さて、何時から狂ってしまったのだろう、レイスはぼんやりとこのゲームについて考える。ゲームに乗るのも、乗らないのも、それは個人の自由…ということになる。ならば自分はどう取るべきなのだろうか


「それこそ自分の自由…悲しいネェ」


 欠伸を一つ、かみ殺してから、レイスは暫く歩いてみる事にする。ザク…っと落ち葉を噛み砕く音がする。
 レイスは更に進んで、ざくざくと音を立てる、基本的にレイスには隠れよう…という概念は無いようだった。


そして、とある死体を見つけた。恐らく…最初の死者であろう、一人の少女の死体に


+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +


 どうやら、そこに人は居ないようだった。レイスはその少女のデイパックを取って、中身を確認する。


「…似てるな…」


 レイスは不意にそんな事を呟いた。…ゲーム開始直後にやられた見たいだな…とも思う、然しそれは同でも良い事だ


「何せ1時間も前のこと…だもんな」


 レイスはひたすら歩いている。それだけだった。今は止まっていたが、それでもひたすら歩いているのだ。
 そしてレイスは…この少女の死体を…似てると思った。何にって雰囲気である。何か、自分に似たものを感じた。レイスはひたすらそう思いながら…デイパックを見てみる。玩具みたいなナイフと…刀を見つけた。


「…?」


 可笑しいと思う、刀は中々の当りだと思う、レイスはその刀を握ってみる。


 そこで理解した。さすがにコレは自分でも使いたくない、ひたすら精神が蝕まれていくのだ、自分だったら抑えられるだろうが、しかし、そちらに集中しなければ行けない、戦いなど出きるわけが無いだろう・・・そう思った。


「さすがにコレは…仕方ないよな」


 そういって、刀を少女に添える様において、黙祷を行う、一種の気まぐれだった。レイスは暫く目を閉じて、その場にたたずんだ。意味はない、一種の…気まぐれだった。


「気まぐれ…ね」


 レイスは嘲笑するような感じに笑いながら、目を開ける。そして…よし!と顔をはたいて、今度は自分のデイパックを開ける。そしてそこから出てきたのは、コレも刀と…勾玉が出てきた。勾玉と刀、それぞれに説明書がついている。


「『光墨 ミツスミの形見、ララが愛用するそれなりの切れ味を持つ刀』…ララ?…参加者にそんな奴がいたっけ?それで…『思い出の品 ララとアーガスとメビィが分けた勾玉の一つ、毒を防ぐ』…だからララってだれだよ」


 言うだけ一手、レイスは腰に刀を取りつける。使えそうなものは使っていきたい、勾玉の方も紐があったので、括りつける。
 これでよし…と呟いたところで、一つの気配に気づく、レイスはすぐさま、刀を構えて、木の上に向かってジャンプして、乗った。


+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +


 一つの戯れの時間


「何…これ…」


 レニーファは思わず呟いた。そして、目の前に横たわる。ララの死体にそっと近づく、死体だと確認していない、その希望を…壊すために…
 そして


「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


 絶叫がこだました。


「何で、何で、お姉ちゃん、目を開けてよ、何で寝てるの?危ないよ、お姉ちゃん、ねぇなんで動かないの、この赤いの何?ねぇ、血じゃないよね、ケチャップか何かだよね、お姉ちゃん、寝てないで起きてよ、お話しようよ、ねぇお姉ちゃん、どうして、お姉ちゃん!動かないなんて嘘だよね、お姉ちゃん笑ってるんだよね、お姉ちゃん起きれるよね、まだまだ私とお話できるよね、ねぇ、ちょっと、いつも通りに、ニヤリって、そんな感じに笑ってよ、ねぇ、なんで笑わないの、何でそんな顔をするの?私がわからないの?レニーファだよ?妹だよ?ねぇねぇ、お姉ちゃん、妹がわからないなんて無いよね、お姉ちゃんはお姉ちゃんだよね、私を絶望から救い上げてくれた。お姉ちゃんだよね、だったらいつも通りに呆れたような顔をしてよ、めんどくさそうに喋ってよ、最後はどんな笑い方でもいいから笑ってよ、何もしないなんてずるいよ、私はお姉ちゃんの事、こんなにも大切に思っているのに、何でお姉ちゃんは動かないの?嘘だよね。お姉ちゃん、動かないなんて、何も出来ないなんて嘘だよね、また呆れたような表情だせるよね、まためんどくさそうに喋れるよね、最後に、何事にも動じない、そんな笑み、出せるよね、ねぇ、お姉ちゃん。私はここに居るよ、お姉ちゃんもここに居るよ、だから、だからお話しようよ、私はお姉ちゃんとお話したいよ、だから起きてよ、眠ってなんかいないでよ、いつもみたいに、どうでも言い会話して、いつもみたいにどうでも言い事して、幸せになろうよ、わたし、今幸せじゃないよ、ねえ、お姉ちゃん、なんで、お姉ちゃん、おきて、お姉ちゃん、笑って、お姉ちゃん、喋って、お姉ちゃん、お姉ちゃん、なんで、お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん、そんな、動かないなんて酷いよねぇ、お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!オネエチャン!おねえチャン!おねえちゃん!オネえチャん!」


 そういっていたレニーファは無意識のうちに、ララの上に置いてあった剣を握り締めていた。
 狂喜の笑みの元に

「あはははははははハハハハ、そうだよ、そうだよ、皆壊しちゃえば良いんだ、お姉ちゃんも!ここに居る全員!全部!全部!ぶっ壊してやるアハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」


「…弱い…お前…弱いよ」


 レイスは木の上から飛び移り…刀を抜き去った。


「だけど、お前だけは…私の方針の…保護にはいれたくない…吐気がする」


「おねえ…ちゃん?」


「違う…お前の…お前の『お姉ちゃん』なんか、お断りなんだよ!言ったろ…吐気がする」


「…お姉ちゃんの刀!なんで!お前が!」


「知るか、んなもん」


 それだけ、それだけ会話して、レイスが最初に動いた。さっと、刀を構えて、レニーファに切り掛かる。レニーファはさっと剣を抜き去り、それに迎え撃つ、そのまま後ろに下がって、今度は自分に有利な間合いを取る。レイスは舌打ちしながら迎え撃つように刀を構える。
 レニーファは剣を横に握って、突撃、突っ込んで、思いきり空を切る。
 レイスはすさまじい跳躍力で後ろに回り、何とかそれについていったレニーファと打ち合う、そのまま両者1歩だけ飛び退いて、そして再び剣を交える。二回三回、縦、横、斜め、様々な方向から打ち合い、レイスは余裕で、レニーファは何とか、はじき返す。
 レニーファは何とか五回目の斬撃を打ち返し、よこに飛んで、そしてそのまま木に隠れながら、刀を振るう。木、1本がスパっと切れて、飛びあがるレイスを睨みつける。そして、レイスは思いきり刀を振るう、レイスの腕力と、レニーファの刀の切れ味がぶつかり、はじける。


「なんつー切れ味…だけど、わたしにゃ適わんな」


 レイスはそれだけ呟いて、更に腕力を込める。レイスの刀は折れそうであったが、不思議と最後の一押し…と行かずにおれない、レニーファは思わず刀を落として、レイスに押し倒される。
 レイスはレニーファの上に馬乗りになって、刀を心臓に向ける。


「いわゆるアレだな、チェックメイトだ…どうする?」
「どうも…なるものか…」
「そうだな…死…ねぇ!!!」


 そういって、レイスは剣を振りかぶり…、レニーファは電撃を生み出した。レイスはおっと…と、と避けて、隙を作る。レニーファの方は一目散に逃げ出す。レイスは気力の弾か何かを作り出す。そうとう制限されてるようだが、お構いなしにできる限り素早く打てる物を作り出す。そしてレニーファに投げつけ、足に着弾させた。


「あああああああああ」


 思わずレニーファが叫ぶが、レイスはそれにお構いなしに、今度はあの妖刀の鞘を投げつけてやる。
 レニーファはコレを思わずキャッチする事が出来なくなって、転んだ、足をひねって、捻挫…酷ければ骨折はしたでろうが、レイスは特に構おうことなく、そのままその場から去っていった。
 何故だかはしらないが…レニーファをおう気には…どうしてもなれなかった。


「私も甘かったのかねぇ…、まぁ、私の方針…弱い奴を保護して、強い奴に引き渡す。中途半端なのはいらない…っていうのは、変わらないけどな」


 それだけいって、レイスはレニーファと反対方向へむかって歩き出した。


【B3森・朝】

【名前・出展者】レイス@レイスの短編帳
【状態】健康
【装備】光墨@ハーフ
【所持品】思い出の品 基本支給品一式
【思考】
基本、弱い奴を保護して、強い奴に引き渡す。中途半端なのは入らない
1、さて、コレから如何しようかね
2、私も甘かったのかねぇ

備考
  • 行く先はお任せします。ただしレニーファとは反対方向です

【名前・出展者】レニーファ@ハーフ
【状態】足を捻挫、又は骨折+激痛 異常な狂気
【装備】妖刀@暁
【所持品】基本支給品一式 不明支給品1~3個
【思考】
基本、全部ぶち壊してあげる
1、逃げる

備考
  • 捻挫か骨折かは次の書き手さんにお任せします
  • 行く先はお任せします。ただしレイスとは反対方向です
  • 不明支給品も次の書き手さんにお任せします

【妖刀@暁】
ゴキブリが3分で作ったんじゃないかと思うありきたりな妖刀

【光墨@ハーフ】
『光墨 ミツスミの形見、ララが愛用するそれなりの切れ味を持つ刀』

【思い出の品@ハーフ】
『思い出の品 ララとアーガスとメビィが分けた勾玉の一つ、毒を防ぐ』


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最終更新:2008年11月16日 15:34