日にされた特許出願とみなす旨を規定している。したがって、検査の対象となる国際出願は、検査によって受理官庁等による許否等が正当でない旨の決定がされるまでは国内法上の特許出願とはみなされず、正当でない旨の決定がされてはじめて遡及して国内法上の特許出願とみなされることとなる。
 また、検査の結果特許出願とみなされた国際出願(以下「検査特許出願」という)にあっては、許否、宣言または認定があった以降は国際出願として取り扱われないため、国際公開がされることもない。したがって、検査特許出願については、六四条(出願公開)の規定を適用除外とすることなく、そのまま適用することとし、必要な事項の読替えを五項において行った。
 六項は、検査特許出願については特許法の規定が適用されることとなるが、その適用に当たっては、一八四条の三第一項の規定により特許出願とみなされた国際出願についての特例規則とほぼ同様の特例規則を設ける必要があるため、その特例規則のうちから必要なものについて準用することとしたものである。なお、従来は本項(旧五項が移動)において準用した規定についての具体的な読替えを規定していたが、これらの読替えについては、技術的な内容であるため、平成六年の一部改正においいて政令で定めることとした。(施令一七条参照)。
[字句の解釈]
1 <経済産業省令で定める期間>PCT規則51.1に規定するPCT二五条(1)(a)に規定する許否等の出願人に対する通知の日から二月(施規三八条の七参照)
2 <経済産業省令で定めるところにより>申出に係る様式(施規三八条の八参照)
3 <経済産業省令で定める国際出願に関する書類の日本語による翻訳文>出願人が国際事務局又は受理官庁に提出した書類及びそれらの機関が出願人に対し行なった処分に係る書類の翻訳文(施規三八条の九参照)(青本第17版)
最終更新:2010年02月07日 19:40
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