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特許法第一八七条

(特許表示)
第一八七条
特許権者、専用実施権者又は通常実施権者は、経済産業省令で定めるところにより、物の特許発明におけるその物若しくは物を生産する方法の特許発明におけるその方法により生産した物(以下「特許に係る物」という。)又はその物の包装にその物又は方法の発明が特許に係る旨の表示(以下「特許表示」という。)を附すように努めなければならない。
(改正、平一一法律一六〇)

旧法との関係
趣旨
 本条は、特許表示について規定したものである。特許に係る物に特許表示を附することは、その物が特許権の対象であることを明示し、権利侵害を未然に防ぐ効果を有する。本条はこのような事情を考慮して設けられたものであり、特許表示の方法については特許法施行規則において具体的に定められている。すなわち、物の特許発明の場合は「特許」の文字と特許番号、物を生産する方法の特許発明の場合は「方法特許」の文字と特許番号を表示することとされている(施規六八条)。なお、「特許標記」という旧来の用語を「特許表示」と改めたのは、標記という語は法令用語としては用いないという方針にそったものであり、実体的にはなんらの変更もない、最後に本条に違反しても罰則等の制限はない。すなわち、本条は訓示規定であり、「附さなければならない」ではなく「附するように努めなければならない」としたのもそのためである。
[字句の解釈]
<包装>他の立法例におけると同じように容器を包む。
[参考]
<本条違反に対する制裁>旧法制定の当時は、六四条三項として「特許標記ヲ附セサリシ為特許ニ係ル物ナルコトヲ知ラスシテ特許権ヲ侵害シタル者ニ対シテハ損害賠償ノ請求ヲ為スコトヲ得ス」という規定があった。しかし、これは工業所有権の保護にするパリ条約第五条Dの「権利の存在を認めさせるためには、特許の記号若しくは表示……を産品に付することを要しない。」という規則に違反するのではないかという疑いが生じ、その後削除された。現行法制定に際しても、特許表示を特許権侵害と関連させて規定すべきではないかという意見があり、「特許権侵害については侵害者に故意があったものと推定する。ただし、特許表示がなかった場合は、この限りではない」という案も出されたが、先に述べたように条約と抵触するのではないかという疑問があり、また、特許発明の不実施の場合などには特許表示をしようにもすることができないということもあり、結局採用されなかった。(青本第17版)
最終更新:2010年02月13日 20:19
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