機動少女伝マサト
「きゃあああ!!」
少女、谷口麻里の眼前で爆発が起こる。人の、いや、人だったものの残骸が宙に舞う。
その残骸の一つを踏みつけながら禿頭の大男が呟く。
「……この星の人間はもろいな。肉体も、精神も……特に」
「な、なんなのよアンタ……異星人!?」
少女は男を睨みつける。
「貴様らの言葉を借りるならば、『宇宙からの悪の侵略者』……とでも言ったところか」
「侵略者……!?なんで地球を襲うのよ!?」
「我らが帝王様のご意思……私は知る必要のないこと……」
「ヒュウゥ、楽しそうなことやってんナァ、ブザン」
男の後ろにもう一人、細身で長髪の男が現れた。
「デガスか。楽しそうとは、何がだ?」
「とぼけんナヨォ、女、今から殺んダロォ?俺に殺らせロヨォ」
「女子供は殺すなと、帝王様は仰っていたが?」
「いぃんダヨ、一人くれぇ構やしねェヨ。帝王様とジュバフの奴にさえバレなきゃアナァ」
「……好きにしろ。私は帰る。報告はしないでおいてやる」
そういいブザンはデガスに背を向け去った。
「ヒャハッ、あんがトヨォ。……っつう訳で女、てめぇを今から殺ル」
「ちょ、ちょっと待ってよ!あんたらの帝王様は女殺すなって言ってたんじゃ……」
「バレねぇっつってんだろぉがヨォ、一人くれエナァ」
「――――ッ!!こいつ、ただ殺したいだけじゃないか!!」
「その通リサァ!!じゃあ、死ニナァ!!!」
デガスは麻里の胸目掛けナイフを振りかざす。
「い……いやっ!」
―――――物語は、これから数日後から始まる。
「……う、ううん……あ、あれ……!?あたし……死んだんじゃ……!?」
『死んださ……一度はな』
「あ…あんた、誰!?それに……ここは!?」
『質問は一つづつ行うものだ』
「え、はい……えっと、あんたは、誰?」
『悪いが、それはまだ教えられない』
「むう……じゃあ、ここはどこ!?」
『悪いが、それもまだ教えられない』
「何よそれ!教えられないことばっかりじゃない!」
『君の運が悪かっただけだ。ならば三つだけ教えておこう』
「三つ……?」
『一つは、彼らはカリグラと呼ばれる異星人で、地球の支配を目指している』
「それは……大体わかるけど」
『もう二つ目は、私は君に戦う力を与えられること』
「戦う……力?」
『そして……三つ目は君にとって辛い現実を突きつけることになるが……聞きたいか?』
「そこまで言われたら……逆に聞きたくなっちゃうじゃない」
『分かった。ならば言おう……』
「…………」
『君は一度死んで、サイボーグとして再びこの世に生を受けた』
「ッ!?あたしが……サイボーグ!?」
『私は……君に戦う力を授けるために君の前に現れた。どうだ?この現実を知っても……戦うかい?』
「……上等よ!!あたしを殺したデガスとかいう奴、一回ブン殴らなきゃ気がすまないわ!!」
『分かった。ならばこの二つの言葉を覚えておけ。君が戦うとき役に立つだろう……』
「二つの言葉?」
『【ボーグ・オン】と【アテナス・バーン・ナウ】だ。絶対に覚えておけ……』
最終更新:2010年01月14日 23:05