旧法との関係 なし
趣旨
本条は、昭和六二年の一部改正により新設されたものであり、特許権の存続期間の延長登録の出願に関し規定したものである。
一項は、特許権の存続期間の延長登録の出願をする際に提出すべき願書の作成要領について規定したものである。
なお、平成八年の一部改正では、一号中から「法人にあつては代表者の氏名」を削除した(改正理由は三六条の解説参照)
また、平成一一年の一部改正では、三号中のカッコ書きから「二年以上」を削除した(改正理由は前条の解説参照)。
二項は、特許権の存続期間の延長登録をする際に添付すべき資料について規定したものであるが、「延長の理由を記載した資料」の内容は、規制法によって要求する資料が異なってくるため、対象に応じて、要求する資料を経済産業省令で規定することとした。要求する資料は、審査官は、六七条の三第一項各号で規定している要件に延長登録の出願が該当するか否かを判断するのに必要かつ十分な資料として、
特許法施行規則三八条の一六に規定されている。
三項は、特許権の存続期間の延長登録の出願をすることができる期間を規定したものである。出願に要する期間は規制法により異なることも予想されるため対象に応じ政令で規定することとした。政令で規定される期間は現在のところ特許法施行令四条に規定されているようにいずれも三月である。
また、処分の日が遅くなり、処分の日が特許権の存続期間の満了日に近くなったような場合、当該特許権の存続期間が満了直前になって、突然、存続期間が延長されることとなり、場合によっては、六項の公報が出たとき、すなわち、存続期間が延長される可能性があることの警告措置がとられたときには、既に継続期間が満了した後であるという事態も考えられる。しかし、出願人は処分の日を管理できないため、偶然、処分の日が存続期間の満了前六月以降となったことのみをもって延長登録の出願をすることができないとするのは出願人にとって酷であるとの指摘があり、存続期間の満了前六月以降であっても、一定の条件(六七条の二の二参照)を満たせば延長登録の出願をすることができることとした。ただし、いったん消滅した特許権を復活させることは法的安定性を著しく損なう結果となるため、満了後の延長登録の出願は認められない。なお、本項に規定する期間以外に出願をした場合には、適法な出願はないとして、却下処分となる。
四項は、特許権が共有に係る場合は、共同で特許権の存続期間の延長登録の出願をしなければならない旨規定したものであり、本項に違反する場合は拒絶査定の理由にされ(六七条の三第一項五号)、延長登録の無効の理由にされる(一二五条の二第一項五号)。
五項は、拒絶査定や延長登録の査定が本来の存続期間の満了後になされた場合の法律関係について規定したものであり、特許権の存続期間の延長登録の出願があったときに、存続期間は、延長されたものとみなすこととしている。また、ただし書は、拒絶査定が確定したとき、又は存続期間の延長がなされたときは、この擬制的な効果は排除されることを規定している。
六項は、特許権の存続期間の延長登録の出願がなされた際の特許公報掲載事項を規定しており、特許番号、延長を求める期間、六七条二項(平成五年の一部改正において、従来の三項を二項に繰上げ)の政令で定める処分の内容等一項各号に掲げる事項並びにその出願番号及び年月日を掲載することにより、当該特許権について存続期間が延長される可能性があることを第三者(発明の利用者側)に知らせることとしている。(青本第17版)