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第十九話」(2007/08/12 (日) 20:36:40) の最新版変更点

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その日は、あたしにとって生涯忘れられない日になった。塾を無断欠席したおかげで、先生や親には大目玉を喰らったけれど、アンコウに出遭えたことの意味が大きすぎて、あたしには説教の声は聞こえていなかった。    そろそろ家に帰らないとね、とアンコウが言った時、彼は自分のズボンについているポケットから小さな紙を出して、私にそれを握らせた。 「これ、俺の携帯番号の電話とメアド。よかったら登録しておいて。いつでも連絡よこせよ。」  あたしはだまってうなずいて、その紙を大切に鞄の中へ仕舞った。 「また会おうな、さい。」 「うん、絶対だよ。」  あたしは精一杯の笑顔を彼に向けた。またアンコウも花のある笑顔を見せてくれた。 「今日は楽しかったよ、どうもありがとう。」  アンコウはそう言って、消える様にマックから出て行った。残されたあたしはただ一人、アンコウが曲がった角をじっと見詰め続けていた。 [[前へ>第十八話]]

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