「ウィルス…!?」
クロウの驚愕する様を見ながら、バアルは再び、グラスの酒を口に含んだ。クロウが彼の話を、頭の中で飲み込むのを待っているかのように。
当のクロウはと言えば、益々混乱していた。
「わ、分からん。確かにゴースト…ビートルジュースは俺の前で自殺して見せて、その後テレビで出てきてあの事件を起こした。顔はともかく振る舞いから見て、俺には同一人物に見えたが」
クロウの言葉に、バアルは頷いた。
「すぐには飲み込めないのも分かる。だが、私が調査した結果はこうだ。『感染』して『発病』した結果、宿主の人格はビートルジュースとなる。そして、人格が切り替われば、それまでビートルジュースが持っていた記憶が、その身体に引き継がれる」
「どういう原理なのかまるで分からない」
バアルは苦笑しつつ、再度頷く。
「ウィルス自体に、そういう機能があるとしか言えんね。記憶の引継ぎも、そして『発病』した個体同士での記憶の共有も…ある意味、そうなった時点で、デコイではなくビートルジュースという別の生物に変化させられる…とも言えるのかもしれん」
「待て、その言い方だと…」
そう言いつつ、クロウの顔が青ざめる。
彼の危惧を想定しているかのように、バアルは頷いた。
「そうさ。『ビートルジュース』は何人も存在する。アクシデント、或いは君の前でやったようにパフォーマンスで彼が死ぬ度、別の彼が現れて役割を引き継ぐんだ」
「そんな相手、どう戦えば…」
その言葉は、言おうと思って言ったのではなく、クロウの口から零れ出たのだった。
「いや、それどころか、今こうしている間にも『ビートルジュース』は増えてるんじゃないのか!?」
「それはそうだろうが…そこまで急速に増えているわけではないよ。そもそも…『発病』には、幾つか条件がある」
「条件だと…?」
クロウの言葉に、バアルは頷いた。
「まず、一定以上の年齢の男しか『発病』はしない」
バアルの言葉に、今度はクロウは頷く番だった。
「確かに、今まで見たビートルジュースは全員男だった」
頷くクロウを見ながら再度グラスの酒を飲み、バアルは再び言葉を紡ぐ。
「そしてもう一つ条件がある。感染した人間が、一定以上に増幅された感情を抱くこと。これが発病の条件であり、そうなった時点で、人格の乗っ取りが開始される」
「感情、だと…」
クロウの言葉に、バアルは頷いた。
「覚えているかね。あの『ゲーム』で、彼は『自由にしろ』と言った」
バアルの言葉に、クロウは生唾を飲み込んだ。
「それは、つまり…奴は」
「そうだ。文字通り人々の感情を煽った。それが彼にとっては、『彼自身』を増やすことにも繋がるからだ」
クロウは、静かに拳を握った。
「何て、奴だ…!!」
そんなクロウの様子を眺め、バアルは視線を上に向ける。
「但し、だ。これらは『発病』の条件。『感染』については、これらの条件が当て嵌まることはない。そして『ビートルジュース』というウィルスは…空気感染する性質を持つ」
呟くように紡がれたその言葉に、クロウは改めて青ざめた。
「それは、つまり…」
「そう。たとえ『発病』しなくても…老若男女を問わず、感染の媒介となる。『発病』の条件を満たさぬ者も、『ビートルジュース』の増殖の、片棒を担ぐことになるのさ」
「それなら尚更…!!」
立ち上がろうとするクロウに、掌を向けるバアル。
「まぁ座れ。ここで無駄に焦っても意味はない。今、私が話すということに意味がある。どうか、最後まで清聴を…ミラージュ君」
「っ…!!」
口調こそ特に感情を出してはいなかったが、ただならぬ表情でそう語ったバアルに、クロウは座り直す他なかった。
「ここまで解明するのは大変だったよ。『ビートルジュース』がウィルスであると突き止めたまでは良かったんだが、『感染』と『発病』という段階があることや、その条件まで解明するには、遺跡のネットワーク上に存在する私だけでは限界があった」
そこまで呟くように言うと、バアルは再度クロウへと視線を戻した。
「故に私は、ビートルジュースに接触した。わざわざ『感染』できるように、デコイと変わらぬ端末まで作ってね」
彼の言葉に、クロウは目を見開く。
「奴らの陣営にいたのは、それが理由か…!」
バアルは頷くと、再び言葉を紡いだ。
「ノアとタナトスとの殺し合いが両者の共倒れで終わった。それから時間が経っていたとはいえ、1年にも満たぬ時間だ。最初は警戒されたよ。拘束衣まで着けられてね。けれども彼は、私がノアと同じ顔をしているにも関わらず、無力なデコイであることを知ると、逆に興味を持った。勿論、警戒は解かなかったがね」
そこまで言って一泊を置き、話は続く。
「けれど最終的には、望んでいた通りに…私は感染した」
バアルの言葉に、クロウは緊張の面持ちで彼を見る。
クロウの視線を受けながら、バアルは続けた。
「まぁ、それでも私は私のままだった…結局『発病』はしなかったわけだ」
「そしてそのまま、ロックマン・ジェネシスに殺された」
「…そういう顛末か」
冷や汗を流しながら、クロウは応じる。
「ジェネシス…あいつも事態の収拾を望んでいたのに、結局すれ違いで終わったわけか」
クロウの言葉に、しかしバアルは首を振った。
「そうでもない。『発病』したが最後、私の端末は私の端末ではなくなるし、そもそも私の目論見がビートルジュースに露見する所だった。ある程度まで解明はできたし、どう姿を消そうか思案していた段階だったんだ。ジェネシスは良いタイミングで私の前に現れてくれたわけさ」
「だが、結局ビートルジュースは野放しだろう…!?」
嫌にのんびりした口調だったバアルに苛立ちを感じ始めていたクロウが、語気を荒げて反論する。
バアルはそんなクロウをただ、無表情で眺めた。
「約束しよう。決して、野放しではない」
そう言うと、彼は椅子から立ち上がる。
「…?」
「さて、君に対して報告すべき事項は全て話し終えた。ここまで付き合ってくれて礼を言おう」
言いながら、カウンターへと近づいていく。
その言葉に、自然とクロウも椅子から立ち上がっていた。
「君に話したのは、ノアから『事業』を引き継いだ者としての、私のけじめ…みたいなものだ」
「おい、話は終わってないぞ。ビートルジュースをどうやって…」
「しかしながら、ここから先は、君に話すわけにはいかなくてね」
そう言うと、バアルはカウンターに置いてあったメトロノームの針を倒した。
カチ、カチ、カチと、金属音が店内に木霊する。
「っ!!?」
その瞬間、クロウは歩き出そうとした自分の脚が、持ち上げられなくなっていることに気づいた。
下を見ると、いきなり床が沼にでもなったかのように、足が沈み込んでいた。
「な…なんだ、これはっ…!!?」
そう言っている間にも、見る間に身体が床に沈み込んでいく。
クロウは、カウンターの傍にいるバアルを睨みつけた。
「おい、まだ話は…!!」
「悪いね、オペレーションは未だ完了していない。だから、君にはこれ以上情報開示はできないんだ」
そう言って、バアルはゆっくりと動けないでいるクロウへと近づいていく。
クロウの身体は、もう腰まで床に沈んでいた。
「それどころか、敵が『ウィルス』であると知った以上、このままでは君は…平穏無事に人生を送れないだろう。故に…」
「お前、まさか…!!」
沈み込む速度が益々早くなり、既に胸まで沈み込んでいる。バアルの言葉の続きを察してしまったクロウは、精一杯彼を睨みつけた。
「ふ、ふざけるな…!そんなこと、俺は頼んでない…!!」
「あぁ、私が勝手にやることだ。存分に恨んでくれたまえ」
自嘲的な笑みを浮かべてそう返すと、更にバアルはクロウへと近づいていく。
「これは夢のようなものだ。目が覚めた時、君の記憶にここでの出来事は…あまり残っちゃいないだろう。どれだけ思い出そうとしても、私が話した真実を、君は思い出すことはない」
「糞…バアル!!」
もう身体は、首元まで沈んでいた。バアルへ向けて精一杯に伸ばした右手と頭のみ。
そしてそのバアルは、クロウの目の前にいる。
そしてその瞬間、彼はクロウの手を掴み、彼の耳元に顔を寄せた。
「けれど…それでも尚、胸に燻るものがあるなら…時が来た時、思い出すがいい」
「合言葉は…『懐かしき未来』」
その言葉に、クロウは茫然とする。
そうしているうちに、バアルはクロウの手を離し、彼は床の中に頭まで沈んでいった。
「次会う時が来るかは分からないが…さらばだ。ミラージュ君」
クロウが消えた辺りの床を見下ろし、ポツリとそう呟くバアル。
そうして彼は、深く息を吐いた。
「それで?」
そう言ったのは、これまでずっと無言だった、カウンターの奥にいる女性の方だった。
彼女はメトロノームの針を止めると、バアルの方へ視線を向ける。
「私の覚悟を踏み躙った弁明は、あるんだろうな?」
言いながら、彼女は後頭部に結わえた髪を解いていた。
頭を振り、その長い髪が肩下まで下がる。
「おやおや、随分な言いようじゃあないか」
大げさに肩を竦めて、バアルは振り返った。
そうして、彼女の居るカウンターまで歩いていく。
「私が助けなければ、君は肉体の死と共に消失していたんだ。感謝して欲しいくらいだと思うがね?」
バアルの言葉を聞きながら、彼女は新しく取り出したグラスに、酒を注いだ。満杯になるまで。
そして、そのグラスを持つと、満面の笑顔を彼に向ける。
「そうだな、感謝しよう」
グラスに入った酒が、バアルの顔面にぶちまけられた。
静かに、クロウは目を開いた。
最初に見えたのは白い天井。そして、視界に違和感を感じた。
片手で左目に触れようとして、包帯の感触を感じる。ジャンゴとの戦いで左目を負傷したせいか、そこに包帯が巻かれていたのだ。
治療されているということは、ここは病院かとクロウは合点した。実際、以前に入院した際に見たのとあまり変わらない室内だった。
ゼゼはどこに行ったのか。その疑問を解消できそうな手段はない。一人用の室内は薄暗く、照明は灯っておらず、そして誰もいなかった。
ゼゼのことを考えて、頭に何か引っかかりを感じた。何か、大事なことを忘れてしまったような。
目を細める。何か夢を見たような気がするが、もう何も思い出せなかった。
ポケットから出したハンカチで顔を拭い、バアルは呟く。
「あー…私は大概人間の感情というものを理解していないが…」
そんなバアルを見る女性。彼女に向かって、バアルは視線を向けた。
「君が怒ってるというのは理解できた」
「理解してもらえて光栄だな」
今度は女性の方が肩を竦める番だった。
「私なりに覚悟して死を選んだんだ。それなのに、気が付くと目の前にお前がいて、いきなり強制的にバーテンの真似事をさせられたら怒りたくもなる」
「ハハハ、それでもちゃんとやってくれたのには私の方が感謝しなければね」
微笑みながらそう答えるバアル。
やがて気を取り直してとでも言うように、彼はカウンターの席の一つに座った。
「君を助けたのは、この先の展開を知ったら、君がどう行動するのか知りたかったからだよ、パンドラ」
「その名前は間違いだ。お前がイデアともノアとも名乗らないように…私もまた、もうパンドラじゃない」
「そうだね、ではこう呼ぼう…レイラ。話を聞いてもらえるかな」
バアルの言葉に、その女性――レイラは頷いた。
「しかし…この空間では、本人の自覚した姿で人格が縁取られる。君自身にとっては、あの子供の姿より、3千年前のその姿の方が自分だと認識しているようだね」
「子供の端末だった時の大半は記憶を失っていた。そのせいだろう」
言いつつ、レイラはバアルを睨む。
「それで?ビートルジュースに撃たれて死ぬことを望んでたんだが、そんな私を生かした理由は何だ」
レイラの言葉に、まずバアルは、カウンターに置かれた瓶から酒をグラスに注ぐと、それを一杯口にした。
そして、改めて口を開く。
「その前に、君の事を知りたい。かつて君は今のような大人の女性の姿だった。あれから3千年経って、どういうわけか君は子供の姿になってた。どういう経緯があったんだね」
バアルの問いに、レイラは奥の棚に置いてある一升瓶を一瞥した。
「…これをお前の頭に叩きつけたくなったが、まぁいいだろう。必要だというなら、そこから話すのも」
自分の問いには答えず、逆に質問を浴びせてくるバアルに苛立ちを隠さずにそう言うと、レイラもグラスを取り出して、酒を注いだ。
「お前が先程言っていた、後にヘブンを作った陣営と、後に『古き神々』と呼ばれた者達との最終戦争。その末期、大局が明確となった頃に、私は生み出された」
「その頃ということは、ロックマン・ジーザスが古き神々の大半を消滅させた頃かね」
バアルの言葉に、レイラは頷く。
「外部からヒトの脳の電気信号を読み取る…即ち思考を読む。更にはその電気信号に介入して、対象を操る。そういう研究の下、タナトスは私を生み出したんだ」
そう言うと、レイラは酒を口に含む。
目を瞑り、ゆっくりと味わって彼女は飲み干した。
「酒なんて滅多に飲まなかったが、本当に酒の味がする。ここは本当に仮想世界なのか」
「それは勿論。じゃなきゃ死んでる筈の君がここにいる説明がつかんだろう?さぁ、続きを話したまえ」
バアルの言葉に、レイラはその表情に再度あからさまな苛立ちを表したが、それでも渋々と言った様子で彼女は語りだす。
「最初、古き神々達は私をヘブンに対抗する切り札にしようとしたが、その当時の私の能力はまだ未完成でな。ロックマン・ジーザスを操れれば逆転もあり得たかもしれないが、それは叶わなかった」
「なるほど、君のような能力を持った者がいるなら、古き神々は何故再びヘブンに対して蜂起しないのかと思っていたが…そういう理由があったのか」
再びレイラは頷き、話を続ける。
「対局が決し、ヘブンが本格的に地上を支配し始めるまでの間、タナトスやプロメテウスに連れられて、様々な者の頭の中を見た。そのうちに出会った一人が、元のお前だったな」
「さてね…今となっては私とノア、イデアの関係など、どう表現すればいいかも分からんよ」
若干苦々しい表情でバアルはそう言った。
「元のお前が消えた後も、特に混乱は起きなかった。それどころか、タナトスはプロメテウスという実験台も手に入れたし、益々研究に没頭してたな。丁度ヘブンも地上の支配を完了する頃で、私達は地下深くに避難した」
再度酒を一杯飲み、レイラは言う。
「プロメテウスがどういう存在になったのか、あまり理解できてなかったが、さっきのお前の解説で漸く理解できたよ」
「それで、君は何故子供の姿に?」
目を細めてバアルを見ると、レイラは続ける。
「さっきも言ったが、私の能力は未完成で、定期的にタナトスに身体を改造されては、地上に出てヒトや動物の思考を読み、時には操った」
言いながら、彼女は回想するように視線を宙に向けた。
「最初はヘブンが作るデコイがあまりに原始的な個体だったんで、動物とあまり変わらなかった。時が経つに従って、ヘブンもデコイの改良を進め、そして私もまたデコイ達の思考が複雑化していくのを理解した」
「私も能力を強化され、より広範囲のデコイや動物の思考が読めるようになったし、操作もできた。一度など、偶然遺跡の中で遭遇した司政官の思考を読み、操ることに成功した。まぁ、ヘブンに感づかれる可能性があったから、派手な事件にはしなかったが」
「だがある時、タナトスから言われた。これ以上能力を強くするためには、より身体を機械――リーバードに近づける必要があると。つまり、私の能力は頭打ちになったわけだ」
「なるほど、そういう経緯があったのか」
納得したように、バアルは相槌を打つ。尚もレイラは話を続けた。
「私はタナトスの言葉に従った。というか、選択肢は無かった。タナトスに見捨てられれば、早晩ヘブンに発見されて処分されるのがオチだっただろうからな。故に、そのまま私は眠らされた」
「ふむ、それで少女の姿に?」
バアルの問いにレイラは頷く。
「眠る前、私はタナトスに一つ、条件を告げた。『自分が望んだ時に死ねる身体にしてほしい』と。だから、あの身体の半分は無力なデコイとして作られたんだ」
「なるほど…」
そして、レイラは酒を飲みながら尚も話を続ける。
「それからは大した話は無い。気が付けば、何故か遺跡の中で逃げ惑うデコイをリーバードに殺させていた。いつのまにかタナトスが、デコイを攫ってきては遺跡の中に送り込むようにしたらしい。それで、私は遺跡から出ずに、デコイを逃さず殺せと命じられ、ずっと殺してきた」
「そんな時、私の前にプロメテウスが現れた。私が知っていた頃とは顔が違っていて…というか何もかも違ってたが、言動は私の知るプロメテウスだった。奴は、私に『ゲーム』に参加してほしいと言ってきた」
「あぁ、さっきまでやってた奴か」
タナトスの微妙に暢気な言い方に眉を顰めると、レイラは続ける。
「奴は私に、『ゲーム』のために記憶を消してもらいたいと言ってきた。何でも、ある男をおびき寄せるためだと。もうその時点で生きる意味さえ見出せなくなっていた私は、了承した」
「で、ここからは過去の記憶が消えた状態の私になったわけだが…」
言い淀むレイラに、バアルは顔に疑問を浮かべた。
「どうしたね?その頃の記憶だってちゃんとあるんだろう?」
「何故だろうな…あまり思い出したくない」
そう言ったレイラの表情は、これまで見せたことのないほど沈んでいた。
「つまり結局の所、あの子供の姿になったことで君の能力は完成し、記憶を消すことでビートルジュースのゲームに参加したと」
酒を一杯飲みながら、バアルはそう総括した。
レイラもまた酒を飲みつつ頷く。
「お前の望み通り私は説明したぞ。お前も説明しろ。何故私を生かした?」
バアルはそんなレイラを見つめると、口を開く。
「先程ミラージュ君に約束した。ビートルジュースを野放しにはしないと」
「それがどうした」
「私はそのための布石を打ったんだ」
バアルの言葉に、レイラは目を細める。
「布石?」
レイラの言葉に、おもむろにバアルは席から立ち上がった。
そして、グラスを持って窓際へと近づくと、窓の外を眺める。
窓の外は夜闇でよく見えないが、所々に草の生えた荒野が広がっていた。
「私が君を救ったのは、君に一つ聞きたいことがあったからさ」
「何だ、それは?」
レイラはバアルの背中を疑問の表情で見る。
バアルはしばらく沈黙し、グラスの酒を飲んでいた。だがやがて振り返ると、レイラを真っ直ぐに見る。
「必要最低限の手は打った。だが君が協力してくれれば、成功に一歩近づくんだ」
その顔には、先程クロウにビートルジュースの正体を暴露した時と同じだけの、真剣さが宿っていた。
「…一体、何の話だ」
僅かに目を細めて、バアルはレイラの疑問に答えた。
「君ならスティーブ・ハントを救える。そう言ったら、どうするね?」
レイラは、目を見開いた。
最終更新:2019年10月28日 01:03