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特許法第四八条の六

(優先審査)
第四八条の六
特許庁長官は、出願公開後に特許出願人でない者が業として特許出願に係る発明を実施していると認める場合において必要があるときは、審査官にその特許出願を他の特許出願に優先して審査させることができる。(本条追加、昭四五法律九一、改正、平六法律一一六)

旧法との関係 該当条文なし
趣旨
 本条は、審査の順位の特則について規定したものである。
 審査は従来出願(先願)順に行うものとされていたが、昭和四五年の一部改正において審査請求制度を採用したことに伴い(四八条の二)出願審査請求順に行うこととなった。
 しかし、出願公開があった場合で、その発明を第三者が業として実施しているときにも、この原則を徹底すると弊害を生ずることが予想される。
 そこで、このような場合には、特許庁長官は審査官に他の出願の審査の順序にかかわらず、先にその出願を審査させることができることとしたものである。
 なお、このようなことは特許庁の事務の取扱方法に関するものであり、庁内部の指揮命令に属するので必ずしも法定する必要のないものであるが、出願公開制度に伴う弊害の除去のためには、審査の順位をくりあげることができることを明確にし、必要な手続を施行規則等に定めて運用することがより適切であると考えた、明定することによって一般人の理解と協力をも得ることをねらって条文化したものである。出願公開後第三者に警告してもなお特許出願に係る発明を業として実施している場合には、特許出願人は、特許権の設定の登録後にその実施に対する補償金を請求することができる(六五条)。しかし、出願公開後その出願が審査されるまでの期間が長いと、その間に第三者の実施により出願人が予想外の影響を受け、補償金ではカバーできないということも考えられる。また、実施をしている第三者の場合、出願人から六五条の規定による警告を受けたが、もともとその発明は新規性がなく特許されるものではないということが明らかであるというものがある。そのようなものついて販売店その他得意先に警告されると事実上取引が混乱し、迷惑を受けることになる。このような出願について、その状況が明確になれば、優先的に審査し、早く結論を出して混乱を防ごうとするものである。手続等必要な事項は特許法施行規則で定めている。
[字句の解釈]
1 <特許出願に係る発明> 特許請求の範囲に記載された発明である。したがって発明の詳細な説明の欄には記載されているが、特許請求の範囲に記載されていないような内容の発明は含まれない。
2 <必要がある場合>緊急に審査をする必要がある場合という意味である。第三者が特許出願に係る発明を業として実施してる場合であっても、当事者の話合いによって実施されているとき又は実施の状況によって格段に急ぐ必要はないというものについては、優先権審査をしないことになる。(青本第17版)
最終更新:2009年10月29日 10:32
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