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「ベルフェリオンは心の力です。最初から気で負けたら、何も出来ませんよ?」
彼女の放つ言葉に対し、意図を掴みきれない総一。構わず続ける。
「―――今までどんな想いで、戦ってきたんですか?」
思い出し、考えて―――はっとした。
一回目も、二回目も、自分に力が必要だった。力が欲しかった。
あったのは、切望という名の意志。手に入れた力は、守るという意志をもって。
「どうすりゃいいんだ。守る必要もねえってのに」
「簡単ですよ、たとえば……」
思考を巡らし、途切れた言葉。唇に指をあて、んー、と考えて数秒。
「一発ぶん殴る」
答えは、あまりに単純明快。


 桜華絢爛ベルフェリオン
   第四話「鍛える冬」


「そしたら、フランベルジュがこう、地面からズドドーンって!」
写真を手にして騒ぎ立てる春緋。
机の前に広げながら、自身が立ち会った事件を存分に語っている。
ちょっとした人だかりができ、周囲が皆春緋に注目している中。
「ところで、こいつ大丈夫なのか?」
「放っておけ。別の問題だ」
事情を知る誠二は、いつも通り冷静に言葉を投げる。
一番の被害者、かつ一番の重要人物である天城総一は、
「…………」
爆睡。
うんともすんともくーとも言わない。完全なるダウン状態。
もう何をしても起きなそうな状態。怪我を見るだけだと危険な状態に思えるが……。
「……大丈夫、なのか?」
「多分な」
流石に誠二も無責任な言葉しか出てこない。
そもそも、何故こんなに総一はダウンしているのか。
ことの始まりは数日前、涼の法律相談事務所に初めて出向いたときだった。

「特訓だ」
たたまれている扇子が、びし、と総一に突きつけられる。
初めて来たと思いきや、パールを加えた四人が並ばされ、この状況である。
「え、あー……何の?」
突然の言葉に理解が追いつかない。総一の額から冷や汗ひとつ。
それが扇子で叩かれ、振り払われる。
「何の、じゃない。これからこちらである程度守るとは言ったが、
 大半の事態は君が解決する必要がある。デバイスがあるなら尚のこと」
「相手がJDAだからな。今後君自体がJDAとの戦いを強いられることになるのは
 容易に想像できる、だからこそ君自体が強くなることは決して無駄にはならないさ」
涼の言葉に補足するように、俊暁が言葉を並べる。
相手は秘密結社。
アニメや特撮の世界が現実の状況になってしまった彼にとって、その脅威は底が見えない。
「特に君は、デバイスを使用しない状況において一般人でしかない。
 いつJDAが襲撃してきても、ある程度戦えるようにならないと困る」
なんかとんでもなく嫌な予感がした。
「というわけで、君はまずこのメニューをこなしてもらうことにする」
渡されたメニュー。
それは……おおよそ一般人向けとは思えないような恐ろしい量のものだった。
「これができて合格だ。最初は半分程度、そこから少しずつ慣らしてもらう」
「あ、あのー」
死ねと? 通常体育の三倍のトレーニング量。
赤くて角がついた紙だったらわかりやすかったのだが―――
ああ、赤いだけならト○んざムもありだと関心はするがどこもおかしくはないな。
無論、そんなことを思う余裕は総一になかった。
「忘れてません? 俺、先日撃たれたんスけど」
そう。事件の時四肢を撃たれ、挙句の果てに胸あたりがガラスでぐさりと来ていた。
その状態でこれはひどい。まったくひどい。
「大丈夫ですよ?」
流石に困り果てていた総一の心境は、あっけなくパールの一言で打ち砕かれる。
「言い忘れてましたけど、契約したことで自然治癒力は上がってますから、
 撃たれた傷くらいならそろそろ大丈夫です。痛みは別ですが」
「痛みは残るんかい。無茶な」
よりひどい。何故か事実がより厳しい方向に進んでいる気がする……。
「痛みを受けた状態で動くことも時には必要になる。いい機会だ」
「…………あのー?」
「4万」
ぐさっ。
その一言だけで完全に固められてしまった。
金銭都合をさっぴかれると、自分だけが困るわけではない。
冷や汗かきながら、はい、と答えるしかなくなる総一。
受難は続くよどこまでも。君は生き延びることができるか。

(……まあ、何から何まで全部秘匿問題なんだが)
勿論、総一がルーム機材を使ったランニング途中で倒れたところも秘匿問題である。
その後も文字通り叩き起こされ、なんとか1日程度を豪快に使ってノルマ達成まで駆け抜けた。
本当に大丈夫なのか? 総一を見る目にも、つい同情や心配が先に来てしまう。
そんな折、ふと教室のドアが開く。
「おはよう、皆……」
その場の全員が、入ってきた彼にリアクションをした。
具体的に言えば、一斉に引いた。
声には聞き覚えがあるのだが、顔が誰こいつ状態だった。
火傷でもしたような荒れようが、顔の半分足らずを覆っている包帯の下から覗いている。
「井上……なのか?」
こくり、と頷く。
しかし誰もが困惑し、一瞬静まり返った教室。
ある程度察して声をかけることができたのは、誠二だけだった。
「……ぁー?」
少し経ち、ひそひそと皆が騒ぎ出したところで、ようやく目を覚ました総一。
非常に眠そうな状態ながら、視線は井上に向いていそうだった。
「あ、おはよう、天城君」

状況の不運。
現在、総一は疲労が溜まりに溜まっている上に寝起きで、非常に頭が鈍かった。
それ故か、気付けば目の前で包帯をしている、弱気そうな男子クラスメイトの姿を、
正確に結びつけることが出来なかった。
「……誰?」
直後、彼の首筋に春緋の脛あたりが突き刺さり、再び総一は意識を失うことになった。
教師が来る前になんとか目が覚めたのは不幸中の幸いか。

「え、俺そんなこと言ってた?」
本人がその事実を聞かされたのは、ちょうど昼食の時だった。
「言ってた。まあ、その後の授業まで殆ど寝てたあんたは覚えてないと思うけど」
まったく、と呟きながらメンチカツパンを頬張る春緋。
「あとで謝っておけ。擁護のしようはあるとはいえ、タイミングが悪すぎた」
誠二の言葉に、そうする、と返しながら、総一は自分の失態に後悔する。
彼の頭には、ここまで疲れる原因が悪いなどといった思考は皆無。
……それでも身体の不調には逆らえないようで、小さくあくびがひとつ。
「それで大丈夫なのか? 天城」
「んあ?」
レタスサンドを頬張ったところで、きょとんとする。
今日は何かあっただろうか……? 記憶を辿ると、あった。
「ああ……あれね」
「とりあえず、今日は化学の話だろ?
 今後何か役に立つかもしれないから、疲れてるとは思うがしっかり聞いとけ」
「へいへい」
誠二に適当に生返事を重ねながら、とりあえずレタスサンドを流し込んだ。

その後。
学業も終わり、事務所に顔を出す総一の表情はうかない。
目の前の予定表……今日は実戦形式の特訓。
身体を酷使してきた数日間の上にこれである。いい加減、彼の体力は限界に達してきていた。
「今日の特訓形式が何なのか、覚えているな」
眼前に立つ涼の姿が、心なしか大きく見える。
「……ツヴァイドリル、ドライフォートの2機を相手にひたすら攻撃を避け、
 片方でもいいから一撃を叩き込む特訓。腕を光らせてはいけない、でしたよね」
あの現象、奇跡的にアフロを撃破した現象。
意図的に引き起こしたものではなかったが、使うのは危険が伴うため、今回は封印となった。
そして、使ったところで大惨事にならないわけがない。
なにせ今回の機体は、涼が所持している2機なのだから。
「パイロット誰なんスかあれ」
「ない。自律起動ができるのが特長だ」
なるほど、と納得する。
3機のフォーメーションで出撃したとき、いつも涼以外の声が聞こえないのだが、
最初からパイロットなしであれば納得である。
「というか、一家に一機程度の人型ロボットを3機か……」
「さすがに常勝の逆転弁護士は格が違ったわ」
「そーなのですかー」
「てめーら他人事か、ええコラ!?」
誠二と春緋はいいのだが、当事者のパールの反応にはさすがにキレた。
しかし、彼らの言うこと自体は間違っていない。
ベルフェリオンなどは例外として、普通はこういう人型ロボットは一家に一機が基本。
それを一人で三機揃えている涼は、やはり彼らから見れば高みにいる存在であった。
車やバイクなどと同様に、維持費から動力までそろえなければならない。
到底一人で払えるようなものではないのだが。
「……やっぱ業務用?」
「いや、『訳あり』の方が近いな」
見つめる視線―――それは、事務所前に降り立った赤と青の二機に向けてではない。
総一は思う。彼女が、広瀬涼の見つめる先には何があるのか―――。

紅の機体。大きく突き出した一対の巨大バックパックを持つ華奢な機体。
その突撃は重く鋭く、構えたドリルが大地を抉る。
蒼の機体。せり出した肩、両脇のキャノン砲を携えるがっちりとした機体。
その砲撃は光の速さ、開いた両肩からミサイルが奔る。
紅の機体はツヴァイドリル、蒼の機体はドライフォート。
場として選ばれた戦場解放区―――人型ロボットを動かしてもいいと許可が出ている場所―――
未だ瓦礫や廃ビルなどの残るそこに立つのは、両機とも、涼の『逆転』に幾度となく貢献してきた機体。
特訓とはいえ、目の前に立つ威容に気圧されるのは当然ともいえた。
「あの『再世事変』を乗り越えた機体、か……」
一発でも当てる。その条件は果てしなく遠く、険しい―――。
「それじゃ無理ですよ、マスター」
思考は、言葉に遮られる。
いきなり何を言うか、こいつは……意気までも削がれ、どうしてもパールを見る目がジト目になる。
彼女は視線に気付くと、逆に呆れたように総一を指差し。
「ベルフェリオンは心の力です。最初から気で負けたら、何も出来ませんよ?」
彼女の放つ言葉に対し、意図を掴みきれない総一。構わず続ける。
「―――今までどんな想いで、戦ってきたんですか?」
思い出し、考えて―――はっとした。
一回目も、二回目も、自分に力が必要だった。力が欲しかった。
あったのは、切望という名の意志。手に入れた力は、守るという意志をもって。
「どうすりゃいいんだ。守る必要もねえってのに」
「簡単ですよ、たとえば……」
思考を巡らし、途切れた言葉。唇に指をあて、んー、と考えて数秒。
「一発ぶん殴る」
答えは、あまりに単純明快。
「あー、OK。要するに、何か目的を持って強く思えってことな」
「だいたいそんな感じです」
そう。彼が願うことなら、全てが現実になるだろう。
ひとつ大きく息を吐き、吸い。眼前の二機に指を突きつけ。
「俺の『一発』は相当痛いぜ、覚えてろよ!」
力強く宣言、覚悟は決まった。
左手を前に突き出す。それに重なるのは、隣に立つパールの右手。
重なったそれを、互いに組み。
「「―――デバイス・オン!」」
響く口訣―――瞬間、世界は切り開かれた。
背後の空間に現れる巨大な姿。
拳を力強く握る、描かれた姿が実体を伴い。
足が大地を踏みしめる、蒼と白の巨体が無から有と変わり。
見開かれた視界は広く、輝く瞳は己が物。
其れは名もなきベルフェリオン。願望の結実、ベルフェリオン。

総一は実感する。今この瞬間、自身の存在は巨体と共有した。
言葉もなく、眼前の二機が左右に分かれ機動を開始する。
「パール、今お前何ができる?」
短く、問いかける。この状況では、あらゆる手段を行使する必要がある。
彼女の力も、可能な限り借りたいところ。
「何ができるって?」
「たとえばレーダー代わりとか」
「レーダー? 何ですかそれ?」
だが、総一は見誤っていた。
いくら自分の知っていることを例に出しても、パールが知っている可能性はあまり高くない。
それを後悔した時、既にベルフェリオンは宙空を舞っていた。
「だああああ!?」
足元で爆発。
容易に背後をとったドライフォートが、肩からミサイルを放っただけの話。
それだけでも、今の総一を翻弄するには十分だった。
「あわ、わ……って、マスター前、前!」
「んあ……って、のあああああ!?」
思わず横に転がる。
直前までいた場所は、駆け抜ける紅に大きく抉られた。
「……そうだ、あいつ可変か」
肩の巨大な装甲にその身を隠し、流線状の装甲の前面に二機のドリルを掲げた機体。
そのバックパック後部、その大きさに似合った巨大な推進力を生み出すブースターで
突撃をかけられていた……直撃すれば、ひとたまりもなかっただろう。
此処で総一は、ひとつの事実に気付く。
「待て。パール、お前敵の位置とかわかるのか?」
「はい、あんまり遠くは無理ですが」
喜ばしい事態。
レーダーという言葉は通じなかったが、奇しくもそれに近いことは彼女に任せることができる。
「OK、二機の位置関係ちゃんと感じてくれよ?」
『感じてって何かやらしい響きしません? 我々の位置関係いやらしい!』
「こんなときにお前さあ!?」
『あ、後ろからミサイル来ますよ』
口論―――というか一方的なツッコミだが、それもそこそこに真横に飛びのきながら起き上がる。
だが、ミサイルの追尾機能を舐めてはいけなかった。
「来るヌギャー!?」
ちゃんと誘導を見切らないとこういうことになる。

「……本当に大丈夫なのか、あれは」
間抜けな光景に、頭を抱える誠二。
戦場解放区を見渡せることで評判の、高層ビルの喫茶店に三人は移動していた。
端末を利用することで、各所死角に目を通すこともできる。
戦場解放区には、こういった細かなチェックができる施設が存在するのが
お決まり、ないしは店のウリとなっている。
「まだあれだけのリアクションができるなら、大丈夫でしょ」
呆れる春緋の前には、あぢゃぢゃぢゃ、と背中を摩っていたら
またもツヴァイドリルの餌食になりかけたベルフェリオンの姿。
情けないことこの上ない。
「広瀬さん、一体何故ここまで……?」
現状ワンサイドゲームと化しているこの特訓……にしては、違和感がある。
何より、特訓だというのに目的が不明瞭だった。
通して見れば、いくら守られているからといっても、総一に負荷がかかりすぎているのも気になる。
「理由か?」
頷く誠二に、視線を特訓に向けながら涼は口を開く。
「私は、天城総一がどういう人間かをまだ知らない」
「どういう人間か、ですか……?」
「自分で見ないと、見落としがあるかもしれないからな。
 天城総一という人間が、膨大な困難にどう立ち向かい、対処するか。
 私はそれを知りたい。今後の彼のことを考えるのは、それからだ」
だからこそ、これまでの総一への課題は大変で、苦しく。
彼に『逆転』の資質があるか、それが涼の知りたいところだった。
(天城総一……この状況にどう向き合い、行動する?)
トレーニングメニューを課した時は、苦悶の声が漏れたりしながらも、
少なくとも涼の前では一言も、弱音、愚痴などなく意地で全てやり通した。
ベルフェリオンを見る眼が鋭くなる。果たして彼は、求める素質を備えているだろうか……。

ちなみに、彼女は人に戦いを教えるのが初めてだったと4人が知るのは少し後になる。

「あァもー畜生! 何だこの固め戦法はよ!?」
戦況は一方的だった。
周囲を旋回しながら死角を正確に突き、射撃武器で総一の動きを止めるドライフォート。
足が止まるところを狙い、ドリルを掲げながら突撃を仕掛けるツヴァイドリル。
これだけの攻撃を捌き、分単位で粘れているのは、
彼の反応がそのままベルフェリオンの動きになるからか。
反応からロボットを操作し動かすまで、機体に慣れていない前提であれば
本来はある程度のラグがかかるものだが、ベルフェリオンにはそれがない。
一心同体、彼とベルフェリオンが感覚を共有しているという最大のアドバンテージはそこにある。
レーダー機器皆無という不安はパールにより解消されたが、
彼は最大のアドバンテージについて特に意識はなかった。
……学校では元々、ロボット操作技術の授業でそれなり以上の成績を収めているからだろうか。
『斜め右後方!』
「ったよ!」
引きつけて、避ける。ミサイルの基本的な避け方のタイミングは、既に掴み始めていた。
問題はそこに、キャノン砲による追撃が加わることだろうか。
―――しかし此処で、キャノン砲の狙いが初めて逸れ、態勢を整える余裕ができた。
「よし、此処で……!」
しっかり避ける? 一瞬思いついたその思考は、即時却下される。
意外にもドライフォートまで機動力が高く、ここで回避されても再び攻められるだけだ。
対してベルフェリオンにはブースターなどあるわけもなく、この差は致命的。
回避ができない……ならば。地にしっかりと足をつけ、見定めるはツヴァイドリル。
『ちょ、マスター! 当たりますよ!?』
言葉に返す余裕もなかった。
両手を前に向ける……突撃をかけるツヴァイドリルを前に。
唸るドリルの回転は、周囲に音を響かせる。
まさか。パールの予感は、次の瞬間―――
「ふん、ぬああああああああ!!」
現実となった。
高速で回転するドリルに対し、総一のとった行動は、「受け止める」。
殴る行動ができるほどに硬い五指を持っていたベルフェリオンだからこそ、出来た行動。
当然、掌全体に加わる力は尋常でなく、推進力と削られる痛みは直接彼に負担として帰ってくる。
だが、それで終わることはない。
「ぬぐぐぐ……がああああ!?」
容赦なく浴びせられる光。
バックパックの武器はドリルだけではなかった。
至近距離でベルフェリオンに放たれたレーザー光もまた、ツヴァイドリルの武器。
灼熱も加わり、受け止めることはもはや叶わない。
だとしても―――

一秒と立たず、ベルフェリオンを振り切り空中へと舞い戻るドライフォート。
大きく浮き、振り落とされるベルフェリオン。
空中で変形を解き、滞空状態に入る……。
「終わりだな」
涼が一言、漏らす。
青天状態になり、ぴくりとも動かなくなったベルフェリオン。
それを囲んでいた二機も、地上へと降り立ち、静止する。
「なんて無茶したのよ……」
うわー……と、思わず口に手を当てて春緋。
先の行動に驚き半分、呆れ半分といったところだった。

そして、ベルフェリオンは片手を天に掲げる。
「本当に『やる』とは……流石に思わなかったぞ」
誠二の呟きと同時に、それは掲げた片手をぐっと握った。

確かに、ツヴァイドリルの攻撃をまともに受け、ベルフェリオンの、総一の受けたダメージは多大なもの。
だが、目的はただ『一撃』。
宙に浮く直前、彼の膝は確かにツヴァイドリルを捉えていた。
その後を覚悟で、総一は一か八か、そのチャンスに賭けていた。
「あだだ……傷口直射ビームとかマジねーわ」
後になれば、こうして言葉を漏らしたりもする。
しかし、決めてしまえば意志は硬かった。
『まったく、無茶にも程がありますよ』
パールでさえ呆れる程に、無茶な方法ではあった。
だが事実、彼は目的を達した。それについて、咎める事はできない。
「諦めれ。俺がマスターになったんだから、とことんつきあってもらうぜ」
身体中が痛む、ベルフェリオンを維持するのもつらい。
維持を解くと、青天のままの総一をパールが覗き込む形になった。
「マスター、大丈夫ですかー?」
「次回も見てくれないと、俺の身体はボロボロだ」
「何を見るんですか。とうとう頭まで壊れ」「てねーよ」
言葉を交わしていると、二人に向けて指が降りてくる。
ドライフォートだった。ツヴァイドリルとともに二人のもとに寄り、手を差し伸べている。
それはまるで、一撃を入れた二人を認めたかのようで。
「ありがとうございますー。まったく、マスターだけですよ、しゃんとしてないの」
「るせー」
軽口を叩きあいながら、パールに引かれドライフォートの掌に乗る総一。
あまりに疲れたのか、そのまま後を任せて意識を手放す。

―――ほら、できるじゃないか。最初から諦めるからできないんだ

何か、懐かしい言葉が聞こえたような気がした。






  • 5話予告
パール「マスター、マスター」
総一「どしたー?」
パール「学校って楽しいですか?」
総一「お前の感性まだわからんからなんとも」
パール「へぇーへぇーへぇーへぇー」
総一「出るなよ? 絶対出るなよ!?」
春緋「はいはいフラグフラグ」
総一「おい、やめろ馬鹿
   早くもこの次回予告は終了ですね」
ダンカン「ならば我がJDAらしく頂いていく!
     ベルフェリオンの反応を探り街に出た我々が見たものとは―――(殴打)ひでぶ!?」
総一「返せバーロー!
   次回、桜華絢爛ベルフェリオン『遭遇! ジャンヌダルク』
   (殴打)あべし!?」
ダンカン「貴様!」
総一「やンのか!?」
涼「 う る さ い 」
総一・ダンカン「すいまえんでした;」


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最終更新:2010年01月15日 21:27