<<みんなのアイドル少年が22:00をお知らせしました。>>
俺ことクールがお送りするみんなのラジオ番組、サワードパラダイス。
本日のゲストは、ベテランさんだ。
「あぁ、ごほん、げほん。あ、いや、すまない」
えらく咳込んでるな。風邪でもひいたか。
「いや、これは花粉症だ。あと、熱血が小麦粉の缶をこぼしてな。」
ん?どういうことだ?
「いやな、オフの日によく料理を作って、クルーに振舞ってるんだ。
うちの部隊は、まじめがいない日は男ばかりのむさいところだからな。」
確かに部隊は男の割合が多くなりがだな。
だが、ベテランの部隊には食事を作る飯盒部隊がいたはずだが。
「あいつらオフの日は何もしねぇんだ。宿舎に引き篭もったまま出てこないか帰っちまう。
俺は防衛部隊を任されてもいるから、離れるわけにはいかん。だが、腹が減っても誰も食事を作れない。」
なるほど。それでベテランが作ることになったと。
「そういうことだ。今のところ、評判は上々だ。」
大方把握した。で、なぜ小麦粉を?
「熱血が突然『ケーキを作る』とか言い出してな。何でも誰かに渡すとかで。」
まじめにでも渡すのだろうか。(熱血め。あの糞野郎、何してやがんだ俺のまじめに。)
「それで俺が教えることになった。だがあいつは不器用だし雑だからな。何回も失敗してな。あげく強力粉でやろうとしてふたり仲良く粉まみれってわけさ。」
まったく、上司に対してなんつー失礼な。(かかか。いい気味だぜ。)
「人間失敗して成長するものだからな。
だが、何とか自力でケーキを焼くことに成功したんだぞあいつ。
今頃はまじめとデートしてる頃か。いや、時間が時間だ。もしかした…」
(机を叩いて)シャラップ!!!
「どうした。お前らしくもない。」
す、すまん。あいつが、熱血の野郎が…じゃなくて、
夜の十時とはいえ、子どもたちも聴いているから、そういう話はできるだけ自重してくれないか。
「あぁ、そうだったな。しかしお前がまじめにお熱だったとはな。」
(キッとベテランを睨んで)それでは時間も無くなってきました。ここでベテランさんのリクエストをお掛けしたいと思います。(台本を見て驚く)って、これは…
「ははは。俺は結構デスメタルとか聴くんだよ。こいつはいいぞ。」
(小声で)だ、だがこいつはラジオ業界では禁忌になってる曲であってだな。
「心配いらん。かけろ」
分かった。それではこの曲を聴きながらお別れだ。デトロイト・メタル・シティで「SATSUGAI」
お相手は、クールでした。
【おまけ】
ベテラン「ハハハハハァ。ブチブチ込め!クラウザーさんの降臨だぁぁぁ!(テーブルに飛び乗り腰をふり始める。)」
クール「や、やめろ、暴れるんじゃない。」
少年「クールさん、この曲をかけたことに対してPTAから苦情が。あと、まじめさんのことにカリカリした件で婦人会から苦情が来てます。」
クール「お前とAD総動員して謝罪しろ。俺は出たくない。」
最終更新:2010年03月08日 20:17