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特許法第二〇〇条の二

(秘密保持命令違反の罪)
第二〇〇条の二
秘密保持命令に違反した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、これを併科する。(改正、平一七法律七五)
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3 第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。(本項追加、平一七法律七五)
(本条追加、平一六法律一二〇)

旧法との関係 該当条文なし
趣旨
 本条は、平成一六年の裁判所法等の一部改正により新設された規定であり、秘密保持命令による営業秘密の保護の実効性を確保する観点から、秘密保持命令違反の罪を定めるものである。
 一項は、営業秘密の保護の実効性を確保するため、懲役刑と罰金刑によるの制裁を定めている。なお、平成一七年の不正競争防止法等の一部改正に伴って、懲役刑と罰金刑の併科が導入され、また、罰金額の上限が引き上げられた。
 二項は、秘密保持命令違反の罪の審理では、秘密保持命令の対象となった営業秘密の内容が審理に現れることが想定されるところ、刑事裁判手続が公開の法定で審理されることは憲法上の要請であり、これを非公開にすることは刑事裁判の性質上困難であるため、秘密保持命令によって保護されるべき営業秘密が刑事裁判手続において一層侵害されるリスクを伴うことから、本罪を親告罪とし、その訴追を営業秘密の保有者の意思にゆだねることとしたものである(営業秘密に関する不正競争防止法違反の罪を親告罪としていることとと同様の趣旨である。)。なお、秘密保持命令違反の罪により害を被った者(刑事訴訟法二三〇条)とは、当該秘密保持命令の対象となっている営業秘密の保有者を指すものである。
 三項は、平成一七年の不正競争防止法の改正に伴って導入された規定である。営業秘密の国外使用・開示行為の処罰と同様に、営業秘密の保護法益の観点から考えれば、国外で営業秘密が開示されようとも、営業秘密の財産的価値が減少することに違いはないことから、秘密保持命令違反については、国外犯についても処罰の必要がある。
 また、秘密保持命令違反については、一般的な営業秘密の国外使用・開示行為とは異なり、その主体が訴訟当事者等に限定される。このため、国際協調主義との関係でも、処罰の対象が不用意に広がることにはならない。加えて、同じ日本国内で行われている訴訟において、日本で管理されている営業秘密と外国で管理されている営業秘密を差別することは、司法秩序の維持という観点からは著しく合理性に欠ける。このため、秘密保持命令違反については、客体の限定を付さずに「日本国外で罪を犯した者」を処罰の対象としている。(青本第17版)
最終更新:2010年02月20日 21:19
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