旧法との関係 該当条文なし
趣旨
本条は、実用新案登録出願又は意匠登録を特許出願に変更することができる旨を規定する(特許出願を実用新案登録又は意匠登録出願に変更することができる旨はそれぞれ
実用新案法または意匠法に規定している)。旧法においては特許出願から実用新案登録出願への変更のみを認めて実用新案登録出願から特許出願への変更はみとめておらず、また意匠登録出願について特許出願への変更のみならず特許出願からの変更も認めていないが、現行法においてこれらのいずれの場合についても変更を認めることとした。
一項は、実用新案登録出願を特許出願に変更することができる旨を規定したものである。従来の実用新案法においては、
特許法と同様に実体的要件についての審査を経たのちに登録が行われていたため、実用新案登録出願を特許出願に変更できるのは最初の拒絶の査定の送達があった日から三〇日を経過するまでの期間とされていた(一項ただし書)が、平成五年の一部改正により、実用新案法が実体的要件についての審査を行うことなく登録させる制度へ改正され、拒絶査定がなされることがなくなったことに伴い、本項からただし書を削除し、実用新案登録出願として特許庁に係属している間は特許出願への変更をすることができることとした。
二項は、意匠登録出願を特許出願に変更することができる旨を規定したものであり、その変更をすることができるのは最初の拒絶の査定の謄本の送達があった日から三〇日を経過するまでの期間である。査定が確定しているのか否かとは関係なく拒絶査定に不服で審判を請求している場合であっても、拒絶査定の謄本の送達後三〇日を経過した後は出願の変更をすることができない。
なお、本項において「最初の査定」としたのは、審判から審査へ差し戻されて再び拒絶査定がされる場合もあるので、このような場合を含まない趣旨を明確にするためである。
また、昭和四五年の一部改正により審査請求制度を採用したこと及び平成一一年の一部改正により審査請求期間を三年に短縮したことに伴い、改正を行った。すなわち、特許出願について出願審査の請求をすることができる期間は出願から三年であり、この期間を過ぎた後は、出願変更することを原作として認めないことし、その後は意匠登録出願について拒絶査定のあった場合だけその査定の謄本の送達があった日から三〇日以内の期間に限り認めることとした。なお、この変更出願については、出願審査請求期間の特例を設けている。なんらの措置も設けないでおけば、出願が変更されると、もとの出願の時まで出願日がさかのぼるので、出願から三年を過ぎた後に出願を変更したときには、その特許出願はすでに出願審査請求期間が切れていて取り下げたものとみなされてしまうため、三年後は全く出願変更ができないこととなる。そうすると出願人には酷であるから、拒絶査定された場合だけは変更することができることとし、その場合はその変更の日から三〇日間出願審査の請求をすることができることとしている(四八条の三第二項)。
三項(平成五年の一部改正において、旧三項が削除され、旧四項が新三項とされた。)は、審査の請求をすることができる期間の延長と出願の変更をすることができる期間との関係について規定したものである。意匠登録出願についての拒絶査定に対して審判を請求するときには査定の謄本の送達後三〇日以内にしなければならないことになっているが、その法定期間は当時者の請求により又は職権により延長される場合があり、その延長がされたときは、出願の変更をすることができる期間も延長されたものとみなす旨の規定である。
四項(平成五年の一部改正において、旧五項が新四項とされた。)は、昭和六〇年の一部改正により前条が削除されたことに伴い、それまで五項で準用されていた前条五項のもとの出願のみなし取り下げについて新たに規定したものである。
五項(平成五年の一部改正において、旧六項が新五項とされた)は昭和六〇年の一部改正において前条を削除したことに伴い、それまで五項で準用していた同条を準用する部分を削除した(この規定が設けられた理由については四四条二項の[趣旨]を参照のこと)。また、平成一一年の一部改正において四四条四項を新設したことに伴い、同項の規定を準用するよう五項に追加した。(青本第17版)