(特許権の効力)
第六八条
特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。ただし、その特許権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専有する範囲については、この限りではない。
旧法との関係 三五条一項
趣旨
本条は、特許権の効力について規定してものであるが、このうち「実施」については、二条三項各号に定義させている。旧法においては特許権の効力は業としての特許発明の実施のみならず業としての実施以外の実施、すなわち、個人的家庭的な実施についてもおよぶこととされていたのであるが、このような面にまで特許権の効力をおよぼしめることは社会の実情から考えて行き過ぎであるということから改められたものである。ただし書きは、特許権について専用実施権を設定した場合は、その設定行為で定められた範囲において特許権者の独占的な地位は失われる旨を規定したものである。たとえば、特許権について関東地区の専用実施権が設定された場合は、その関東地区については特許権は内容の空虚な権利となるわけである。また、特許権の存続期間のうちの一定期間(三年とか五年とか)について専用実施権を設定した場合は、その期間について特許権者は全く内容の空虚な権利を有するにすぎないのである。この関係は土地の所有権と地上権の関係に類似している。
[字句の解釈]
1<業として>
実用新案法、
意匠法においては、旧法も「業トシテ」という語句が用いられてきたが、その解釈については明確な説がない。必ずしも営利を目的とする場合に限らないということについては争いがないが、その他の要件としては反復継続性が必要であるとか、他人の需要に応じて生産、使用等をすることが必要であるとかいわれている。具体的な事例をあげれば、洗濯屋が電気洗濯機を使用するのは「業として」であり、公共事業として干拓事業において浚渫機を使用するのも「業として」である。これに対して電気洗濯機を家庭の主婦が使用することは「業として」に該当しない。
2<専用実施権> 七七条参照(青本第17版)
最終更新:2009年11月06日 22:43