(願書等の提出の効力発生時期)実意商
第一九条
願書又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定により特許庁に提出する書面その他の物件であつてその提出の期間が定められているものを郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号。以下この条において「信書弁法」という。)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便(以下「信書便」という。)の役務であつて経済産業省令で定めるものにより提出した場合において、その願書又は物件を郵便事業株式会社の営業所であつて郵便窓口業務の委託等に関する法律(昭和二十四年法律第二百十三号)第二条に規定する郵便窓口業務を行うもの(同法第三条第一項若しくは第三項の規定による委託又は同法第四条の規定による再委託を受けた者の営業所を含む。)に差し出した日時を郵便物の受領証により証明したときはその日時に、その郵便物又は信書便法第二条第三項に規定する信書便物(以下この条において「信書便物」という。)の通信日付印により表示された日時が明瞭であるときはその日時に、その郵便物又は信書便物の通信日付印により表示された日時のうち日のみが明瞭であつて時刻が明瞭でないときは表示された日の午後十二時に、その願書又は物件は、特許庁に到達したものとみなす。
(改正、平一七法律一〇二)
旧法との関係 二六条、施規一八条、一九条
趣旨
本条は、民法九七条一項にいうところの意思表示についての到達主義の例外を規定したものである。すなわち、民法は、「隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達したときからその効力を生ずる」べき旨を規定しており、行政上の手続についてもこの原則が適用されるのが通例とされているのであるが、願書及び提出の期間が定められているもの(たとえば補正命令にもとづく手続補正書、拒絶理由通知書に対する意見書)については、特許庁と当事者との地理的間隔の差便にもとづく不平等を排除する意味において郵便事業者が郵便の引き受けをする窓口差し出した日時に特許庁に到達したものとみなすこととしたのである。いわゆる発信主義である。
また、郵便民営化により、民間事業者が信書の送達をすることについて郵便と信書便はほぼ同等なものになると考えられるので、平静一七年の郵政民営化法等の施行に伴う関連法律の整備に関する法律(平成一七年法律第一〇二号)において、本条に規定する到達主義の例外に信書便を追加する改正を行った。
本条の規定の適用を受けるためには、郵便物又は信書便を差し出した日時が明瞭であることが必要であり、引受時刻証明等により差出時刻を証明したものはその日時に、そのような証明がなくて通信日付印が明瞭なものはその日付印により表示された日時に到着したものとみなすことにしたのである。
本条に規定する願書その他の書類、物件については、郵便又は信書便によらないで直接特許庁に差し出すことも認められるが、その場合は本条の適用をまつまでもなく、差し出した日時が到着した日時である。また本条に規定する書類その他の物件以外のもの(たとえば、特許出願人の名義変更届等)については、一般の原則に従って郵便又は信書便によった場合であっても、特許庁に到達したときに、提出の効力が生ずるものとされる。
[字句の解釈]
1 <願書>その法律において、三六条の規定により特許を受けようとする者又は六七条の二の規定により特許権の存続期間の延長登録の出願をしようとする者が提出する願書をいう。
2 <提出期間が定められているもの>指定期間の場合と法定期間の場合の双方が含まれる。(青本第17版)
最終更新:2009年10月06日 23:58