(条約の効力)実意商
第二六条
特許に関し条約に別段の定があるときは、その規定による。
旧法との関係
趣旨
本条は、条約に別段の定めがある場合はそれによる旨を規定したものである。一般的に国際法と国内法の関係については、国際法は国家を義務付けるものではあるが、それは直接に国内法に影響を及ぼすものではなく、国家がその義務を履行するためには、それに必要な国内法的立法手段をとる必要があるとする説と、国際法も国内法も広い意味では同一次元の法秩序を律するものであり、両者の関係は一元的に考えるべきであるとする説とがある。後者の説のうちにはさらに、国際法と国内法とのいずれに優位を認められるべきかについて説が分かれ、国際法上優位説と国内法優位説とがある。本条は条約と
特許法との関係について、そのような議論の余地なからしめたるため設けられたものであるということができる。
ところで、本条の規定にいう「条約に別段の定がある」場合のもっとも適切な例は、工業所有権の保護に関するパリ条約四条の優先権に冠する規定である。この規定によれば、条約加盟国の一国において特許出願をしてその特許出願後一二月以内に優先権を主張をして他の加盟国に特許出願をしたときは、その特許出願ははじめに条約加盟国に特許をしたと同じように取り扱われるのである。したがって、はじめの特許出願から次の国への特許出願をするまでの間に、公然と発明を実施したまたは第三者が同一発明について特許出願をしていたとしても、その間の事実に関する限りは二九条一項各号(新規性)、三九条(洗願)の規定等は適用されないのである。(青本第17版)
最終更新:2009年10月08日 17:15