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特許法第一九三条

(特許公報)
第一九三条
特許庁は、特許公報を発行する。
2 特許公報には、この法律に規定するもののほか、次に掲げる事項を掲載しなければならない。
一 出願公開後における拒絶をすべき旨の査定若しくは特許出願の放棄、取下げ若しくは却下又は特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ(改正、平六法律一一六、平八法律六八)
二 出願公開後における特許を受ける権利の承継(改正、平六法律一一六)
三 出願公開後における第一七条の二第一項の規定による願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正(同項ただし書各号の規定によりしたものにあつては、誤訳低聖書の提出によるものに限る。)(追加、昭四五法律九一、改正、平六法律一一六、平一四法律二四)
四 特許権の消滅(存続期間の満了によるもの及び第百百十二条第四項又は第五項[特許料不納による消滅]の規定によるものを除く。)又は回復(第百十二条の二第二項[特許料の追納による特許料の回復]の規定によるものに限る。)(改正、昭六〇法律四一、平六法律一一六)実
五 審判若しくは再審の請求又はこれらの取下げ(改正、平六法律一一六、平一五法律四七)実
六 審判又は再審の確定審決(特許権の設定の登録又は出願公開がされたものに限る。)(改正、平六法律一一六、平一〇法律五一、平一五法律四七)実
七 訂正した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容(訂正をすべき旨の確定した決定又は確定審決があつたものに限る。)(改正、平五法律一一六、平一四法律二四)
八 裁定の請求若しくはその取下げ又は裁定 実
九 第百七十八条第一項[審決等に対する訴え]の訴えについての確定審決(特許権の設定の登録又は出願公開がされたものに限る。)(改正、平一〇年法律五一)実
(改正、昭四五法律九一、昭五〇法律四六、昭六二法律二七、平五法律二六)

旧法との関係 六三条
趣旨
 本条は、特許公報について規定したものである。特許公報は、特許出願及び特許権に関して必要な事項を広く一般公衆に知らせるために発行するものである。
 一項は、特許庁が特許公報を発行すべきことを定めている。旧法は特許発明明細書も発行すべきものとしていたが、実際には明細書に記載された事項は出願公告によって公示されるのでそれをもって特許発明明細書の発行に代えていた。こうした事項を考慮して、特許公報のみをはっこうすればよいことにした。
 二項は、特許公報の必要的記載事項についての規定である。まず、本条以外にこの法律で規定するものとしては、出願公開の場合(六四条二項)、特許権の設定の登録があった場合(六六条三項)等がある。
 一号は、出願公開(昭和四五年の一部改正により出願公開を追加)後に特許出願が出願人の不利益に終わった場合で、この場合は六五条四項の補償金請求権は遡及的に消滅し、その特許出願に係る発明は自由に利用することができるものとなるため、その事実を公表するのである。特許出願の却下とは一八条又は一八条の二によって手続が却下されることを指す。また、昭和六二年の一部改正により、特許権の存続期間の延長制度が導入されたことに伴い、延長登録の出願の取下げも特許権の存続期間が延長されたものとみなされていたものが消滅するためその事実を公表することとした。
 なお、平成八年の一部改正において、一号中の「無効」を「却下」に改めたが、これは一八条において「無効」を「却下」に改め、一八条の二に「却下」を新設したことに伴なうものである。
 二号は、出願公開後における権利者が誰であるかを明らかにしたもので、一般公衆が発明の実施のため債権契約を締結する場合、権利者の確定に便利である。
 三号は、昭和四五年の一部改正で新設され、平成六年の一部改正において改正された規定であり、出願公開後の補正を公表することを定めたものである。ただし、一七条の二第一項ただし書各号の規定によりした補正については、誤訳訂正書の提出によるものを除き、公表は行わない。これは、そのような補正がされた場合には、補正後の出願についての処分が長期間を経ずに行われ、その結果が公報に掲載されることからみてわざわざ補正を公開する必要はないからである。なお、平成六年の一部改正により新設された誤訳訂正書による補正(一七条の二第二項)は、①通常は翻訳文に記載されていない事項を追加するものであるため、こうした補正が出願公開後にされると第三者との権利関係に影響を与える可能性があること、②不適法な誤訳の訂正を目的とする補正により外国語書面に記載されていない事項が追加されている場合を無効理由としていること等の理由から、一七条の二第一項ただし書各号に規定する時期に提出されたものであっても公表することとした。
 四号は、特許権の消滅した場合について規定したものである。特許権の消滅は特許原簿に登録されるが、特許権のように対世的な効力を有する絶対権の消滅については、特に公示手段を徹底し、その発明を自由に利用することができる旨を社会に知らせることが望ましく、特許原簿への記載のほかに特許公報に掲載することにした。ただ特許権の消滅のうち、存続期間の満了による場合と特許料不納による場合とはその数も多く、いちいち調査してただちに掲載するこおtは手続を著しく煩雑にするので、必要掲載事項としては規定しなかった。したがって、ここで特許権の消滅とは、無効による場合、放棄による場合などをいうのである。
 なお、平成六年の一部改正において、一一二条じょうの二第二項の規定により特許権が回復した場合には、第三者に与える影響が大きいことから、その旨を特許公報に掲載することとした。
 五号及び六号は、審判又は再審に関し、その申立て、請求、取下げ及び確定審決等を公報掲載することを規定したものである。以前は、特許異議申立てに関するものも掲載の対象とされていたが、平成一五年に特許異議申立制度が廃止されたことに伴い、本号においても特許異議申立てに関するものは対象とされなくなった。なお、同改正では、従来旧七条に規定されていた公報掲載事項を整理し、五号から七号までに分けて規定した。また、平成一〇年の一部改正において、拒絶確定出願等の先願の地位の見直し(三九条五項)が行われたことに伴い、如何なる権利も与えないのであれば発明の開示をすべきではないことから、発明の開示(特許権の設定の登録又は出願公開)がされていないものについては、拒絶査定をしじする旨の確定審決及び審決に対する訴えについての確定審判に対する訴えについての確定判決についても、特許公報への掲載を行わないこととしたため、その旨を六号及び九号に追加した。
 七号は、訂正審判の確定審決等により訂正が認められる場合に、訂正した明細書及び図面を公報掲載することを規定したものである。平成五年の一部改正前においては、訂正審判により請求された訂正が一二六条各号に規定する要件に適合するときは、請求公告(旧一六四条)を行い、訂正異議の申立て(旧一六五条)を認めることとしていた。しかしながら、平成五年の一部改正において、この請求公告制度が廃止されたため、訂正した明細書、特許請求の範囲及ぼ図面は、確定審決と併せて公報掲載することとしたものである。
 なお、本号は、訂正審判による訂正だけでなく、平成五年の一部改正により認められることとなった無効審判の手続における訂正(一三四条の二)をも対象としている。
 八号は、裁定の請求が行われたことを公示し、その特許権について取引等をしようとする者に警告を発するための規則である。九号は判決についてであるが、これも同趣旨である。
 なお、平成六年の一部改正により、出願公告後の補正を公報掲載する旨を規定していた三号及び出願公告後に拒絶査定がされた場合を公報掲載する旨を規定していた六号が削られた。
 平成一四年の一部改正において、三六条二項の「明細書」から「特許請求の範囲」が分離されたことに伴い、本条にも同様の修正が加えられた。
 平成一五年の一部改正において、特許異議申立制度が廃止されたことに伴い、該当箇所を削除した。(青本第17版)
最終更新:2010年02月15日 18:32
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