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特許法第一九五条

(手数料)
第一九五条
次に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
一 第四条、第五条第一項若しくは第百八条第三項の規定による期間の延長又は第五条第二項の規定による期日の変更を請求する者
二 特許証の再交付を請求する者
三 第三十四条第四項の規定により承継の届出をする者
四 第百八十六条第一項の規定により証明を請求する者
五 第百八十六条第一項の規定により書類の謄本又は抄本の交付を請求する者
六 第百八十六条第一項の規定により書類の閲覧又は謄写を請求する者
七 第百八十六条第一項の規定により特許原簿のうち磁気テープをもつて調製した部分に記録されている事項を記載した書類の交付を請求する者
(本項追加、昭五九法律二四、改正、平一〇法律五一)
2 別表の中欄に掲げる者は、それぞれ同表の下欄に掲げる金額の範囲内において政令で定める額の手数料を納付しなければならない。(改正、昭五九法律二四)
3 特許出願人でない者が出願審査の請求をした後において、当該特許出願の願書に添付した特許請求の範囲についてした補正に依請求項の数が増加したときは、その増加した請求項について前項の規定により納付すべき出願審査の請求の手数料は、同項の規定にかかわらず、特許出願人が納付しなければならない。(追加、昭四五法律九一、改正、昭五九法律二四、昭六二法律二七、平六法律一一六、平一四法律二四)
4 前三項の規定は、これらの規定により手数料を納付すべき者が国であるときは、適用しない。(改正、昭四五法律九一、昭五九法律二四、平一一法律二二〇、平一五法律四七)
5 特許権又は特許を受ける権利が国と国以外の者との共有に係る場合であつて持分の定めがあるときは、国と国以外の者が事故の特許権又は特許を受ける権利について第一項又は第二項の規定により納付すべき手数料(出願審査の請求の手数料以外の政令で定める手数料に限る。)は、これらの規定にかかわらず、これらに規定する手数料の金額に国以外の者の持分の割合を乗じて得た額とし、国以外の者がその額をのうふしなければならない。(本項追加、平一〇法律五一、改正、平一一法律二二〇、平一五法律四七)
6 特許を受ける権利が国又は次条の規定若しくは他の法令の規定による出願審査の請求の手数料の軽減若しくは免除(以下この項において「減免」という。)を受ける者を含む者の共有に係る場合であつて持分の定めがあるときは、これらの者が自己の特許を受ける権利について第二項の規定により納付すべき出願審査の請求の手数料は、同項の規定にかかわらず、国以外の各共有者ごとに同項に規定する出願審査の請求の手数料の金額(減免を受ける者にあつては、その減免後の金額)にその持分の割合を乗じて得た額を合算してえ多額とし、国以外の者がその額を納付しなければならない。(本項追加、平一五法律四七)
7 前二項の規定により算定した手数料の金額に十円みマンの端数があるときは、その端数は、切り捨てる。(本項追加、平一〇法律五一、改正、平一一法律二二〇、平一六法律七九)
8 第一項は第三項までの手数料の納付は、経済産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。ただし、経済産業省令で定める場合には、経済産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。(本項追加、昭五九法律二四、改正、昭五九法律二三、平八法律六八、平一一法律一六〇、平一一法律二二〇)
9 出願審査の請求をした後において、次に掲げる命令、通知又は査定の謄本の送達のいずれかがあるまでの間にその特許出願が放棄され、又は取下げられたときは、第二項の規定により納付すべき出願審査の請求の手数料を納付した者の請求により政令で定める額を返還する。
一 第三十九条第七項の規定による命令
二 第四十八条の七の規定による通知
三 第五十条の規定による通知
四 第五十二条第二項の規定による査定の謄本の送達
(本項追加、平一五法律四七)
10 前項の規定による手数料の返還は、特許出願が放棄され、又は取下げられた日から六月を経過した後は、請求することができない。(本項追加、平一五法律四七)
11 過誤納の手数料は、納付した者の請求により返還する。(改正、昭四五法律九一、昭五九法律二三、昭五九法律二四、平一一法律二二〇、平成一五法律四七)
12 前項の規定による手数料の返還は、納付した日から一年を経過した後は、請求することができない。(改正、昭四五法律九一、昭五九法律二三、昭五九法律二四、平一一法律二二〇、平一五法律四七)

旧法との関係 三一条
趣旨
 本条は、手数料について規定したものである。
 産業財産権行政の運営経費である特許特別会計は、収支相償の原則に基づき、必要な経費を受益者の負担により賄う制度である。料金の全体的な標準は、収支見通し、特許制度の利用状況、諸外国での料金水準等を総合的に勘案し、種々の料金全体として産業財産権行政に関する総経費を支弁するように設定されている。個別の料金の金額については、特許料のように財産権の付与の対価として法律で定めているもの、出願手数料や出願審査の請求手数料等のように実費を勘案しつつ政策的に上限を法律で定めた上で政令で具体的な額を定めるもの、閲覧請求に係る手数料のように定形的な行政サービスの対価として実費を勘案して政令で額を定めるものの三つに大分される。
 旧法においては手数料の額については、全面的に政令に委任し、「特許、実用新案、意匠及び商標の手数料に関する政令」をもって定めていたが、昭和三四年の現行法においては、手数料の額は国民の利益と密接な関係を有するため、当時の立法の傾向にしたがい、手数料の最高額だけは法律の別表で規定することにしたのである。
 その後、昭和五九年の手数料の改定及び規定の合理化に伴う改正において、期間の延長、特許証の再交付、書類の閲覧、謄本の交付等の手数料については、他の行政分野においても見られるような定型的な行政事務に関するものであることに鑑み、手数料規定の合理化の統一方針にしたがい、実費を勘案して政令で定めることを一項に規定した。
 二項は、特許出願、出願審査の請求等の手数料について、上限だけは法律の別表で定める旨を規定したものである。昭和四五年の一部改正で審査請求制度を採用したため、発明の数に応じて手数料を定めていた従来の特許出願の手数料を改めて一律とし、出願審査の請求について発明の数に応じた手数料を定めることとした。その後金額については数回改定をし、また、昭和六二年の一部改正により、「発明の数」ではなく「請求項の数」に応じて手数料をとることとした。
 また、平成一五年の一部改正によって、出願審査の請求の手数料は審査に要する実費以下の金額とし、特許料により審査費用等の不足を補う料金構造を改善することによって、特許率の高い出願人と低い出願人との間の審査費用の負担の不均衡を解消し、審査請求制度の目的である「真に権利化の必要とする特許出願について審査を請求する」という適正な審査請求行動の促進機能を改善することを目的として、出願審査の請求の手数料の引き上げ、特許料及び特許出願の手数料の引下げを行った。その結果、平均的出願(権利維持期間九年、請求項数七・六項(平成一三年の出願の平均値))一件あたりの出願から権利維持に係る総費用については九万円程度の減額となり、出願人による特許権の効率的な取得を奨励する料金構造となった。
 特許協力条約(PCT)に基づく国際出願については昭和五三年の一部改正により導入され、当該国際出願であって指定国に我が国を含むものは、その国際出願日にされた特許出願として特許庁に係属することとなったが、当該特許出願についての国内手数料は、PCT二二条の規定により指定官庁が翻訳文等の提出を求めるとともに出願人から報酬可能な手数料であり、指定官庁としての特許庁に対して初めてなされる手続とともにのうふされるべきものであることから、特許出願の手数料に相当する金額が規定された。国際段階で拒否等の扱いを受けた国際出願について特許出願として取り扱うことを求める申出(一八四条の二〇参照)についても指定官庁としての特許庁に対する初めての手続であることから同様とした。
 また、平成六年の一部改正において、外国語書面出願制度の導入及び特許異議申立制度が改正されたことに伴い、従来の特許前の異議申立てについての手数料が削除され、外国語書面出願、誤訳訂正書による補正、特許異議の申立て及び特許異議の申立てについての審理への参加についての手数料が本項に規定する別表に新たに規定されたが、平成一五年の一部改正により特許異議申立制度が特許無効審判制度へ統合されたことに伴い、特許異議の申立て及び特許異議の申立てについての審理への参加についての手数料は削除された。
 三項は、昭和四五年の一部改正により新設した規定で、第三者が出願審査の請求をした場合の追加の出願審査請求料を出願人に負担させることとしたものである。
 すなわち、出願審査の請求の手数料は請求項の数に応じて納付すべきこととしており、出願審査の請求後、請求項の数を増加する補正をする場合には、同時にその増加した請求項の数に応じた出願審査の請求の手数料を納付しなければならない。しかしながら、第三者が出願審査の請求をした場合であって、その後出願人が補正により請求項の数を増加したときには、第三者はもはや手続の当事者とシテその出願の処理手続に関与してくるものではないため、増加分に応じた出願審査の請求の手数料は誰が負担すべきであるかということが問題となる。そこで本項を設け、この場合の追加の出願審査の請求の手数料を出願人に負担させることにした。この出願審査の請求の手数料を納付しない場合には、特許庁長官は一七条三項三号の規定に依補正命令を出し、それでも納付されないときは一八条二項でその出願を却下することができる。
 また、平成一四年の一部改正により、国内出願の出願様式をPCTに定める出願様式と整合させ、「特許請求の範囲」を「明細書」から独立した書類にするという出願様式の変更を行ったため、本項における「明細書」も「特許請求の範囲」に改正された。
 四項及び五項は、国について手数料の納付を免除したものであって、特許料に関する一〇七条二項及び三項に対応する(一〇七条参照)。なお、五項においては、出願審査の請求の手数料以外の手数料については、減免措置の規定が存在しないこともあり、共有に係る場合における減免規定を「国」と「国以外の者」の共有に係る場合として規定した。また、「手数料(出願審査の請求の手数料以外の政令で定めるものに限る。)」としているが、これは、国と国以外の者とで権利を共有する場合に、「出願から特許権取得までに必要な手続」並びに「特許権の確定に必要な手続」であって発明又は権利の内容に由来する手続に係る手数料のみを対象として減免することとしたものである。したがって、自己(共有)の出願に対する閲覧や証明の請求に係る手数料については、五項の適用を受けることはできない。五項の適用を受けることができる手続については特許法等関係手数料令一条三項に規定されている。六項で規定する共有に係る出願審査の請求の手数料の納付については、本項については明文で適用除外とした。
 六項は、平成一五年の一部改正により新設された。近年、特許法、産業技術強化法、大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律、産業活力再生特別措置法及び中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律において減免措置を受けることのできる者として定められている大学、企業、TLOと企業等による共同研究が推進されており、権利の共有に係る減免措置の導入への要請が顕在化したことから、平成一五年の一部改正において、これらの法令により特許料の減免措置を受けることのできる者が共有者に含まれる場合、共有者ごとに、単独出願の場合の納付額(減免対象者は減免後の納付額)に持ち分の割合を乗じ、その結果得られた共有者ごとの負担額を合算した額を納付額とする旨をきていした。また、補正は各人が共有者全員を代表して行うため、出願人全員で行うものであり、補正により増加した請求項の出願審査の請求の手数料についても本項が適用される。
 また、本項は、共有者の中に含まれる減免を受けられる者が、本来単独で自己の出願に審査請求した場合に減免される割合を、その持分から減免する旨が規定されたものである。したがって、「自己の特許を受ける権利について」と規定することにより、第三者の出願に対する審査請求の場合は、減免措置の対象とならないことも明確にした。
 七項は、共有に係る場合の手数料の取扱いを規定したものであって、特許料に関する一〇七条四項に対応する(一〇七条参照)。
 八項は、手数料の納付方法について規定したものであり、一〇七条五項に対応する(一〇七条参照)。
 九項及び一〇項は、平成一五年の一部改正により新設され、出願審査の請求後に、出願人にとって権利取得の必要性がなくなった特許出願について、審査結果の最初の通知前に当該特許出願の放棄又は取下げがあった場合には、その後六月以内における出願審査の請求の手数料の納付者からの返還請求により、出願審査の請求の手数料のうち政令で定める額を返還する制度が導入された。当該制度の導入により、出願人の費用負担を低減するとともに、真に権利取得を必要とする特許出願のみが審査されるようにすることにより、全体として迅速・適格な審査の実現が期待される。
 出願審査の請求の手数料の返還請求の要件となる出願の放棄又は取下げは、審査官が審査を開始する前に行われることにより、審査資源を他の出願に費やすことが可能となり、迅速な審査に資することが規定される。しかしながら、審査の実際の開始時期は、出願人が必ずしも明確に知り得るものではないため、ある程度審査官が審査を進めてしまった後であっても、出願人がその時期を明確に知り得るよう、法令上の行為の時点までとした。したがって、現在特許法上に明記されている出願人への通知を受けるまでとし、具体的に四つの各号を規定した。
 出願審査の請求の手数料の返還請求が可能な者は、返還対象の手続を行った者であることを規定している。また、「納付すべき出願審査の請求の手数料を納付した者」との規定により、返還請求が可能な者は、出願審査の請求の手数料を完納した者に限られる。出願審査の請求後の補正による請求項の増加等返還対象手続が複数あった場合についても、それぞれの手続を行った者にそれぞれ政令で定める額の返還を行う。
 返還の金額については、出願人は出願審査の請求により他者を牽制し得ること、仮に常に全額返還を行うとすると事実上の出願審査の請求期間の延長として濫用される可能性があること、出願審査の請求の手数料は政策手数料として設定していることを考慮し、出願審査の請求の手数料は具体的な額が政令に委任されていること、出願審査の請求の手数料の減免額についても政令で定められていることから、具体的な返還額については特許法等関係手数料令で定めることとした。
 返還請求が可能な期間は、現行法の規定例としては返還事由の発生時から一年又は六月に二分される。このうち、過誤納の特許料及び手数料の返還請求については、納付者自信が気づかない場合が多いことを考慮して一年とされている。特許出願の取下げは、通常出願人の自発的行為であることから、それに伴う出願審査の請求の手数料の返還請求の期間は、出願を取り下げた日から六月以内とした。
 一一項及び一二項においては、過誤納の手数料があった場合にそれをそのままに放置することは国が不当利益ことになるので返還する旨を規定し、返還請求の期間を定めた。手数料については前納という事態が考えられないので、特許料に関する一一一条一項二号に相当する期間は設けなかった。(青本第17版)
最終更新:2010年02月17日 23:58
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