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''地動説を始めて思いついたのはコペルニクスではない'' 地動説を最初に思いついたのはギリシアのアリスタルコス。 コペルニクスは地動説について書いた著書「天球の回転について」に アリスタルコスの説を引用したが、 自分の独創性が弱まるのを嫌がり、後で削除した。 アリスタルコスが天動説を唱えた当時は、 常識外れの説として誰も相手にしなかった為 彼の本は現存しない。 彼の説はアルキメデスの本の中で珍説として紹介されている。 参考: #amazon(4102186042,left,text)、I.アシモフ(星新一編訳)、新潮社。 ---- ''オセロは日本で発明された分けではない'' 雑学の本でこの説を散見するがこれは間違い。 もともとはアメリカのゲーム。 ウォータースンないしコレットという人物が発明した。 元は「リバーシ」という名前である。 (コレットは、「リバーシは自分の作った「アクセイション」を 真似たものだ」、と主張している。) オセロの作者として紹介されている長谷川五郎(日本オセロ連盟会長)は 本当はオセロの名づけの親に過ぎない。 オセロは明治期に日本にも輸入され 「レヴァルシー」、「源平碁」などの名で知られていた。 (駒は赤と黒だった)。 オセロはツクダオリジナル(現在はパルボックス)の登録商標である為、 他社はリバーシという名で同じゲームを発売している。 参考: #amazon(4490102666,left,text)、松田 道弘、東京堂出版 1989年10月。 ----   ''「トランプ」という言葉は実は「切り札」の意味'' 「トランプ」という言葉は一組52枚の遊戯用のカードを 指す言葉ではなく、「切り札」を意味する言葉。 一組52枚の遊戯用のカードは正しくはプレイング・カードという。 スペイン人もしくはポルトガル人が南蛮貿易で プレイング・カードを日本に持ち込んだ際、 トランプという言葉を連呼していたので誤解が生じ、 プレイング・カードがトランプと呼ばれるようになった。 プレイング・カードで遊ばれるゲームの中には 「トリック・テイキング・ゲーム」と呼ばれる一群のゲーム達 (ブリッヂが有名。日本では他にナポレオン、 ツー・テン・ジャックが有名)がある。 「トランプ(切り札)」はこれらのゲームの多くで使われる用語で、 通常の札よりも強い札の事を指す。 なおトランプという言葉はトライオンフ(勝利)というゲームに 由来する。 参考: 「トランプものがたり」、松田 道弘、岩波書店、1979年11月。他。 ---- ''タロット・カードは占い用の札ではない。'' タロット・カードを主として占いに使うのは日本とアメリカくらいで ヨーロッパではトランプと同じくゲーム用の札として用いる。 遊び方は日本で言うナポレオンに近い。 ちなみにナポレオン、ツー・テン・ジャック (そしておそらく大貧民)は 日本で生まれたゲーム。欧米のホイストというゲームに起源を持つ。 イギリスにもナポレオンというゲームはあるがこれは別物で 日本のナポレオンが名前を拝借しただけ。 参考: 「トランプものがたり」、松田 道弘、岩波書店、1979年11月。他。 ---- ''本来の「ババ抜き」ではジョーカーを使わない'' 日本以外ではジョーカーを使わない。 日本でも元々はジョーカーを使わないもの(ババ抜き=old maid)と 使うもの(鬼抜き)を分けていたが、いつのまにか混同された。 本来はジョーカーを使わず、代わりに4枚あるQの札のうちの 一枚を取り除いてからゲームをする。 3枚のQのうち、ペアになった2枚は捨てる事ができる。 最後に残った1枚のQを持っていた人が負け。 ジョーカーを使わないのは当然で、ババ抜きが発明された当初は まだジョーカーというものが存在しなかった。 参考: 「トランプものがたり」、松田 道弘、岩波書店、1979年11月。 ---- ''「七並べ」(fantan)の元々のルールでは最初に7の札を並べない'' 7の札を持っている人が自分の番になった時、7の札を出す。 参考: 「トランプゲ-ム事典」、東京堂出版、松田道弘、1988年12月。 ---- ''ジョーカーの起源はタロット・カードの愚者(fool)ではない'' まして日本で発明されたという説は論外である。 本当はイギリスのユーカーというゲームに使う 「ベスト・バウアー」という札がジョーカーの起源。 ヨーロッパのゲームには7からAまでの32枚しか使わないものが多いが、 ユーカーではこれら32枚に加え、クラブの2を使い、 これをベスト・バウアーと呼ぶ。 ユーカー(Eucker)が訛ってユーカー→ジュカー→ジョーカーとなった。 参考:「トランプものがたり」、松田 道弘、岩波書店、1979年11月。 ---- ''「ロボット」は元来は人造人間を指す言葉'' 「ロボット」という言葉を始めて用いたのは、 チェコ・スロバキアの作家カレル・チャペックであるが、 チャペックのいうロボットは今で言う人造人間の事である。 チャペックがロボットという言葉が使ったのは 「R・U・R、ロッサムのユニバーサル・ロボット」という戯曲。 ロボットという言葉を作ったのはチャペックの兄で画家のヨゼフ。 「労働」を意味するチェコ・スロバキアの「ロボータ」という言葉から。 チャペックに人造人間を意味するよい名前を求められた時、 ヨゼフは絵を描いている最中で、口に絵筆を加えながらもごもごと ロボットという名を提案した。 「R・U・R」のあらすじは以下の通り: R・U・R社は人間そっくりのロボットを労働用に販売していた。 ある時一人の人権主義者の女性がロボットの境遇に同情し、 ロボットに心を持たせる事を提案した。 ロボットの開発者たちはこの女性にほれていた為、 この言葉に従い、ロボットに心を与えた。 しかし心を持ったロボット達は人間に反抗し、人類を滅ぼす。 この際ロボットの生産方法が失われてしまった為、 ロボットは増える事ができない。 ただ一人生き残った人間がロボットを第二の人類にすべく、 ロボットの生産方法を研究する。 研究の為、彼のそばにいた男女一体ずつのロボットのうち 一体を破壊して詳しく調べようとする。 しかし二体のロボット達は互いに相手をかばいあい、 相手ではなく自分を実験に使ってくれと彼にせがむ。 これにより彼は第二の人類たるロボットに愛の感情が 芽生えた事を知り、神に感謝する。 参考: #amazon(4003277422,left,text)、カレル・チャペック(千野栄一訳)、岩波文庫。 ---- ''「ロボット三原則」はロボット工学者が決めたものではない'' ロボットは人間に逆らうべきではないなど、 ロボットを生産する時の倫理的規範を定めた「ロボット三原則」は SF作家アイザック・アシモフが決めたもので、 ロボット工学者が決めたものではない。 アシモフが世界初のSF推理小説「わたしはロボット」を書いた際、 推理の土台となるルールとして、ロボット三原則を提出した。 すなわちアシモフはロボットの倫理規定に興味があったというよりは 推理を成り立たせる為の道具としてロボット三原則を考えたのである。 アシモフがSF推理小説を書こうと思ったのは、 SF雑誌「アスタウンディング・サイエンス・フィクション」誌の 編集長ジョン・キャンベル・ジュニアの言葉に触発されての事。 キャンベルが「SFは自由なジャンルであるからSF恋愛小説や SF西部劇などどんなものでも書けるが、その自由性があだとなって、 論理を必要とするSF推理小説だけは例外的に書けない」という趣旨の 事を言ったのに反発したのである。 参考: #amazon(4488604064,left,text)、アイザック・アシモフ、創元SF文庫。 ---- [[常識の嘘]]に戻る。 [[常識の嘘3]]に進む。 [[トップページ]]に戻る。

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