哲夫「拳児、お前政府の援助断ったんだってな……」
テッケン「ああ。それがどうした」
哲夫「どうしたって、お前なぁ……この家を経済的に支えてるのは父さんなんだぞ?その私に黙って……」
テッケン「うるせえな!テッケンオーは政府の言いなりになんかならねえんだ!!」
哲夫「しかし、我が家の家計は……」
テッケン「だったら二度とテッケンオーは壊さねえ!それでいいだろ!?」
宇宙に浮かぶ魔皇帝サタデスの城、魔帝城。今ここに1体のウツノイドが運び込まれていた。
リ・タイア『こちらには不良品を掴ませておいて、いい面の皮だ』
サタデス「自分の出した不良品にやられ続けている奴の言うことなど聞こえんな」
リ・タイア『ふ……言ってくれる』
サタデス「成果は出す。文句は終わってから聞こう」
第14話「脅威・魔闘ウツノイド軍団!テッケンオー夕陽に死す!!」
鉄野家地下。テッケンの祖父、鉄野鍛造博士の研究所。
鍛造「……左ヒザの損耗が激しいな」
テッケン「何でだ?攻撃受けた覚えは無いけどな」
鍛造「おそらくお前のトドメの鉄拳だな。支えになる左脚に負担がかかるんだろう」
テッケン「だって俺の脚は何ともないぜ?」
鍛造「人間の体は使えば使うほど、言い替えれば痛めつけるほど強くなる。だが機械はそうはいかん」
テッケン「機械、か。テッケンオーも」
鍛造「そういうことだ」
テッケン「でも修理はできるんだろ?強化だって」
鍛造「理屈じゃあな。だが、できん」
テッケン「何で?」
鍛造「金が無い」
テッケン「チェッ、じいさんまでそれ言うのかよ?もういい。今のままでもやってやるさ!」
鍛造(すまん拳児。お前が命を預ける機体、完璧な状態にしてやりたいが……俺も、テッケンオーを政府にくれてやる気にはなれん)
益子「ウツノイド……いえ、魔闘ウツノイド出現!ヤブルくん、出撃して!」
ヤブル「おっしゃあ!いぃぃぃくぜぇぇぇえ!!」
カイザートッパーが胸に!
カイザーハッサンが腕に!
カイザーリンカーが脚に!
ヤブル「ゲェェェェェンカァァァァイザァァァァァ!!」
秀一「カモン、ヨユ―――――ウダァ――――ッ!」
ゲンカイザーとヨユウダーが魔闘ウツノイドに立ち向かう!
ヤブル「相変わらずデケェな……」
秀一「怖れをなしたか?」
ヤブル「バカ言え!行くぜ!」
テッケン「魔闘ウツノイドだと?すぐに行く!」
鍛造「待て拳児。テッケンオーの整備は不完全だ」
テッケン「そんなこと言ってられねえ!魔闘ウツノイドは3人がかりでやっと倒した相手なんだ!」
鍛造「……わかった、行ってこい。だが、気をつけるんだぞ」
テッケン「ああ、任しといてくれ!」
テッケンオーが発進する。
鍛造「どうか、無事で戻ってくれ……」
披露院家から離陸したロザリウスと合流し、テッケンオーは現場を目指す。
テッケン「……なるほどな」
外目にはわからないが、確かにテッケンオーの動きはどこかぎこちない。
乙女「どうしたの?」
テッケン「いや、何でも無い」
乙女「変なの。……あら?拳児くん、あれ!」
テッケンオーとロザリウスの針路に2体の魔闘メカが降下してくる!
テッケン「ち……悪いなヤブル、すぐには行けないかも知れん」
1体は頭に剣のような鋭く長い角を、もう1体は開閉する2本の角を生やしている。丁度カブトムシとクワガタのようだ。
ヤブル『どうした!?』
テッケン「足止めを喰ってる。乙女、お前は先にヤブルたちの所へ。空なら奴らも追えないはずだ!」
乙女「でも……」
テッケン「ヤブルたちの相手は魔闘ウツノイドなんだ。早く行ってやれ」
乙女「……わかったわ」
ロザリウスが上昇し、飛び去っていく。
テッケン「そうさ。今のテッケンオーだって、ただの魔闘メカの2匹くらい!」
ロザリウスの閃光弾が魔闘ウツノイドの目を眩ませる!
乙女「応援に参りましたわ!」
ヤブル「ありがてえ!ハァァァァァッ、げぇぇぇきぜぇぇぇぇんけぇぇぇぇぇぇん!!」
――撃善拳!ドォン!!魔闘ウツノイドが大きく傾いだ!
ヤブル「効いてる……?秀一、こいつギバップの奴ほど強くないぜ!」
秀一「ああ、一気に畳み掛けよう。披露院嬢、援護を頼む!」
乙女「わかりました!」
GENKAITOPPA!
ZENZENYOYU!
ヤブル「ゲェェェェンカァァァァイケェェェェェン!!!」
秀一「シャクトゥーソード……メテオ―――――――ルッ!!」
テッケン「遊んでる暇は無え……さっさと落ちやがれ!!」
テッケンオーが早くも決めの鉄拳を放つ!しかしカブトムシ型魔闘メカの甲羅はそれを弾いた!
テッケン「ちっ、頑丈さが自慢かよ?いや……」
拳は真芯を捉えたのに手応えが無かった。敵が堅いだけでなく、こちらの攻撃が弱っているのか?
考える間もなく今度はクワガタが角を開き、テッケンオーに向け突進してくる。テッケンオーはそれを両腕で掴み、受け止めた!
だが、掴まれた角はそれでも徐々に締まっていく……。
テッケン「クッ……結構なパワーじゃねえか!」
限界拳とメテオールを受け、魔闘ウツノイドは爆散した。
ヤブル「なんか呆気なかったな。拍子抜けだぜ」
秀一「うむ……披露院嬢、テッケンが受けた足止めというのは?」
乙女「はい、2体の魔闘メカですわ。魔闘ウツノイドの方が危険だからと、こちらに参りましたが……」
秀一「2体。では早く応援に行った方がいいかも知れんな……待て。妙に脆い魔闘ウツノイド……まさか、今回の敵の狙いは!?」
テッケン「ウゥゥ、な・め・る・なぁ―――――っ!!」
フルパワーを出したテッケンオーがクワガタの角を押し広げる!
しかし、その背後からカブトが!
ザキッ!
テッケン「な……何だ?」
カブトの角が、テッケンオーの腹を貫いていた。
魔闘メカの攻勢はそれだけにとどまらない。正面のクワガタがテッケンオーの左ヒザを踏むように蹴りつける!
テッケン「こっ、こいつ、テッケンオーの弱点を!?」
サタデス「フハハハ、そいつらはただの魔闘メカではない。リ・タイアのウツノイドをばらして一部を組み込んだ、立派な魔闘ウツノイドだ。
たった一人でそいつらに当たろうとした時点で、もうお前の負けだったんだよ、テッケンオー!」
ドン、ドン!
続いてクワガタの角を押さえていた両腕が悲鳴をあげ、肘で爆発が起こる。
抵抗をなくしたクワガタの角が一気にテッケンオーを締め付ける!
テッケン「そんな、そんなバカな!?テッケンオー!」
左ヒザが完全に破壊されると、カブトはテッケンオーを貫く角を振るった。
ズシャ、ガシャン
胴体を上下に両断されたテッケンオーは地面に落下する。
テッケン「立て、立つんだテッケンオー……」
ドォン!
コクピットでも爆発が起こった……。
鍛造「拳児!くそぅっ、俺がもっとしっかり整備していれば!」
テッケンは重傷を負ったものの命に別状は無く、救出後病院に搬送された。
鍛造と鉄野夫妻は急ぎ病院へ駆けつけた。
哲夫「……父さんの責任じゃないですよ」
鍛造「なんだと哲夫!だったらテメェ、誰のせいだってんだ!拳児が悪かったとでも!?」
哲夫「……」
「テッケンくん!」
突然病室に駆け込んできたのは、内閣総理大臣・民荷尽だった。
哲夫たちが唖然としていると、尽は土下座を始めた。
尽「申し訳ありませんでした!善意の協力者である彼に、こんな怪我をさせてしまって……」
テッケンの母「あ、あ、あ、あの、どうかお顔をお上げになって。息子が好きでやったことですから……」
哲夫「……総理、場所を変えてお話したいことがあります。よろしいですか?」
尽「……はい」
尽と哲夫が病室から出て行くとほどなく、テッケンが目を覚ました。
テッケン「ン……ここは……そうか、俺、負けて……。じいさん、魔闘メカは、どうした?」
鍛造「ああ、ゲンカイザーたちが追い払ってくれた」
テッケン「すまねえ、テッケンオー壊しちまった……」
鍛造「そんな事はいい。いいから休め」
テッケン「ああ……」
サタデス「まあ、ざっとこんなもんだ」
リ・タイア『囮まで使ってたった一機倒した程度でいい気になるな』
サタデス「その一機も倒せなかった奴がいきがるんじゃねえ。さて、地球のロボットは片付けてやった。あとは出来損ないのウツノイドだ、お前の所で始末をつけろ。俺はしばらく休む」
リ・タイア「ククク、まあ、よかろう……」(つづく)
次回予告
?「朗報よ!テッケンオーが倒れたわ!」
??「……思いっきり不謹慎ですけど」
?「次から次に正義のロボットが出てくるから一時はどうなるかと思ったけど、
もう今しか無い!動くわよっ、せ~の、絶対征服っ!!」
?「見ないと将来、ハゲちゃうわよっ♪」
??「あ、信じなくていいですから」
最終更新:2011年12月10日 22:00