(複数当事者の相互代表)実意商
第一四条
二人以上が共同して手続したときは、特許出願の変更、放棄及び取下げ、特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ、請求、申請又は申立ての取下げ、第四一条第一項[特許出願等に基づく優先権主張]の優先権の主張及び取下げ、出願公開の請求並びに拒絶査定不服審判の請求以外の手続については、各人が全員を代表するものとする。ただし、代表者を定めて特許庁に届け出たときは、この限りではない。(改正、昭三七法律一六一、昭六〇法律四一、昭六二法律二七、平五法律二六、平成一一法律四一、平一五法律四七)
旧法との関係 二十一条
趣旨
本条は、二人以上の者が共同して特許出願、審判請求等の手続をした後は、全員の不利益になるような手続を除いて、その後の手続について各人が全員を代表すべき旨を定めたものである。特許出願、審判請求等の手続自体については、別に三八条、一三二条等の規定がある。旧法の解釈においても、各人が互いに代表するのは利益行為についてのみであって、いわゆる不利益行為については代表しないものとされていたが、この場合の不利益行為とは、具体的にどの手続とどの手続を指すかは必ずしも明瞭ではなかった。現行法においては、この点九条に規定する代理人の権限の場合と同様、代表する権限のない手続を具体的に明示したのである。ただし書は、特に代表者を定めて特許庁に届け出たときは、その代表者のみが他を代表して、その他の者は代表する権限のない旨を規定したものである。この場合の代表者は必ずしも一人であることを要せず、二人以上であっても差し支えない。ただし書にいう代表者は、民事訴訟法三〇条一項の選定当事者に酷似するものである。
なお平成五年の一部改正において、補正却下不服審判が廃止されたことに伴い、本条中の該当箇所が削除され、また、改正前の四二条の二が四一条へ移動されたことに伴い、本条中の該当箇所が改正された。
さらに、平成一一年の一部改正においては、出願公開の請求が、通常は出願日から一年六月を経過するまで秘密の状態を保たれる出願の内容をそれ以前に公開するものであり、出願人の全員に不利益を生じる場合もあり得ることから、代表する権限のない手続として当該行為を追加することとした。
[字句の解釈]
<各人が全員を代表する>一二条に規定する代理人の個別代理の場合に酷似するものである。すなわち、明細書の補正や出願審査の請求をする場合などは共同出願人の一人がすれば有効であり、また特許庁からする手続についても共同出願人のうち一人に対してすれば全員に対してしたと同じような効果を生ずることになる。
なお、平成一五年の一部改正において、一二一条一項の審判を拒絶査定不服審判と規定する修正を行った。趣旨については一二一条を参照のこと。(青本第17版)
最終更新:2009年09月30日 21:20