(不当な手続の却下)実意商
第一八条の二
特許庁長官は、不適法な手続であつて、その補正をすることができないものについては、その手続を却下するものとする。
2 前項の規定により却下しようとするときは、、手続をした者に対し、その理由を通知し、相当の期間を指定して、弁明を記載した書面(以下、「弁明書」という。)を提出する機会を与えなければならない。
(本条追加、平八年法律六八)
旧法との関係 施行規則一〇条ノ二
趣旨
本条は、行政処分の適正化を目的として、出願人等が行った不適当な手続であってその補正をすることができないものについて、従前運用として行っていた不受理処分を「却下処分」として規定し、かつ、処分前に意見陳述の機会を与える旨の規定を新たに設けたものである。
一項は、特許庁長官が行う「却下処分」の根底を明文化したものである。これまでは、補正に適さない重大な要件の瑕疵がある場合(例えば、明細書を添付していない出願のようにそもそも出願の体をなさないもの)は、受理処分を拒否し当該手続の成立を否定する不受理処分を運用として行ってきた。裁判例(昭和四六年一月二九日東京地方裁判所民事第二九部判決・昭和四五年(行ウ)一〇六号)も法律上の明文の規定を要せずとも不受理処分に付し得る場合があることは法が当然に予定するところとしていたが、平成八年の一部改正において、行政処分の適正化及び平成五年に制定された行政手続法の趣旨(行政運営の公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益を保護する)を踏まえ、重大な瑕疵ある手続については、特許庁長官が出願等に係る手続書類を受理した後に却下する旨を明らかにしたものである。なお、本項により却下された出願は、従前の不受理処理となった出願の場合と同様、出願としての本質要件を欠いているものであるから、優先権を生じさせる>「正規の国内出願」(パリ条約四条A)とは認められない。
二項は、商法条約上の「官庁は、出願又は第一〇条から前条までの規定による申請に関し、却下し又は拒絶しようとすることについて合理的な期間内に意見を述べる機会を出願人又は申請人に与えることなく、その全部又は一部を却下し又は拒絶することができない。」とする規定>(同条約一四条)に対応し、
特許法においても、不適法な手続であってその補正をすることができないものについて却下する場合には、事前に意見陳述の機会を付与することとしたものである。
[字句の解釈]
<却下するものとする>特許法一八条(手続の却下)の規定では「却下することができる」としているのに対して、本条では「却下するものとする」としているのは、本条では、「却下するものとする」としているのは、本条が不適法でかつ補正不能な手続についての却下処分の原則的な規定であり、そのような手続については他の方法をとる裁量の余地がないことによる。(青本第17版)
最終更新:2009年10月06日 23:57