アイスマンを撃退した豪とコロナだったが、それも敵の計算内だった!
二体のバゴラ獣が同時に目覚める!
『豪くん、よく聞いてくれ。自衛隊の派遣部隊に出動許可が下りたけど、到着には早くても30分は掛かる。それまでの間、何とか持ちこたえてくれ。』
ようやく繋がった叔父さんとの通信。でも二体のバゴラ獣相手に30分も持ちこたえられるのか?
答えは「やるしかない」だ。後先考えるヒマなんてありゃしないって!
「あげぐげーっ」「このっ!」
「うぎが」「くそお!!」
さっきの戦いで左腕は馬鹿になってしまった。
プラグマの武器は二本の腕と足だけど、両腕をフルに使えないんだからやれることも限られてしまう。
単純に四分の一のパワーダウンですみゃあしない。
「落ち着いて、豪くん。あなたもプラグマも何度も戦って、勝って、ここに居るんでしょ。簡単には負けやしないわ。」
「そうは言っても、二体イッペンは面倒みきれないっての!」
ガギャン!!
言ってる側から突っ込んで来やがって!
身体全体を使って反らしはしたものの、もう一匹が待ってちゃくれない……ってもう一匹はどこいった!?
「あがごぉーーっ!!」
「まずっ!」「うしろっ! 左側から回り込んでる!!」
「!!」
ミギャッ
振り向きざまの裏拳が鼻っつらに丁度よく決まった!
「うごぉーっ」
今度はさっき反らしたほう、またまた突っ込んでくる気だ。
「このまま殴ったほうとの距離つめて! 今度はこっちが背後をとってやればっ……」
「あいつを盾にできるってワケか!」
今さら背中見せるのに怖さなんてない。一旦無視してダッシュ!
よろめく一匹目へぶちかまし気味に後ろをとって、お互いに体勢崩れてるのを良いことによりかかりで押し出す!
「あがっ」「うぐぐぉーっ!!」
ドッシィィン!!
上手く間に合った! バゴラがバゴラのクッションになってプラグマへの衝撃を吸収する。
「一辺に相手しちゃあダメだけど、バゴラは群れで行動できるタイプじゃない。そこにスキがあるの。」
「簡単に言ってくれるぜ!!」
「あぎぎっ!」
起き上がりの尻尾一発をさばく。反転しての爪は一旦退いてやり過ごす。
固まってるうちは正面で捉えたいところだけど……
「くそっ……片手じゃ力負けしちまうか!」
ポワーーーーッ
「上半身に回す出力を上げておいたから、これで少しはカバーできるはず。」
「おお……。」
「大丈夫だよ、豪くんは豪くんの思うように戦えば。私がそれをサポートするから!」
そうだ、俺は一人じゃないんだ。一人じゃないから戦えるし、一人じゃないから戦おうって思えるんだ!
「あぎゃがぁっ!!」
「来る!!」「させるかっ!!」
団子になるのを嫌ってか、突進が遅れたところに左をカウンターで突き出す。
激しい衝撃が伝わってくるけど、どうせそれぐらいしかできない腕だ。
食いたいなら食わせてやるっ!
「一時的にリミッター外したから! 目一杯踏みこんで!!」
「うおっしゃああ!!」
バッギャアアア!!
力いっぱいになぐり飛ばして、玉突きで後ろのバゴラに激突させる!
んでもってまとめてっ!!
「ブレイザアァッ!! ナックルァアア!!!」
ドッゴオオオオオオム!!
プラグマ必殺の一撃が炸裂する、が――
「ぐっ……待って、反応がまだ残ってるっ……!」
「あぐあーーっ!」
こっちがそうだったんだからあっちだって同じだ。二体分に衝撃がわかれた分で、トドメにはならなかったんだ!
「強い熱反応っ……豪くん!!」
「うるがあっ」
「なっ!」
忘れてたワケじゃないけど完っ全に油断はしてた。
バゴラってば口からの火球があるじゃないか!!
ズゴゴン!
「くっそ! まずいって!!」
距離を空けすぎたのが裏目にでた。
そいでもって先に地面につっぷしてるバゴラが支えになって、固定砲台みたいにバカスカうってきやがる。
流石に弱ってるのか威力はそこそこだけど、こっちだって五体満足じゃあない。
「飛び道具ってこっちにゃないのか!?」
「ごめん、まだそんな余裕なくて……けど、手がない訳じゃないわ。」
「どんっなっ!!」
ズゴゴン!
「……プラグマが熱エネルギーを攻撃に使えるのは分かるよね。」
「んああ。さっきみたいな感じだろっ!!」
「バゴラの火球は酸素を取り込んで燃焼してるの……だから、先に超高熱でそれを焼き尽くせば、無力化とは言わないまでも……大幅にダメージを減らすことができる。」
「つまり、俺はどうすりゃいいんだ!?」
ズゴン!
やばい、視界もふさがれて文字どーり手一杯だ。どっちかのトドメ刺さなきゃ休み時間与えるだけってのに!
「さっきの一撃をイメージしてっ……それを継続させる。それしかない……うぐっ!!」
プラグマが大きくゆさぶられる。ダメージが直に効いてきてる証拠だ。
だったらもう、恐れたり迷ったりしてるヨユーはない!
「だありゃあああああっ!!!」
拳とともに突き進む!
ぶわっ
「!!」
火球がローソクの火みたいに消えた。反動なのか、キンチョーなのか、手から汗がふき出す。
まだだ、これから。これを続けて、あいつの――
ズガガガァッ
「んぐっ! ダメだぁっ!!」
「あきらめないでっ! 二匹目も起き上がってきてるっ!!」
「うごごおっ!」「あぎぃ!」
「んな事っ! 言ったって!!」
どうすりゃいい。さっきみたいって、それを続けるってどうすりゃいいんだ!?
俺ってどういう風にプラグマ使ってたんだよ。
くそおっ! 考えたくないのに、考えないと動けねえ!
「……豪くん危ない!!」
ドッゴオオオオオオウ!!!
何やってんだ、って分かってるつもりだったのに。
すっげぇ音。目の前が急にひっくり返って、それから……
つづく
最終更新:2011年12月08日 09:22