なんとかスキをみつけて二体のバゴラをいなすけれど、プラグマの力をうまく発揮できない豪!
いつもの事だけど結構ピンチだ!!
――ドッゴオオオオオオウ!!!
色んな音がごっちゃになって、カミナリみたいに遅れての衝撃。そっからさらに遅れて、ようやく事態が飲み込めてくる。
ドッシャアアア……
一コは足場が崩れたもの。火山灰とか地下水がどうとかで山車山には崩れやすい場所があるのだ。
バゴラの火球にふんばるところ、その足場を引いて派手にずっこけてしまったワケ。
じゃあもう一コはなんだ?
考えるよりまず体勢。プラグマを急いで起こして、できたてホヤホヤの斜面の上をにらむ。
「豪くん……あれ!」
「戦車?」
……のような違うような。ブツブツと音が聞こえてくるのは通信があるみたいで、コロナがそれに急いで周波数(多分)をあわせる。
『ザザ……あー、応答せよ応答せよ。こちら東部第一師団34番隊第一中隊・雨城二等陸曹。災派および有害鳥獣駆除緊急特例により応援に参りましたどーぞー。』
「えっと自衛隊の人?」
なんだがよく分からない単語がずららと出てきたけど、どうにもそうらしい。
さっきのもう一コはどうやら砲撃と、それで倒れたバゴラの音だったよう。
『おお繋がった。俺は近場から直接来たんだが、他……ってか正式の救援隊はまだ時間がかかる。グロッキーなところ悪いが、もう少し――』
「あぎぃーーーっ!!」
バゴラ獣が雄叫びとともに起き上がる。
しぶといのはお互いさまか!
横槍に腹を立てたのか、戦車モドキに早々突進を仕掛ける!
『まだおしゃべり中だろうに! 混ざりたいか!?』
ズダン!
「あぎょぎょっ!!」
『あれま、確実にブチ抜いたと思ったが流石は大怪獣。んじゃもう一発』
「うごうっ!」「危ないっ!!」
その時だ。もう一匹、やっぱりこいつもまだくたばってなかった。
起き上がりに大口を開けたところへ肩から激突して、なんとか戦車狙いの火球を反らす。
『おうスマン、助けに来て助けられるたぁ格好悪いな。格好悪いついででそっちの世話を頼んでいいか?』
「当然!」
元はと言えば俺の相手、俺がうちもらしたお陰でこれなんだ。
「やらない理由がないっ!」
ガシィ
体重をかけて押さえ込む。殴りあうのが無理なら組み付きゃちょっとはマシだ!
「うぐぐぎっ……!」
ミシミシ
「くそっ対抗してきやがって!」
相手も腕を突き出して、がっぷり四つ。こっちが押してはいるけれど。
グラッ
あと一息のところでバランスが崩れる。左をかばい過ぎたせいで足に来たんだ……!
「やばっ」
ズダン!
「っと自衛隊の人!?」
バゴラの足元に着弾。なんとかそのスキに持ち直す!
「助かりました!」
「まぁだ助かってない! 毎度面倒みきれるほど俺も余裕ないぜ!?」
「雨城さん、後ろ!」
「サンキュー嬢ちゃんッ! 一旦離れるぜ!」
どかどかと追って来るもう一体のバゴラを引き付けてからの急旋回、戦車モドキが一気に突き抜けた。
そうだお礼なんて言ってられない。状況は悪いまんま、組み付きなおしたのはいいけど、押し負けるのも時間の問題だ。
「うぎゃがっ!!!」
「火事バカかよっ!」
「豪くんっ……そのまま姿勢低くして!」
「何!?」
グググッ
「バゴラ獣のお腹!」
「ああ! なる……」
ガクン!!
「ホドっ!!!」
力一杯を込めて即、今度は抜く!
押し返しにきたバゴラの勢いを外して自分から思いっきりかがむと、バゴラが一瞬ぐらついた!
チャンスは一回、かがんで、かがんで、ドテッパラに――
「うげるげげっ!」
「手も足も出ないなら……」
ズズッ ズズッ
「頭使えばぁっ!!」
ズッツキャアア!!
仕留めそこないの傷口に、プラグマの角を押し込む! ねじ込む! 突き破る!!
ロボットだって火事馬鹿なら負けてられるか!
「うがぎゃあああああ!!!!」
ようやく、ようやく一体。だけどまだ終わりじゃない!
プラグマを反転させるついでに時計を流し見る。
残り15分。丁度半分ピッタシやってやらぁ!!
最終更新:2011年12月08日 09:30