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特許法第一七条

(手続の補正)
第一七条
手続をした者は、事件が特許庁に係属している場合に限り、その補正をすることができる。ただし、次条から第十七条の四までの規定により補正することができる場合を除き、願書に添付した明細書、特許請求の範囲、図面若しくは要求書又は第百三十四条の二第一項[特許無効審判における訂正の請求]の訂正若しくは訂正審判の請求書に添付した訂正した明細書、特許請求の範囲若しくは図面についての補正をすることができない。(改正、昭四五法律九一、昭五〇法律四六、昭六〇法律四一、平二法律三〇、平五法律二六、平六法律一一六、平一四法律二四、平一五法律四七)
2 第三十六条の二第二項の外国語書面出願の出願人は、前項本文の規定にかかわらず、同条第一項の外国語書面及び外国語要約書面について補正することができない。(本項追加、平五法律二六、改正、平六法律一一六)
3 特許庁長官は、次に掲げる場合は、相当の期間を指定して、手続の補正をすべきことを命ずることができる。
意商
一 手続が第七条第一項から第三項まで[手続能力]又は第九条[代理権の範囲]の規定に違反しているとき。
二 手続がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。
三 手続について第百九十五条第一項から第三項[手数料]までの規定により納付すべき手数料を納付しないとき。(改正、昭四五法律九一、昭五九法律二三、平五法律二六、平八法律六八)
4 手続の補正(手数料の納付を除く。)をするには、次条第二項に規定する場合を除き、手続補正所を提出しなければならない。意商(改>正、平五法律二六、平六法律一一六)

旧法との関係 施規一一条
趣旨
本条は、手続の補正について規定したものである。手続の円滑迅速な進行を図るためには、はじめから完全な内容の書面を提出することが最も望ましいのであるが、実際問題として当初から完全なものを望み得ない場合も少なくないので、昭和三四年制定の現行法は、事件が審査、審判又は再審に係属している場合には補正することができることとし、出願広告決定後においては一定の制限(旧六四条)の下に補正を認めることにした(また、出願広告決定前においてもその補正が不適法なものであるときは五三条等の規定が適用された)。
 しかしながら、昭和四五年の一部改正において、審判請求制度を採用したことに伴い、原則として補正ができる期間を「事件が特許庁に係属している場合」と改めた。(一項柱書)
 従来は特許出願があったときは、それを全部審査するので、出願があれば「審査に係属」したことになっており、出願直後から補正ができたのである。
 しかし、昭和四五年の一部改正で出願の審査は、出願審査の請求をまって行うこととしたので(四八条の二)、特許出願後出願審査の請求があるまでの期間は、「審査に係属」しているとはいえない。
 したがって、この期間内も補正することができるようにするため、「特許庁に係属」しているときは補正ができることとしたのである。ただ「特許庁に係属」とすると出願から出願審査の請求までの間のみならず拒絶査定から審判請求までの間も補正ができることになるが、別途明細書又は図面の補正については、一七条の二第一項において補正できる時期が制限されるので実質的には大した変化はないと考えられる。
 一項ただし書は、明細書等についての補正の時期的制限を規定したものである。
 昭和三四年の現行法制定時には、出願広告決定の謄本送達前は、いつでも明細書又は図面の補正をすることができ、出願広告決定の謄本送達後だけ補正の機関が制限されることになっていたが、昭和四五年の一部改正において出願公開制度を新設したことに等に伴い、出願広告決定の謄本送達前であっても、出願日から一年三月を経過した後は、一七条の二第一項各号に規定する場合、すなわち①出願の審査請求時、②他人による出願審査の請求の通知の日から三月以内、③拒絶理由通知に対する応答期間内又は④拒絶査定不服審判の請求の日から三〇日以内に限り補正ができることとしていた。
 しかしながら、こうした補正の時期的制限の下では、特にパリ条約による優先権の主張を伴う外国からの特許出願については、第一国出願の日から一年三月(優先権機関の一年を除けば実質的には三月)を経過した後は、補正ができる時期が審査請求時等に限られていたため、第一国出願の審査結果に応じて我が国の特許出願について補正を行おうとしても、この時期的制限により補正ができない場合があるという問題が生じていた。
 平成六年の一部改正においては、こうした問題を改善し、制度の国際調和を図るため、昭和四五年の一部改正により本項ただし書に規定されていた出願日から一年三月の補正の時期的制限を廃止することとした。
 平成一四年の一部改正においては、三六条二項の「明細書」から「特許請求の範囲」が分離されたことに伴い、本項にも同様の修正を加えることとした。
 平成一五年の一部改正においては、訂正の請求に関する規定が一三四条第二項から一三四条の二第一項に移動したことに伴い、該当箇所を変更した。また、一二六条一項の審判の訂正審判と規定する訂正を行った。趣旨については一二一条を参照されたい。
 二項は、平成六年の一部改正により新設された規定であり、外国語書面出願の外国語書面及び外国語要約書面についての規定したものである。出願日に提出された外国語書面は、出願日における発明の内容を記載した書面としての位置付けを有するものであり、その後の補正により記載内容が変更されることは適当でない。
 また、外国語書面の出願人は、その後提出した翻訳文が願書に添付した明細書等とみなされ、それを補正することにより、外国語書面に記載した事項の範囲内において適切な権利を取得することが可能である。このため、外国語書面及び外国語要約書面については補正することができないこととした。
 三項は、特許庁長官が手続の補正を命ずることができる場合を規定するものである。
 このうち三号は手数料を納付しない者に対し、補正命令をするという規定である。昭和四五年の一部改正で、審査請求制度が採用され、第三者も出願審査の請求ができることになったことに伴い、追加された請求項(昭和六二年の一部改正により導入)についての追加の出願審査請求料は誰が負担すべきかという問題が生じるに至った。そこで、一九五条(手数料納付に関する規定)を改正し、第三者の出願審査の請求後、請求項の数を増加するときの追加の出願審査請求料は出願人が負担すべきであるとの趣旨の規定を同条三項として新設した。
 そこで、これに伴い、その手数料を納付しない場合も補正命令によりこれを納付させることとするために同条三項を加えたものである。
 また、昭和五九条の各種手数料の改定等に伴う一部改正により、一部の手数料の額を実費を勘案して政令で定められることとしたので、一九五条の改正に伴い、同条第二項を加えることとした。
 なお、平成八年の一部改正において「審判長による補正命令」を削除したが、これは、審判事件に係る手続が方式に違反している場合の措置は、第六章・審判の規定中で明記すべきとの考えに基づき、一三三条二項を新設したことに伴うものである。
 四項は、本条の規定による補正をする場合の提出書類を規定したものである。手続の補正をするには、手続補正書を提出しなければならないが、平成六年の一部改正において、外国語書面出願についての誤訳の訂正を目的として補正するときには誤訳補正訂正書を提出すべき旨を一七条の二第二項に規定したため、この場合を除く旨を本状に追加した。
[字句の解釈]
<この法律又はこの法律に基づく命令で定める方式> 法律で定める方式の例としては、三六条(特許出願の方式)等があり、命令で定める方式としては、書面は日本語をもって記載すべき旨の規定(施規二条一項)や、相手方に送付するために必要な場合は必要な員数の副本を提出すべき旨の規定(施規四条)等がある。(青本第17版)
最終更新:2009年10月03日 01:35
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