「思うのだが、その微妙に恐ろしい武器はしまってくれないかな」
「…人を殺傷できる以上、十分に恐ろしい武器のはずだが?微妙じゃないはずだ、さすがに」
「そんなこといったってね、たとえ推測と独り言の達人と言われてる自分はいるが、かといって戦闘能力は恐らくこの殺し合い最弱なんだよ」
「…独り言…ね」
「…突っ込むところはそこかい?後その刀しまってくれって、もう何回も言っているはずなのだが」
もはや間抜けとも取れる会話を繰り広げる、片方は黒、片方は緑の変なコンビ、しかし黒のほうが緑のほうに逆刃刀を当てている。緑の方は、表面上は焦っているようだが、中身は全然焦っていなさそうである
平らの平らの、まったいらの、そんな草原、互いに、牽制し合うような感じ、まぁ、この原因は緑の方が黒の方に見つかってはずなのに、何故か後ろに回られている怪奇現象のような事のセイである。黒の方も大分慌てている。
緑の方も、この展開は結構予想外だったのかもしれない
「もう一度聞く、お前はゲームに乗っているのか?そして―――俺は誰だ?」
「もう一度言う、自分はゲームに等乗っていない、そして、君の事は知らない」
黒の方が諦めたように肩をすくめる。緑の方もため息をついて、自分の喉元を狙っていた逆刃刀の鞘にしまわれる。
「俺は黒王 暗黒 黒王…それ以外に覚えている事は無い」
「自分は『小説家』暁、名簿にはそう乗っていたよ、君の呼び名は…推測と独り言で言わせてもらうと…『クロ』だな」
いわゆる、超人と、推測と独り言の達人の、変ではあるが、中々しっくり来るコンビの最初の、自己紹介のくだりはここまでだった。
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「…ご苦労様」
息切れをおこしているクロに小説家はねぎらいの言葉をあてる。いわゆる現代の町の電波塔、この現代風の町にはコレ以外に大きいビルが建っていない様だった。
「まったく、なんだお前は、人を走らせておいて…」
さすがにD3のエリアからここに行くまでに全力疾走(重り付き)は非常に辛いだろう、それでもその全力疾走(重り付き)をこなしてしまう
「つまり、自分はあの言うなればセレモニーで爆破されたのは、自分だ…恐らくコピーだけれども」
「…なるほどな、そうでなければ、今お前は存在していないだろうし…」
「正直な話し、生き残れればコピーでも構わないんだけどね」
そういいながら、小説家は笑う、クロは何となく笑えなかった。
特に理由は無いし、それで構わなかった。
「さてと、支給品についてだが、俺は知ってのとおり、このあの刀」
「じゃあ、自分は…これだ」
そういって小説家が出したのは1本のフルート、一緒にクロの取り出した説明書を見ると『氷のフルート 模造品ですぅ、大事にするですぅ、壊れやすいですぅ』と書かれている。クロは驚いて目を見開く
「ちょっと待ってくれ、これってもしかして…」
「その通り…これは主催者に武器だ…まぁ、模造品のようだがね
「…後で見てみる必要がありそうだな
そうだねと小説家は呟く、小説家はそれじゃあ…と更に自分のデイパックをあさる。そして、何か見つけたようで、それを取り出す。
出てきたのは何かの封筒みたいなものに包まれた物が出てきた、ビリット封筒を破り、中から出てきたのは、何かの探知機と、説明書のようだ
さらに笠後素(ガサゴソ)、笠後素(ガサゴソ)(漢字に意味は無い)…モウ一つ、今度は発信機のようなものを見つけた。
まず探知機の方の 説明書を読み上げる。
「『首輪を探す簡易レーダー、今時分が居るエリアの首輪を全て表示する。名前は表示しない』」
「なるほどな、こりゃあ当りだ」
クロが次のは?とせかすので、小説家は次の説明書を読み上げる
「『みつかりゃラッキー、簡易レーダー追加パッチ、コレをレーダーに当てると、簡易レーダーで名前を表示する』」
そう言われて、小説家は直に当てられそうな場所にパッチを当ててみる。どうやら電波塔がこのエリアの中心らしく、小説家とクロの名前が中心にある。運が良いのか悪いのか、他に人は居ないようだった。
二人は暫くの沈黙を行う
「…つまり…主催者は…」
「…それ以上は言わないで置こう」
それだけ言ってクロは紙に何かを書いて、渡す。そこには『盗聴されてるかもしれないしな』と書かれている。
「そ、そうだね」
小説家は珍しく慌てながら答える。そしてこちらも紙に『よくそんな事に気づけるものだ』と書いて見せる。クロはそれを見てニヤリと笑う、それが答えなのだろう…小説家も納得したように頷いて見せる。
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「つまり…ここがメインルームといったところか…」
小説家は呟きながら辺りを見渡す。様々な機械のようなものがずらっと並んでいる
「それっぽいな」
「だね」
『何かめぼしいものはあるかい?』
『少しはお前も探したらどうだ?』
『残念ながら、自分はこういう機械は少し使い慣れた程度しか使えないんだよ、いわゆる初心者』
「結局の所、如何するんだ?コレから」
「さぁね、自分はこう言うのは苦手だから」
「そうか、じゃあ俺はちょっと外を見てくる」
そういって、『小説家』が外に出ていく。『クロ』は数歩無言のまま歩いて、その機械の方を見ていく
―――さて…少し…弄ってみようか…
彼等は、レーダーの様子を少し観察。電波塔移動中、殆ど自分たちが動いていない事に気づく、それなりの大きさを持つ発信機型のレーダーである。動かない…ということは…ということは、と1つの仮説を立てて、二人は主催者を欺いている。
―――一種の簡単な実験、この欺きはそれほど意味は無い…
小説家はすこしそんな事を考えながら、ドアの近くをうろついている。
超人と達人の…対主催の…まず最初である
【G3街の電波塔・朝】
【名前・出展者】暗黒 黒王・サントアンヌ号
【状態】健康
【装備】鉈
【所持品】氷のフルート@みろるん 基本支給品一式
【思考】
基本、主催者を倒す
1、電波塔の機械を弄ってみる
2、この欺きの結果が気になる
備考
- 盗聴の存在に感づいています(確信はありません)
- 記憶がありません
【名前・出展者】『小説家』暁・暁
【状態】健康
【装備】なし
【所持品】簡易首輪レーダー(パッチ当て済み)@暁 基本支給品一式
【思考】
基本、主催者を倒す
1、辺りをうろついている
2、この欺きの結果が気になる
備考
@氷のフルート
みろるんの武器、ただし支給されてるのは模造品
@簡易レーダー
首輪の位置を教える。結構でかい、パッチをあてると名前も表示
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最終更新:2008年11月15日 17:58