スタート地点。
参加者達全員が消えていったそこには、一人の男が残されていた。

黒いスーツに身を包み、漆黒という色が相応しい髪と瞳をしている。
男の名は暗闇 黒王。

その黒王の前に、ゼロスが相変わらずのニコニコ笑顔で話しかけてきた。

「フフ……今回は、黒王さんの力は制限させてもらっていますよ。そうでないといろいろと不都合が起きますので。能力、愛刀、何も思い出せないでしょう?」
「どういうことだ? お前は、何を知っている?」
「それは……秘密です」

軽くあしらわれつつも何故か自覚できた。
こいつの言うことは真実だと。
そして、こいつらが許すことのできない存在だということも。

「無論、武器は黒王さんに合った物を支給しましょう。かつての黒王さんの愛刀ほどではありませんが、それでも十分に強力な武器です。悪い話ではないでしょう?」

その言葉を最後に、黒王はD3エリアへ飛ばされた。


D3エリアの草原に飛ばされて早速、黒王は辺りを警戒しながら支給されたデイパックの中身を見てみる。
水や食料、メモ帳に鉛筆、地図の支給品一式、そして――刀が入っていた。

試しに抜いてみたが、その刀を見た瞬間、黒王は眉をひそめた。
なぜなら、その刀は刃と峰が逆さになっているという変わった形をしていたのだから。

説明書には「逆刃刀・真打」と表記されており、少なくとも日本刀である事は間違いない。
あのゼロスという男の性格の悪さを実感しながらも、とりあえず、その刀はベルトに通していつでも抜刀できるようにしておいた。

スーツ姿に日本刀――傍から見れば異様な光景だが黒王には何故かしっくりくる。
本人は覚えていないが、記憶を封じられる以前にも妖刀「黒鬼」を扱っていたのだから。


黒王は記憶が無いなりに、あの二人は許すことができないと思った。
しかしそのためにはどうすればいい?
自分のの記憶はどうなるのか?

そんな答えの出ない自問を繰り返していると、目の前に他の参加者らしき人影が現れた。
黒王は肩をすくめ、相手とのコンタクトを試みるために話しかけることにする。


【D3 草原・朝】

【名前・出展者】暗闇 黒王@リアクション学院の夏休み
【状態】良好
【装備】逆刃刀・真打@るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―
【所持品】支給品一式
【思考】基本:ゼロスとみろるんを倒す
1:目の前にいる人影に接触する
2:なんとか記憶を取り戻したい

備考
  • 目の前にいる人影は次の方にお任せします

【逆刃刀・真打@るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―】
主人公・緋村剣心が所有する日本刀。
刃と峰が逆さになっているので人間を斬っても殺めることはない。
但し、作中で剣心が「人間以外のものは容赦なく斬り捨てる」と語ったように、相手の武器などは斬っている。

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最終更新:2008年11月15日 17:21