生物の他の生物に対する反応について
1 実験の動機
今年も、ABCの季節がやってきた。
何かしら実験をしなければならないということで去年失敗した花粉の採集の実験を再び試みたがまたしても失敗してしまった。
失敗した、ということを2年も書くのは難なので何か他の実験をしようと思っていたところに釣り雑誌に魚の鳥に対する反応について書いてあったので興味を持ち、やってみることにした。
2 実験の内容
今回行う実験は多摩川で捕ってきたウグイ、
ヌマチチブ、ケフサイソガニに紙で作った多摩川にいると見られるさまざまな生物の形を見せてその反応を観察する。
また、多摩川にはいないカサゴなどの海水魚の形を見せた時にどう反応するかを観察することである。
実際に作った紙型はカモ、サギ、ウグイ小(飼っているものと同サイズ)ウグイ中(10cmぐらい)、ウグイ大(20㎝ぐらい)、カニ、
テナガエビ、ヌマチチブ小(飼っているものと同サイズの5cmぐらい)、ヌマチチブ大(成魚サイズの15cm弱)カサゴ小(5cmぐらい)、
カサゴ大(20㎝弱)
3 実験に使う生物について
ウグイ 日本全国に生息する魚。降海型と河川型がいて汽水域でも生息できる。
成魚は最大で50㎝にもなる。実験で使ったウグイは体長3cmほどの幼魚で、多摩川で網で捕った。
ヌマチチブ 日本全国に生息するハゼの仲間。淡水~海まで適応可能な強い生命力を持つ。小さくてもメダカぐらいならパクリといく旺盛な食欲をもつ。
また、縄張り意識が強く水槽内で2匹以上飼うことは出来ない。
かつて2匹飼ったところケンカの末に1匹が死んでしまった。
ケフサイソガニ 淡水の混じる海水~汽水域に主に生息するカニ。
オスの鋏の内側に毛が生えている。何故かは分からないけど。
家で飼っているのもオスで確かにケフサってる。
ヌマチチブと一緒に飼っているがトラブルが起こらないので不思議に思っている。
4.実験の結果
ウグイの幼魚 ヌマチチブ ケフサイソガニ
カモ 隅に集まる 無反応 逃げる
サギ 隅に集まる 隅に逃げる 逃げる
ウグイ小 近づく 無反応 捕食しようとする
ウグイ中 同じ方向を向く 無反応 捕食しようとする
ウグイ大 同じ方向を向く 無反応 無反応
カニ 逃げる 無反応 威嚇
エビ 無反応 激しく捕食する 威嚇
ヌマチチブ小 逃げる 無反応 無反応
ヌマチチブ大 逃げる アピール&戦闘 無反応
カサゴ小 少し逃げる アピール 無反応
カサゴ大 少し逃げる アピール 無反応
カニ(実物) 逃げる 無反応 無反応
ヌマチ(実物) 逃げる 無反応 無反応
※ アピールとは自分のヒレを広げて自分を大きく見せる行動である。
しかし、求愛の時などにも行うので必ずしも威嚇とは限らない。
ただ、この場合はおそらく威嚇である。
5.考察
川の中で被捕食者にあたるウグイの幼魚は当然ながら逃げるという反応が多い。
しかしカモやサギの紙型には逃げるのではなく1箇所に集まろうとしていた。
ひょっとしたら群れることによって自分を大きく見せようとしているのかもしれない。
また、ウグイに対してはおそらく群れを形成しようとしているのだろう。
普段だったらヌマチチブはもっと食欲旺盛なのだが前日に餌をあげたのでヌマチチブはお腹いっぱいだったのだろう。
しかしエビにだけは捕食しようとした。エビはよほど美味しいのだろうか。
釣り餌にエビが使われることも納得できる。
ケフサイソガニは自分に対しては普段は結構無愛想なのだが紙型には反応を示してくれた。
後半になって無反応が続いているのは恐らく疲れてしまったのだと思う。
また、カサゴに対しての反応を見るとその生物の基本的な行動の原理が分かる。
被捕食者であるウグイの幼魚は分からないものからはとりあえず逃げる、ヌマチチブはとりあえず自分の縄張りをアピールする、カニは様子をうかがう、といったところだろうか。
6.感想
正直、実験を始めた当初は紙型ごときに生き物たちが反応してくれるかかなり不安だった。
しかしかなりちゃんと反応してくれた。
でも考えてみればそれも当然かもしれない。
野生で生きる彼らにとっては一つの行動が生死を分ける事もあるのだろう。
カサゴに対する反応は実験前にまったく予想がつかなかったのだが中々考えさせられる結果が出た。
また、好戦的なヌマチチブとカニはおそらくどちらも好戦的で実力が拮抗しているから一緒に飼えるのだろう。
ヌマチチブは魚だったら死ぬ覚悟であたっていくのかもしれないがカニの甲羅の硬さには歯が立たないのだろう。
ケフサイソガニは鋏の力は強力でもおそらく油断の少ないヌマチチブには当てられないのに違いない。
今回の実験は生物の一見意味がなさそうに見える行動でもきっと意味があるに違いないと思わせてくれた実験だった。
釣りしたいな~
最終更新:2009年11月03日 23:07