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第一話



 栄輝学園に、そしてエイテルフォースに入れられてから一週間が経過したひゅうが。
彼は、来るべき戦いにそなえて、大江のり子の指導のもとエイテルオンの操縦訓練を続けていた。
しかし、彼の心はまさに波間に漂う小舟のようなもの。栄輝学園での彼の担任でもあるのり子は、
「非常に素質があり、本来ならばすぐに上達するはずなのに、消極的な精神がそれを妨げている」
というひゅうがの本質を見抜いていた。が、だからといって、彼の心に踏み込むことは出来ない。
なぜなら、彼女はひゅうがの「先生」であっても「肉親」ではないからだ。ひゅうがとのり子は、
お互いのそんな距離感を肌で感じあっていた。
 栄輝学園で中学生として過ごしている間でも、心の晴れないひゅうが。そんな彼に近づこうとする
ひとりの少女がいた。無口なため周りからつまはじきにされている少女、岡村いぶきである。
彼女は普段他人に一切興味を示さないが、何故かひゅうがにだけは目を向け、黙ったままではあるが
彼の助けになるようなことを勧んで何でもやってくれる。が、「どうせ転校生の自分が珍しいだけだ」
と、ひゅうがはそのことを喜ぶことも出来なかった。
 八方塞がりに追い込まれたひゅうがは、ある日の帰り道、通りすがりの女性に亡き母の面影を感じ
思わず声をかけた。彼女の名は岡田高美。赤の他人ではあるが、彼女はほんとうにひゅうがの母に
良く似ていた。
ふたりはたちまち意気投合し、その場に腰をおろして、ひゅうがはその思いの丈を…といっても、
エイテルフォースのことは機密事項なので、そのことは隠したままで…打ち明けた。
高美はとても優しい女性であった。ひゅうがの話を一通り聴いたあと、「あなたに今何があるのかは
知らないけれど、それは自分でこなすしかない。あなたは自分の本当の心に気づいている。それが
出来ているなら、どんな困難も乗り越えられる」とだけ告げた。ひゅうがは初めて、自分の問題は
自分で解決しなければならないということに気づいた。
 そして、いよいよ訪れた戦いの時。突如現れ街を襲う巨大ロボットに、エイテルオンが立ち向う。
ひゅうがの持っている頑なな心は、衛輝壁(エイテルバリア)となって現れ、敵の攻撃を受け止めた。
しかし、このままでは敵を倒すことは出来ない。壁はいずれ破られてしまうものなのだ。
追いつめられたひゅうがの脳裏に浮かんだのは、亡き母の面影…と、その時、エイテルオンに奇跡が
起こった。エイテルオンは、「救いを求める心」によって真の力を発揮するのだ。
鋭輝剣(エイテルソード)に影輝線(エイテルビーム)、そして栄輝音速拳(エイテルオンパンチ)。
傷つきながらも、エイテルオンは逆転勝利したのだった。
 しかし、不思議なことがある。エイテルフォースの指揮官…つまり、ひゅうがの父・榊は、何故
敵が現れることに気づいていたのか?そして、エイテルフォースにまたひとり、新たな訪問者が……

つづく


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最終更新:2010年01月15日 07:29