電波塔、G3の街に存在する一番大きな建物、そこには罠かどうかは知らないが、解析装置がある。何に使うのか、何故用意したのか、それは一切不明
 しかしまぁ、存在するのだから、人はいるのだ。
 小説家…自称推測と独り言の達人、アホ神子…ゼロス・ワイルダーが本名だった気がする。アレン・ローズクォーツ…魔法使い、始めました。長月コトナ…ついさっきアホ神子に全力で謝ってた。


「新月が死んだ…ね」
 独り言、しかしそれは長月コトナにも聞こえていたようだ、少しうつむく
 ―――新月、同じ学院から来ている…よく考えればあの学院の出身で男は自分だけじゃないか…サント・アンヌは抜くとして…独り言、その後アホ神子をみて、話しかける

「アホ神子、ちょっと来てくれるかい」
「アホ神子ゆな、まぁ…良いけどよ」
 小説家が立ちあがる。アホ神子も立ちあがる。
「んー、どこいくんでー」
 長月コトナが話しかけてくる。小説家は少し笑いながら、ちょいとばかし外を出歩いてくる。といって、アホ神子を引っ張っていった。


 暫く、二人の間に無言が続く、いや、実際はアトワイトもいるが、それでも無言だった。
「長月さん?どうです?調子は」
「何で聞くかは知りませんが、何とか大丈夫ですよー」

(……あの少年との対応に差があるような気がしますね…元の世界での知り合い…でしょうか)
 アレン・ローズクォーツはハァ…とため息をついた。
 その後も暫く無言だったのだが、いきなりの爆音で沈黙は破れることとなった。


+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +

「竜破斬(ドラグ・スレイブ)!!」
 小説家の手から赤い光球が生まれる。そしてそれがミアージュを襲って行く、ミアージュは鏡の中に飛び込むが、少し遅れてしまい、爆発は少しはみ出たミア―ジュの左中指をもぎ取る。

「。。。。。。。。。。。くっ!」
 痛みは襲ってくるが、然し構うわけには行かない、鏡の中に入りきると、そのまま何処かに鏡を出現させる。
「さて、自分はモウ戦力にならないからね、後は頼むよ」
「いやいや、何で街を木っ端微塵にする必要があるんだよ」
「何となく…だよ」

 そういって小説家は何とか残っていた建物の影に隠れる。アホ神子は仕方ない…と何時の間にか刃が戻っている光の剣を抜き去る。
(まぁ、時間は有るからむりではないけれども…)


 アホ神子の後ろから出てきたミアージュの巨大ハンマーを何とか迎え撃ち、切り返す。氷は既に小説家の竜破斬(ドラグ・スレイブ)で完璧に吹き飛んでいた。
「。。。ここに来るまでに。。。なんとか。。。落ち着いたんですから。。。あっけなくやられてください。。。」
「お断りだね、俺もそんなに暇じゃねえのよ…関係ないか?いやね、出切れば君みたいな可愛い子とは戦いたくないんだけどなぁ」
「。。。。。。黙って下さい。。。」
「ハイハイ…それじゃあ行くぜ」

 そして詠唱
「ライトニング!」
 ミアージュの頭上に突如雷が出現する。ミアージュはとっさに後ろに飛び、アホ神子と距離をトリながら、避ける。
 アホ神子は詠唱が終了して直に剣を構えて
「魔人剣・双牙!」
 衝撃波を二度にわたり飛ばしてくる。ミアージュはそれを鏡で防ぎ、はね返す。もう鏡を隠す…という事はしないようだ。
 そして更に鏡を裏返し、今度は自分も鏡の中に入る。アホ神子は驚きながらも、あたりを警戒するように見渡す。


「電撃(モノヴォルト)!」
 不意に声がした。それは同考えたって小説家の声だったので、アホ神子は直に近づいて行く
「どうした!」
 アホ神子が叫ぶが、そこには小説家しかいない
「いやね、いきなりあの子が来たもんだから、唱えておいた呪文を解き放ったんだけれども…折角少し回復してたのにね」
 アホ神子は何だ…と呟き、剣を構えなおす。
「自分の方はほおっておいていいよ」
 小説家がそう言うので、アホ神子は直に外に飛び出した。

 しかし、この二人の前に、ミアさんが出てくることは、なかった。


+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +

 電波塔の中…といってももう出口は目の前で、確実に入り口…と呼ばれる部分、アレンとコトナ、そしてアトワイトはそこに居た。
 そして、鏡の中の蜃気楼、ミアージュも…そこに居るのだった。

「時間的に…小説家さんとゼロスさんが行った筈なのですが、何故ここに居るのです?」
「。。。強かったので。。。。。。先にコッチを。。。」
 ミアージュはそういってハンマーを構える。アレンも出切れば闘いたくないんですけどね…と呟いて、それでも仕方ない…と詠唱を行う


『コトナ!闘える?』
「ええー、無理ですよ、オレ弱いし」
『じゃあ隠れて援護、ほら、とっとと歩く!』
「ハーイ」

 戦闘準備完了…と言った感じだった。


 最初に動いたのはミアージュ、巨大ハンマーを縦に振りかぶり、振り下ろす。電波塔内部にすさまじい音が響いた。
 アレンは右に飛んで既にかわしており、そこに体をむかせて、呪文を解き放つ
「炎の矢(フレア・アロー)!」
 3本の炎の矢がミアージュを襲う、ミアージュは自分の目の前に飛んで、その一撃を避ける。

「ア、アイスニードル!」
 不意にコトナが叫ぶ、コトナの放った氷の一撃は、ミアージュを襲う、ミアージュは再びハンマーを振り上げ、振り下ろす。そして、完全に振り下ろされたハンマーと共に、ミアージュは地面の中に消えて行く
「っ!」
 コトナが驚愕する。アレンも別の意味で驚愕し(ただし、表情には出ない)、直に呪文を唱え、解き放つ
「炎の矢(フレア・アロー)!」
 三本の炎の矢がコトナの上を通りぬけ、そして壁に当る。炎が撒き散るが、火事にはならない、ミアージュはコトナへの攻撃を中断して、右に飛ぶ、コトナは後ろを振り向いて、ミアージュを認識する。
「何で?」
 思わず呟いた。

 アレンは更に詠唱を行い、ミアージュは今度はアレンに近づいて行く、そこをアレンの糸が絡め取るように襲う、ミアージュはそれをとっさに認識し、鏡の中に逃げ込む、 アレンが糸を回収し、呪文を完成させる。
 そしていきなり上を向くと、そこに居たミアージュに呪文を解き放つ
「火炎球(ファイヤー・ボール)!」
 火の玉は、ミアージュを襲う、しかしそこに鏡が出現し、火の玉はその中に消えて行く、そして、その鏡からミアージュが出てくる。
 からくりは鏡を2枚出して、片方にミアージュを片方に火の玉をいれて、反対側から出しただけである。


「くううう」
 アレンは何とかそれを後ろに飛んで避けながら、呪文を唱える、ミアージュはハンマーを構え…

「アイスニードル!」
 叫び声、コトナのものだった。ミアージュはそれを避けて、再びアレンに向かって、ハンマーを構え…構え…構えられなかった。
 糸に絡まれ、ミアージュは驚く、アレンは素のまま、呪文を解き放つ
「炎の矢(フレア・アロー)!」



 決着は一瞬だった。

 アレンは死を覚悟し

 ミアージュは1本の氷の矢によって、足が凍る。

 アレンの炎の矢を鏡で防ぎきり、糸事鏡の中に入り、その鏡を消す。糸はぷっつりと途絶え、ミアージュはアレンの斜め前から現れた。

 決定的な、敗北

 しかし、そこで終わらなかった。

「詠唱のアレンジ…中々難しいな」

 小説家はそう呟きながら、現れた。

 ミアージュは…悔しそうにその場を去っていった。勿論鏡で




「うー、つかれた」
 コトナはそう呟く、小説家は笑いながら
「晶術を使ったからだろうね、まぁ、君にしては頑張ったよ…60点かな?」
 そういって、階段の手すりに手をかける。

「この階段の上るのが非常に鬱だね、さぁ行くよ、アホ神子」
「だからアホ神子ゆな」


 結局、鏡VS無表情、二度目の対決は、鏡の勝利に終わった。しかし、損失は鏡の方が多かったのだが…


【G5 街 電波塔・昼過ぎ】

【名前・出展者】小説家@リアクション学院の夏休みエピローグ
【状態】健康 魔力が少ない(全力氷の矢一回撃てるくらい)
【装備】なし
【所持品】基本支給品一式 氷のフルート×10@みろるん
【思考】
基本、主催を倒し、ゲームを終了させる
1、この階段を上りきるのは些か鬱だね
2、魔力を早く回復して欲しい

【名前・出展者】ゼロス・ワイルダー@テイルズオブシンフォニア ラタトスクの騎士
【状態】健康
【装備】光の剣@スレイヤーズ
【所持品】基本支給品一式 不明支給品1~2個
【思考】
基本、適当に生き残る。打倒主催より、逃げる事を優先
1、アホ神子ゆな


【名前・出展者】アレン・ローズクォーツ@セイラ
【状態】かなりの疲労
【装備】スレイヤーズ呪文の束@ゴキブリ 糸
【所持品】基本支給品一式
【思考】
基本、出きる限りの人を救い、このゲームを終了させる
1、早く休みたい
※アトワイトから晶術の知識を得ました

【名前・出展者】長月コトナ@リアクション学院の夏休みエピローグ
【状態】それなりの疲労
【装備】アトワイト@テイルズオブディスティニー
【所持品】基本支給品一式 拡声器
【思考】
基本、早く帰りたい、ゲームには乗らない
1、休みたい


【名前・出展者】アトワイト@テイルズオブディスティニー
【思考】
1:コトナにアレン…大丈夫?
2:そういえば、あの爆発はなんだったんだろう
基本:出来る限り助言はする。また、もし持ち主が殺し合いに乗ったらなんとか説得する
※ロワ内では誰でもソーディアンの声を聞くことができます
※また、威力は落ちるもののソーディアンさえ持てば誰でも晶術を扱えます


【スレイヤーズの呪文の束@ゴキブリ】(残り18枚)

『呪文を唱えることのできる紙、それを読み上げて、左腕に巻きつけ、最後に『力ある言葉』を唱えると呪文を使うことが出きる。ゼロ…ゴキブリお手製』
残りの呪文一覧
火炎球×1
炎の矢×1
眠り ×1
烈閃槍×2
氷の矢×4
治癒 ×2
浮遊 ×1
竜破斬×2
神滅斬×2(未完成版、完成版一枚ずつ)
重破斬×2(未完成版、完成版一枚ずつ)



+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +

 足の氷は出切れば早めに措置がしたい、そうも考えるが、腰を落ち着ける場所が少しない、ちょっと歩きながら、ミアージュは呟いた
「。。。次が。。。。。。最終決戦。。。なのでしょうか」
 凍っている足が重い、無理に動かせばこの足が使い物にならなくなってしまうかもしれない

 ミアージュはやっと腰を落ち着ける場所を見つけ、そこに座りこみ、凍っている足を何とかとかそうとするのだった。


【G5 草原・昼過ぎ】

【名前・出展者】ミアージュマリアウェル=Åм@空婿(分かればいいじゃない分かれば)
【状態】左手の中指がない 足が凍っている
【装備】巨大ハンマー
【所持品】基本支給品一式 不明支給品1~2個
【思考】
基本、ゲームには乗って願いをかなえる
1、凍った足を何とかしたい
2、この後如何するか決める
3、。。。そういえば。。。。。。。。。左手の中指がない


前の話
055 「い…いえそんな事ないです…」

次の話
057 ナカマ@サイカイ@コウキュウヒン

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年11月27日 18:34