厳格な祖父の影響を色濃く受け、良く言えば真面目、
悪く言えば堅物で古風な青年。
男に生まれたからには、女性を守れる男で在りたいと思い、
幼い頃から様々な武道を一通り学んでおり、今は弓道に打ち込んでいる。
だが、姉が4人いるためか、女性に対する苦手意識が
根底にできてしまっている。

――武士の如く、堅物なド真面目


エピソード

+ ...

放課後の買い出し

パフォーマンスの衣装を準備するため、不破に服のサイズを聞きに行ったあなた。これから衣装の発注と買い出しのためにショッピングモールに行くと言うと、一生懸命働くあなたを労った不破が荷物持ちをすると申し出てくれて……

+ ネタバレ

ブロンズ1話

(不破先輩、部活中かな……ちょっとだけなんだけど、邪魔したら迷惑だよね……)
どうした。君が弓道場の方に来るなんて、珍しいな。……何か用でもあるのか?
あ、不破先輩! はい、先輩に少し用事があって。もう、部活はお終いですか?
今日は元々部活が休みでな。しかし、一日でも休むと腕も勘も鈍るので、少しだけ自主練習をしていた。
それで、俺に用事とは?
えっと、今度のパフォーマンスのことで……。
衣装を発注するのに、皆さんの服装のサイズを聞いてるんです。先輩の服装サイズを伺ってもいいですか?
ああ、構わない。……口頭で伝えれば良いのか?
はい、ちょっと細かいんですけど、いくつか項目があって……。
記入用紙があるのか。少し見せてくれないか?
……結構本格的なんだな。俺が直接書き込んでも構わないか?
あ、はい。お願いします。
…………。それにしてもサポーターの仕事は大変だな。放課後を全て返上しているようなものではないか。
確かに時間はかかっちゃいますけど……。でも、その分皆さんがステージで活躍できると思うと、全然大変じゃないんです!
……ふ、そうか。今日の仕事はこれで終わりなのか?
いえ、他のメンバーのサイズも聞きに行くつもりです。それから……ショッピングモールで衣装を発注して、ついでに少し買い出しをしてこようかと。
そ、それは、大変だな……。
うむ、俺はもう自主練習を終えたことだし……もしよければ君を手伝わせてはくれないだろうか?
い、いえ、そんな悪いですよ……!
遠慮をしなくていい。女性の細腕では買い出しも大変だろう。

ブロンズ2話

失礼しました。
先輩、職員室になにかご用だったんですか?
俺も買い出しの手伝いをすると、先生に伝えてきた。学校の行事に関連する買い出しとも言えるからな、念のためだ。
あ、そうですよね。すみません、私そこまで頭が回らなくて……。
気にするな。配慮は気付いた者から積極的にすれば良いのだ。
ところで、今日は何を購入する予定なのだ?
えーっと……いろいろ頼まれているんです。まずは、スポーツドリンクと……それから外で練習するとき用の絆創膏と消毒液と……。
スポーツドリンクは、粉ので良いだろうか? さすがにペットボトルでとなると変える数が限られる。
絆創膏と消毒液は救急セットに備えるやつだろうな。これはあまりたくさん買っても仕方ないだろう。どのくらいの量を買うか聞いているか?
……これらの商品は、全部ドラックストアで揃うな。ひとつの紙にまとめておこう。
わ、先輩! すみません買い物メモまで作っていただいて……!
しかもとっても綺麗に整理されて……。先輩、なんだかお買い物手慣れてますね。
……ああ、不本意ながらな。
……姉が4人もいて、彼女達から度々使い走りにされれば、否応なしに買い出しも上手くなる。
だが、その技術が今役に立ったことを思えば、あながち悪いことばかりでもないということか……。さあ、他に買うものはなんだ?
はい、それから――
……こんなものだな。うむ、これなら回る店舗も少なくて済みそうだ。
ありがとうございます、先輩。メモ、丁寧に作っていただいちゃって……。
問題ない。俺から手伝いを申し出たからな。後は……衣装のサイズを聞きに行くのだったな。
はい。1年生、2年生のメンバーにはもう聞いたので残るは3年生の先輩方だけです。
よし。それでは、一先ず3年の教室に向かおう。

ブロンズ3話

(フロアの作りは変わらないはずなのに……3年生の教室だと思うとちょっと緊張しちゃうな……)
えっと……。教室に入るときは、ノックとかした方が良いんでしょうか?
……いや、ここは俺が聞いてこよう。後輩からすれば、上級生の教室に入るのはいささか居心地が悪かろう。
先ほどの記入用紙を貸してくれないか? 君は少し休んでいてくれ。これから買い出しにも行かねばならないしな。
……はい、ありがとうございます! それじゃあお言葉に甘えて……お願いします。
ああ、任された。――失礼するぞ。
――失礼した。
待たせてしまったな。一先ずこの用紙は君に返そう。
ありがとうございます。3年生の教室って少し緊張しちゃって……。助かりました!
構わない。サイズを確認するのはこれで全部か?
あ、ちょっと確認してみます。すこし待ってもらえますか?
(1年生も2年生のも全員分ある……3年生のも……うん、大丈夫みたい)
(……改めて数字で見ると、不破先輩って結構体格良いんだなぁ……)
どうした、ぼんやりして。何か問題はあっただろうか?
いえ、ちょっと不破先輩のサイズを見ていたら……。結構たくましいんだなぁ、と思ってしまって。
弓道をやっていれば自ずと筋肉はついてくる。静の競技である弓道だが、あの統一された動きは、心身共に鍛えられていないと成し得ないのだ。
それに、他にもいくつかの武道を嗜んでいてな。慢心せず、日々の鍛錬に向き合うことで己の身体が鍛えられていると自負している。
だから、買い出しの荷物は遠慮なく任せてくれていい。
ふふっ、ありがとうございます。じゃあ、暗くならないうちにショッピングモールに向かいましょう。

シルバー2話

まず、どこから行きましょうか?
そうだな、ここからなら文房具店が一番近いはずだ。そこから順に回って行けば無駄も無い。
ふふっ、先輩が作ってくれた買い物メモすごいですね。順番に買っていけば、全部そろうように並んでます。
ああ、行き当たりばったりに買い物していては、時間ばかりがかかってしまうからな。……さて、それでは行こうか。
先輩、やっぱり私も何か持ちましょうか……?
いや、大丈夫だ。少しかさばるだけで、重さは大したことはない。
私は、まだ元気ですから。重かったら遠慮なく言ってくださいね……?
力仕事は俺の仕事だ。君は安心して任せてくれればいい。
……ありがとうございます、先輩。買い物はこれで全部なので、後はパフォーマンスの衣装を発注するだけ……あっ!
どうした、何か買い忘れでもあったか?
す、すみません先輩! 衣装の発注の締め切りは、閉店時間よりも早いんでした……!
そうか。あとどれくらい猶予がある?
えっと……あと20分しかありません。
……ここから衣装屋までの距離を考えると、徒歩数分というところだろう。
発注の書式もある程度揃っているし……それだけ時間があれば充分間に合う。
あ……よ、良かった……! 焦らせてしまってすみません。
もう少し買い物が遅くなってたら、間に合わなかったかもしれないな。
そうですね……。
買い物がスムーズに終わったのも、先輩が作ってくれた買い物メモのおかげです。ありがとうございます!
……そう言われると、俺も作った甲斐があるな。
では早速衣装屋へ向かうことにしよう。

シルバー3話

(うーん、やっぱり先輩に荷物を全部持ってもらうのは、なんだか申し訳ないな……)
(――あれ? 先輩さっきから、ちらちらこっちを見てるような……?)
……先輩? どうかしましたか?
あ、いや、別に大したことでは無いのだが……。その……
わ、私、なにか失礼なことしちゃってましたか……? あっ! すみません、やっぱり私も荷物持ちます……!
そうではないのだ! その……、俺の歩くスピードは速すぎないだろうか?
……えっ? 全然そんなことないですよ。
むしろ重い荷物を軽々持っていてすごいなと……
いや、俺の足の速さを自慢したい訳ではなく……上手く言葉に出来ないが……
俺と[苗字]では身長も違うからな。気をつけていても、どうしても俺の歩くスピードのほうが速くなってしまうだろう?
だから、その……つらくないかと心配でな。
……ふふっ、お気遣いありがとうございます。今のペースで大丈夫ですよ。
先輩の歩幅、私の歩くスピードとぴったりです。
……そうか。しかし、疲れたら遠慮なく言ってくれ。
はい!
(……やっぱり不破先輩って、すごく優しいな)
(武道をやっているから、って言ってたけど……身体も心も余裕があって……頼もしくて素敵……)
[苗字]、衣装屋は、あの看板の店か?
はい、あのお店です。……時間もなんとか大丈夫そうですね。
ああ。よし、注文を済ませてしまおう。

ゴールドSPECIAL

先輩、今日はありがとうございました。荷物も持っていただいて……すごく助かりました!
いや、そこまで畏まる必要はない。俺も今日は、同行できて良かったと思っている。
君ひとりでは、きっと大変だっただろう。衣装の発注にも間に合わなかったかもしれん。
……すみません。最後にハラハラさせてしまって。
言い方が悪かったな。別に、責めている訳ではないのだ。
みんなで作り上げるパフォーマンスだ。例えサポーターといえども、君ひとりに負担を強いる訳にはいかないだろう?
だから、俺は買い出しの手伝いが出来て、良かったと思っている。
ありがとうございました。そう言ってもらえると、助かります。
……あっ、電車来ましたね。
……大分、混んでますね。
……運が悪かったな。ちょうど、退勤ラッシュの時間帯だ。[苗字]、大丈夫か?
は、はい。ですが、ちょ、ちょっと掴む物がなくて、バランスがとりにくいです……。
……それならばここの壁に寄り掛かって立つといい。
あ、はい。……ありがとうございます。
(ふぅ……。……あれ? なんだか私の周りだけやけに開けているような……)
……! 先輩、ありがとうございます。大丈夫ですか?
む? なんの話だ?
……先輩、もっと楽にしてください。そんな、私の盾になるような事……。
いや、女性を守るのは男の役目だ。君に何かあってからでは遅いからな。
……じゃあ、せめて荷物をひとつ持たせてください。両手がふさがったままでは逆に危ないですし……。
…………それもそうだな。では、これだけ頼めるか?
はい……。先輩、もっと重い方を渡してくれても大丈夫ですよ?
いや、ずいぶんと楽になった。助かる。片手だけでも空いていると、バランスがとりやすいものだ。
あ、先輩、こっちの手すりもどうぞ。何もつかまらないままって言うのは、危ないです。
ああ、何度も気をつかわせてしまって悪い。……やはり、君は優しい女性なのだな。
しかし、その手すりをつかもうとすると、その……少し距離が、近すぎはしないだろうか。
満員電車ですから、仕方ないですよ。……って、きゃあ!?
……! あぶなっ……!
きゃっ!!
す、すまない! 大丈夫か、[苗字]?
急な揺れでとっさに手をついてしまったが……顔や髪には当たっていないか?
……だ、大丈夫です。少しびっくりしただけです……、……っ!?
(――あ、先輩の顔……すごく近い)
……あっ。す、すまない! こうするつもりでは……!
人の圧が強くて、元の体勢に戻れなくてな……。
は、はい……。……満員だから、仕方ないですよね。
(先輩の顔、真っ赤になってる……私の顔も、赤くなっちゃってないかな……?)
先輩も、大丈夫ですか? つらかったら、私の方に寄り掛かっても……
……た、確かに楽ではないが、心配は無用だ。
だからもう少しだけこうして…………俺に君を守らせてはくれないだろうか?
……はい。

武士らしく

校長室から出てくる不破に遭遇したあなた。理由を聞くと、どうやら全国大会で優勝したトロフィーを持って行った帰りのようで……

+ ネタバレ

ブロンズ1話

(あれ? 校長室から出てくるのって……)
……失礼しました。
不破先輩!
む、君か。
ここ校長室ですけど……何かご用だったんですか?
ああ。先日の全国大会の優勝トロフィーを持って行ったところだ。
えっ……!
全国大会で優勝したんですか……? すごいですね、不破先輩! おめでとうございます!
ありがとう。優勝できたのも、周囲の支えがあってのことだ。
それもあると思いますけど……先輩が頑張ったからですよ。
ふ……君にそう言ってもらえるのはうれしいな。
ふふ、先輩、本当に弓道が強いんですね。
強い……ふむ。
俺にとって、弓道は強い弱いというものではないと思っている。
どういうことですか?
弓道で最も重要なのは精神力だ。精神の鍛練さえ行っていれば、結果は必ずついてくる。
精神の鍛練ですか……
そうだ。俺は弓道のそういうところが好きだから、こうして今も取り組んでいる。
??? 不破、ここにいたのか。
……ん?

ブロンズ2話

東雲……と、アランもか。どうした? 何か用か?
渓士、探していまシタ。
全国制覇の瞬間を見せてもらったからな。是非一言祝いたいと思ったんだ。
わざわざふたりとも……感謝する。
東雲先輩とアラン先輩は応援に行ったんですか?
ハイ。渓士の矢、全部の的に当たりまシタ。すごいデス。
えっ!? 全部ですか?
先日だけではない。これまでの大会でもそうだ。
(す、すごい……さすが不破先輩……)
これまで何度か応援に行っているが、不破が的を外すのは見たことがないな。
渓士はいつも一番デス。
優勝も初めてじゃないんですか?
……ああ。そうだな。
すごい……私も先輩の試合に行ってみたいです!
弓道に興味を持ってくれたのか?
はい。それに、実際に先輩が試合で弓を引いてるところも観たいです……!
ふむ……なら、今週末にちょうど藤城で予選がある。
え……本当ですか!?
大きな大会ではないが……興味があるなら来てくれ。
はい! 楽しみにしていますね!

ブロンズ3話

(弓道部、朝練やってるかな……)
(この間言ってた試合も近いし、不破先輩に差し入れを持ってきたんだけど……)
(あっ、不破先輩いる。わ、弓を……すごい! 当たった!)
……[苗字]? 見ていたのか。
あっ! 不破先輩!
どうしたんだ? こんなところで。
あっ、あの、先輩に差し入れをと思いまして……
これは……レモンのはちみつ漬けか。
はい! 運動のときにはいいかなと思い……
[苗字]……。細かな気遣いに感謝する。
……先輩、頑張ってくださいね。
そ、それと……
あ、えっと……あの……
どうした? 様子が……
真剣に練習する先輩の姿、とても格好よかったです。……ドキドキしました。
…………!
ドキドキ、というのは……もしかして……つまり……
(あ! 私ってば、何言ってるんだろう……!)
えっと、今のはその……!
す、すまない。君を困らせてしまったな……。
さ、差し入れ……有難く頂こう。

シルバー2話

(不破先輩、いるかな……今朝、大会の時間聞くの忘れちゃったんだよね……)
(あれ? 弓道部が練習してるけど、不破先輩だけ弓を持ってない……)
不破先輩、こんにちは。
……! [苗字]……!
あ、驚かせてしまってすみません!
いや、大丈夫だ。
その、先輩に大会の時間をお聞きできればと思いまして……
その件か。男子の部は朝10時からだ。
わかりました。ありがとうございます!
あの……先輩、今日の練習には、弓を使わないんですか?
ああ……今日は稽古を休んでいる。
何か怪我でも……
いや、違う。今日はどうにも矢が的に当たらないのでな……
(朝は調子良さそうだったけどな……)
大丈夫ですか?
うむ。平気だ。なんだか差し入れまでもらったのにすまないな。
あ、いえ、お気になさらず……。
……今の俺に必要なのは精神の鍛練だ。
精神集中ができていないときに練習に参加しても上手くいかないのは知っている。
そういうものなんですね……。
だから、今日の稽古には参加しないと決めた。
このあと、ひとりで残って瞑想でもしようと思う。
あの……先輩、何か悩み事でもあるんですか?
……っ……それは……
すまない。今はまだ、君に話すことができない。
まずは、自分で自分の気持ちに整理をつけようと思う。

シルバー3話

(明日はとうとう大会だけど、不破先輩が心配だな……)
あっ、不破先輩!
ああ、[苗字]。教室の前で待っていてくれたのか?
はい……どうしても気になってしまって……調子はどうですか?
そうだな……以前より的中率は上がっているが、まだ本調子には遠い……というところだ。
そうだったんですね……
君にまで心配をかけてすまない。
いえ、そんなことは……
見学するのは、明日の大会でなくてもいい。というよりも、また次の機会のほうが……
いいえ、先輩。
……?
私は不破先輩を信じています。先輩なら、明日は必ずいつも通りの結果が出せます。
……!
すみません。でも、そう思うんです。
君は……そうか……
先輩……?
いや……礼を言う。
君に信頼されると、必ず期待に応えなければならないと思える。
本当ですか? ……大変だとは思いますが、ちゃんと応援しますからね。
ああ。よろしく頼む。明日は楽しみにしていてくれ。

ゴールドSPECIAL

(とうとう大会の日……!)
(不破先輩の番だ……頑張って……!)
(……すごい! 全部的中した……!)
不破先輩! 優勝おめでとうございます!
ああ。今日は応援に来てくれてありがとう。
先輩、すごかったです。本当に全部的中しちゃうなんて。
いや。君が信じてくれたから、いつも以上に集中できた。
ふふ、それは良かったです。
あ……そういえば、不調の原因はなんだったんですか?
む……それは……
…………?
そうだな、正直に言おう。
君のことを強く想い始めたら、普段通りの弓道ができなくなってしまったのだ……
えっ……
ドキドキしたと言われて……君に……
だから、君の前では一番格好いい自分でいようと思っていた。
そうだったんですか……
すみません。私が余計なことを言ったから……
いや、君が謝ることは何もない。俺の精神が甘かったのだ。
先輩……
しかし、君は俺が不調にも関わらず、俺を信じて、応援をしてくれた。
……本当に感謝している。
私はずっと先輩のことを信じていましたよ。
[苗字]……
先輩なら、どんなときでも、乗り越えて、弓を引けると信じていました。
だって、先輩が、弓道は精神の鍛練さえしていれば結果が必ずついてくるって教えてくれましたから。
先輩は、いつでも誰よりも強い心を持ってるって私は思っています。
やはり君は俺の内面をよく見てくれている……
君は……やはり特別で、素敵な女性だ。
そ、そんな……
君に大事なことを気付かされた。
これからは、己の精神を更に鍛えて……[苗字]に相応しい男になると、約束しよう。
不破先輩……
だから、俺のことを信じて見守っていてほしい。
……これからも、ずっと。
……はい、もちろんです!

美しい涙

学校で不破に声をかけられたあなた。どうしたのか尋ねると次の休日に映画鑑賞に行かないかと誘われて……

+ ネタバレ

ブロンズ1話

[苗字]……!
今、少し時間もらってもいいか?
あ、不破先輩。大丈夫ですけど、どうかしましたか?
いや、その、次の休日なのだが……君の予定は空いているだろうか?
次の休日ですか? 特に何も予定は入っていませんが……
そうか、良かった……。
では、その日に、俺と一緒に映画を観に行かないか?
えっ、映画ですか?
ああ。先日、姉から急な用事で行けなくなったと鑑賞券を譲られたのだが……
こういった映画にあまり馴染みがないものでな。だから、一緒に観に行ってくれる知人を探していたのだ。
……君さえ良ければだが、一緒に観に行ってくれると助かる。
ふふ、もちろんいいですよ、先輩。是非、ご一緒したいです!
ほ、本当か? か、感謝する……!
はい! あ……これ、最近流行っている作品ですよね? 私、前から観たいなと思ってたんです。
ふむ……そうなのか?
ふふ、とても楽しみになってきました。
ああ、俺もだ。待ち合わせなどの詳細は追って連絡する。
では、当日よろしく頼む。
はい! こちらこそ、よろしくお願いします!
(先輩と映画を観に行くの、待ち遠しいなあ)

ブロンズ2話

(ふふ、映画が楽しみで、早めに出てきちゃった。まあ、不破先輩を待たせるよりはいいかな)
(……って、あれ?)
…………。
(せ、先輩がもう待ち合わせ場所に……!? もしかして、私、時間を勘違いしちゃってた!?)
ふ、不破先輩! お待たせしてしまってすみません!
いや、俺が早く来すぎてしまっただけだ。気にしないでくれ。
誘った側の礼儀として、君を待たせるわけにはいかないのでな。
(なるほど、それでこんなに早く……さすが不破先輩だな)
……それに、姉達からも散々言い含められた。
お姉さんたちから……?
実は、君と出掛けることを姉達に知られてしまってな。彼女達から『男の心得』なるものを叩き込まれたのだ。
『女子を待たせるのは最低の行為』や『諸経費は全部奢るべき』など……
……他にもいろいろと、徹底的にな。
(そ、そんなに……? すごいお姉さんたちだなぁ……)
……あの、私にはそんなに気を使わないでください。お金も、自分の分は自分で持ちますから。
せっかくの休日なんですし、無理をせずいつも通りに、先輩と一緒に楽しみたいです。
そ、そうか。
……確かにそうだな。君の言う通りだ。
君とふたりでの外出だからと、自分で思っている以上に、緊張していたのかもしれないな。
え……? 先輩、今、なんて言ったんですか? よく聞こえなくて……
い、いや、なんでもない。ただの独り言だ。気にしないでくれ。
……こほん。では、そろそろ映画館に向かうとしよう。

ブロンズ3話

鑑賞券は指定席券に換えましたし、あとは開場するのを待つだけですね。
そうだな。
……そういえば、この作品はどのような作品なのだ?
えっ。不破先輩、映画の内容を知らないんですか?
ああ。姉からは『評判が良い映画なので誰でも楽しめるはず』と言われて、半ば強引に押し付けられたのだ。
だから、ストーリーなどについてはさっぱりでな。君はこの作品に詳しいのか?
私もそこまでは詳しくないんですが……
確か、本格的なラブストーリーだったはずですよ。
何……!? こ、これは恋愛映画だったのか!?
鑑賞券を見ただけでは、そのようなものだと想像もつかなかった……。
(確かに、チケットには、マスコットのイラストしか書かれていないし、先輩が勘違いするのも無理はないかも)
もしかして先輩って、恋愛映画が苦手でしたか?
苦手というほどではないが……
俺の場合は、だいたい時代物を観るからあまり進んで観たりはしない。
(時代物……不破先輩らしい……)
しかし、そうか……女性を恋愛映画に誘ってしまうとは……
知らなかったとはいえ、失礼なことをしてしまったな。
とはいえ、今さら中止するのも、それはそれで礼儀を欠くか……
(あれ? 先輩、急に考え込んじゃった……)
あの、不破先輩? どうかしたんですか?
ああ、いや、なんでもない。気にしないでくれ。その……互いに楽しめるような映画であればいいな。

シルバー2話

今回の映画、どんなストーリーなんだろう……今から楽しみです!
ああ、俺もだ。ところで、君は恋愛映画をよく観るのか?
うーん……時々見に行くくらいですかね。
なるほど……恋愛映画とは、男でも楽しめるものなのだろうか。
えっと、内容によるんじゃないでしょうか。今から観る作品は、男女問わずかなり評判になってるみたいです。
だからきっと先輩も気に入ると思いますよ。
ふむ、なるほど。君がそういうのなら、安心だな。
……あ、上映始まるみたいです!
そのようだな。……どのような話なのか、今から楽しみだ。
(よかった、クライマックスで、ようやくふたりの想いが通じた……! 感動的だな……)
――なっ!?
[苗字]!? ど、どうしたのだ……!? もしや、俺が何か……?
え……? 先輩、どうしてそんなに慌てて……?
どうしても何も……! そのように泣いていて、心配しないはずがないだろう!?
え? ……あっ!? す、すみません、感動しちゃって、つい涙が……!
か、感動? ……あ、ああ、そういうことだったのか……
(ど、どうしよう。泣きやまなくちゃって思うのに、涙が止まらない……)
……その、[苗字]。良ければ、これを使ってくれ。
(あ……これって、先輩のハンカチ?)
ありがとうございます……お借りしますね。
あ、ああ。その……俺は見ていないから、安心してくれ。
(……画面のほうを向いたままなのって、もしかして、私に気を使ってくれてるのかな?)
(ふふっ。先輩って、やっぱり優しいな……)

シルバー3話

……だ、大丈夫か? まだ涙が止まらないようだが……
す、すみません。なかなか、感動の余韻が抜けなくて……
しかも、先輩に借してもらったハンカチ、涙でぐちゃぐちゃにしちゃって……(原文ママ)
後で、洗ってお返しします……
いや、そんなことは気にしなくていい。
それにしても……すっかり、目が赤くなってしまったな。
映画でこんなに泣いたのは、久しぶりかもしれません。それくらい、素敵な作品でした。
ああ、そうだな。
俺も途中から、主人公に感情移入してしまっていた。ふたりが無事結ばれたときは、心から安堵したものだ。
偶然がきっかけとはいえ、本当に良かったと思う。
はい、私もです! 特にクライマックスは、本当に感動して……!
(……あっ。先輩の話を聞いてたら、ラストを思い出しちゃって、また涙が……!)
だ、大丈夫か?
そ、その、あまり泣かないでくれ……
(あ……先輩の指が、涙を拭って……)
…………。
感動したことが原因だとわかっていても、君が涙を流す姿を見るのは、なかなか心臓に悪いな。
す、すみません! さっきから、ご迷惑をかけてばかりで……!
いや、君を責めているわけではない。これは、俺自身の問題なのだ。
君は焦らずに、ゆっくり落ち着けばいい……
(……そういえば、不破先輩は私が泣いている間も、何も言わずにずっと傍にいてくれてたっけ)
(ふふ……黙って寄り添うだなんて、先輩らしい優しさだな)

ゴールドSPECIAL

……どうだ、[苗字]。少し落ち着けたか?
は、はい。涙もようやく止まりました。ご心配おかけして、すみません。
(映画館スタッフ)……あの、お客様。次の上映の準備を始めますので、そろそろ……
あ、ああ、申し訳ない! すぐに出ます!
――[苗字]、行こう。
(えっ……!? ふ、不破先輩が、私の手を引いて……!?)
……ふう。勢いあまって外まで出てしまったが、君は大丈夫だったか?
は、はい。それは平気なんですけど……その……手が……
……あっ!? す、すまない! 慌てていたから、つい……!
い、いえ! 気にしないでください。
それで、えっと……このあとは……
そ、そうだな……せっかく公園に来たことだし、少し散歩でもするか。
主人公の男が命を落としかけたときが、どうなるものかと緊張してしまったな。
ふふ。そうですね……
あ……なんとなく、あの主人公って、不破先輩に少し似ていません?
(ちょっと不器用なとことか、まっすぐだけど、少し頑固なところとか……)
そうか? 自分ではそう思わなかったが……
確かに、感情移入できたということは、自分と似た部分があるのかもしれないな。
ふふ、そうですね。私も、ヒロインの女の人に感情移入してましたし。
すっかり映画にのめり込んじゃって、あんなに泣いちゃうとは思ってもいませんでしたが……
先輩、さっきは泣き止むまで待ってくれて、ありがとうございました。
それとすみません。私、子供みたいに泣いちゃって……
いや、構わない。感動することは悪いことではないからな。
それにあれだけ感情移入できる純粋さは、素晴らしいと思う。
そんな、大げさですよ……。
いや、大げさではない。俺は心の底からそう感じたのだ。
俺も、きっと君と一緒でなければ、これほど作品に感情移入はできなかっただろう。
相手を大切に想う気持ちを、ここまで深く感じることも……
(あ……先輩が、私をじっと見つめて…………なんだか、さっきの映画の中の、1シーンみたい……)
(確かあれは、主人公が思いを告げて……それから、そう、確かキスを……)
俺は、君の涙を美しいと思った。……いや、涙だけではなく、君自身が……
[苗字]、俺は……
(ど、どんどん先輩の顔が近づいて……! ど、どうしよう、どうすれば……!?)
あ、あの、不破、せんぱ……!
……っ! お、俺は今、何を……!?
す、すまない! 君の意思を確認もせず、あのような行為に及ぼうなど……!
……あ、あの、先輩、急にどうしたんですか?
そ、それは……その……。
……いや、ここで話を濁して誤魔化すのは、男らしくないな。
お、俺は…………
君のことを、愛おしいと思っている。
えっ……
あの映画のように……いや、それ以上に、ひたむきに君のことを想い続けたいと、そう思った。
答えは今すぐではなくて構わない。……いつか、君の正直な気持ちを聞かせてくれ。

不破先輩が育った家で

不破と出かける約束をした休日、待ち合わせ場所に向かっているあなた。すると、通りかかった車が水たまりをはね、泥水をかけられてしまって……

+ ネタバレ

ブロンズ1話

(不破先輩と一緒に和カフェに行けるなんて楽しみだな。)
(昨日はひどい雨だったけど、今日はこんなに晴れてお出掛け日和だし……)
――きゃっ!
(通りかかった車に、水たまりの水をかけられちゃった!?)
(ど、どうしよう……! これから出かけるのに、服が泥水だらけに……)
そこにいるのは……ああ、やはり[苗字]だったか。今日はよろしく頼……――
――その格好は、どうしたのだ!?
あ、不破先輩……。
じつは、よそ見をしていたら車に泥水をかけられてしまって……。
そうだったのか……。しかし、これほど派手に水をかけたということは、その車も相当スピードを出していたのだろう。

歩行者への配慮ができないとは、運転手の風上にも置けん奴だ。
――と、今はそんなことを言っている場合ではないな。
シミになってしまう前に、どこかで着替えて、服の汚れを落としたほうがいい。
それに、濡れた服を着たままでいたら、風邪を引いてしまうかもしれん。
はい……。あの、不破先輩。
せっかくお出かけに誘ってくださったのに、こんなことになってしまってすみません……。
いや、気にすることはない。君は何も悪くないのだからな。
それより、ここからなら君の家より、俺の家のほうが近そうだ。
家族は皆留守だが、そろそろ祖母が帰ってくる時間か……その……、君さえ良ければ家に来ないか?
(申し訳ないけど、今はそうさせてもらったほうがいいかも……)
はい……。それじゃあすみませんが、よろしくお願いします。

ブロンズ2話

(お風呂に入って着替えたら、気分がさっぱりしたな)
(汚れた服も、洗ったら綺麗になったし……。不破先輩のおかげだよね)
失礼します。お風呂、ありがとうございました。
…………。
(考え事をしてるのかな? 先輩、私に気づいてないみたい)
あの、不破先輩……?
! あ、ああ、君か。
湯加減は問題なかったか?
はい。とっても気持ち良かったです。
――あの、本当にいろいろとありがとうございます。
お風呂もそうですけど、こうしてシャツとジャージまで貸していただいて……。
大したことはしていないから、気にしないでくれ。
しかし……やはり俺の服では、君には少し大きいようだな。
本当は姉達の服のほうがサイズが近いのだろうが、勝手に部屋に入るわけにもいかん……
着心地が悪いとは思うが、我慢してくれ。
いえ、とんでもないです。充分です……!
本当ところで、さっきなんだか難しい顔をされていましたけど、何かあったんですか?
ああ……。実は先程、祖母から電話があってな。
町内会の集まりに参加していたのだが、友人の家でお茶を飲むことになったので、少し遅くなると言われたのだ。
それで、その……今日はほかの家族も皆、出かけていてな。
今、この家にいるのは俺と君だけなのだ。すまない……。

ブロンズ3話

? どうして先輩が謝るんです?
ご迷惑をお掛けしているのは、私のほうですし……
いや、俺は祖母が帰ってくるからと言って、君を家に呼んだのだ。
誰もいないとなると……騙して連れてきたも同然。
……交際しているわけでもない男と家でふたりきりになるなど……。
……君の本意ではないだろう……。本当に申し訳ない。
え? あ……あの、私なら気にしていませんから、大丈夫ですよ?
先輩が人を騙すような方じゃないってことは、わかっていますし……
むしろ困っていたところを助けてもらって、とっても感謝してるんです……!
[苗字]……。
……そうか、君は俺を信頼してくれているのだな。
君がこの状況を不安に感じていなくて、良かった。
安心してくれ。その信頼を裏切るようなことは、絶対にしないと誓おう。
は、はい。
(いつも思うけど、不破先輩って本当に真面目な人だな)
ああ、そういえば、服の汚れは無事に落ちたか?
そうですね……すぐに洗わせてもらったおかげで、ほとんど目立たなくなりました!
乾いたら、元通り着て帰れると思います。
そうか。それを聞いて安心した。
服が乾くまで、ここでゆっくりしていくといい。
今、茶を淹れてこよう。君も温かい緑茶で構わない、か……――
(? 先輩、私を見て固まってる……? どうしたんだろう)

シルバー2話

あの、先輩。どうかされたんですか……?
あっ、す、すまない! 不躾に見てしまって……。
非常に言いにくいのだが、その――
き、君の着ているシャツのボタンが、少し開き過ぎているような気がしてな……。
え……? あっ!
(や、やだ、いつの間にか第2ボタンが外れて、胸元が開いて――)
す、すみません! すぐに留め直しますね……!
(いつもと左右逆だから、ちゃんと留められてなかったのかも……。うぅ、恥ずかしい……)
――失礼する。茶を淹れてきたぞ。
熱いから、気を付けて飲んでくれ。
ありがとうございます。いただきます。
わ、深みがあって美味しい……!
そうか。君の口に合って良かった。
先輩は、お茶を淹れるのがお上手なんですね。
上手かどうかはわからんが……日本茶を飲むと、気分が落ち着くからな。
勉強や鍛錬の合間に、時々自分で淹れるのだ。
祖父や祖母に淹れることも多いから、自然と淹れ方が身に着いたのかもしれん。
なるほど、そうだったんですね。
(たしかに不破先輩って、学校でもコーヒーや紅茶より日本茶を飲んでることが多いかも)
ああ、そうだ。良かったら、この菓子も食べてくれ。
お菓子、ですか……?

シルバー3話

あ、栗きんとんですね。美味しそう……!
君のような若い女性には洋菓子のような、もっと洒落たもののほうがいいと思ったのだが……生憎そういったものがなくてな。
気にしないでください。
栗きんとんって日本茶にも合いますし、私、好きですよ。さっそくいただきますね。
――わぁ、優しい味でとっても美味しいです……!
そうか。そう言ってもらえると、祖母も喜ぶだろう。
おばあ様、ですか?
ああ。その栗きんとんは、俺の祖母が作ったものなのだ。
彼女は、家庭的でとても優しい女性でな。
昔から、よくこういったおやつや料理を手作りしてくれるのだ。
(おばあ様のお話をしているときの先輩、すごく優しい顔をしてる……)
不破先輩は、おばあ様と仲がいいんですね。
ああ、俺の家は、両親が共働きだったからな。
幼い頃から、祖父や祖母にはずいぶんと世話になって……ふ。
[苗字]。口の端に、栗きんとんのかけらがついているぞ。
ええっ、ほ、本当ですか? ――えっと、と、取れましたか?
いや、そこではなく……ここだ。
あ――……
(不破先輩が、指でかけらを取って――)
あ、ああ、失礼した……! 余計な世話だったな……。
い、いえ。ありがとうございます……。
(なんだか急に、顔が熱くなってきちゃった……)

ゴールドSPECIAL

(不破先輩とお話するのって、楽しいな)
(今朝はどうなることかと思ったけど、素敵な休日になって良かった)
それで、そのとき後輩がとった行動というのが――
ああ、茶がなくなってしまったな。
淹れ直してくるから、少し待っていてくれ。
あ、それなら私もお手伝いしま……わわっ!
(立ち上がろうとした瞬間、バランスが崩れて――っ)
だ、大丈夫か、[苗字]!?
(あ……。不破先輩に抱き留めてもらっちゃった)
は、はい。
すみません、びっくりさせてしまいましたよね。
ずっと星座をしていたので、足がしびれちゃったみたいで……あ、あはは……。
…………。
(……? 先輩、私の顔をじっと見て、どうしたんだろう?)
あ、あの、不破先輩?
私、もうひとりで立てるので大丈夫ですよ……?
(え? 不破先輩の顔が近づいてきて――)
! お、俺は、なんということを……。
す、すまない、[苗字]!
(び、びっくりした……! あのままキス……するのかと……)
(キスって! 私ったら何を考えて……うぅ……顔が熱い)
間近で見る君があまりに可憐で、気づいたら身体が動いていて……
いや、今は何を言っても言い訳にしかならんな。
君の信頼を裏切るようなことはしないと、誓ったばかりだというのに……。
いったい何をしているのだ、俺は。
こんな様では、君に軽蔑されても仕方がないな……。
そ、そんな、軽蔑だなんて……
たしかに、その……びっくりはしましたけど、軽蔑なんてしませんよ?
不破先輩が、頼りになる大切な先輩だってことに変わりはないですし……!
こんな状況でも俺を気遣ってくれるとは……。
君は本当に優しい女性なのだな。
い、いえ、そんなことは……
――[苗字]。
俺に、今さらこんなことを言う資格はないかもしれない。
だが、聞いてほしい。
先程は、その……決して軽はずみな気持ちからではないのだ。
誠実で、誰より優しくて、慎ましやかで……。
そんな君に、俺はずっと恋心を抱いてきた。
不破先輩……。
叶うことなら、君には俺のことを先輩ではなく、ひとりの男として見てほしいと思っているのだ。
無論、今すぐに返事をくれとは言わん。
だが、いつか君の気持ちを聞かせてもらえたらうれしい。


スキンシップ

+ ...
あたまなで むっ……?
なんだ?
俺の頭が面白いか?
寝癖でもあったのか?
むっ…!? あ、ああ、君か。
なんだ? いったいどうした?
や、やめてくれ。困ってしまう。
ほっぺぷに どうした?
うっ……。
何かついているか?
どうして触るんだ?
そ、そういうのは、困る……。
あ、あまり触らないでくれ……。
いや、その……。弱ったな……。
めがまわる うわっ!?
なんだ!?
俺で遊んでいるのか?
上手く回れん……。
どういうつもりなんだ、君は?
なっ!? と、突然だな……!
さ、三半規管を鍛える訓練か!?


おはなし

+ ...

カレ会話

カレ会話 ひとり静かに瞑想する時間を持てば、より高みに近づけるだろう。
弓とは、矢を放つより先に、当たるか否かの答えがすでに出ているものだ。
1日鍛錬を怠れば、挽回には3日必要になるというのは事実だな。
俺は3-B、文系進学組だ。ゆえに西園寺、九条は級友として交流がある。
以前、俺は藤城フェスティバル実行委員会というものに所属していた。
2年の鷺坂、明神とは当初、縁がなかったが委員会を通して親しくなった。
桃越は誰に対しても自然に距離を縮める才能があると思う。俺とは大違いだ。
芹沢を見なかったか?パフォーマンス練習をする約束をしているのだが。
君の助言をもらえると、俺のパフォーマンスに磨きかかるような気がする。
藤城四天王は大舞台に慣れているためか、いつも動きが様になっているな。
種目は違えど、同じく武道を嗜む者はやはり応援したいと思ってしまうな。
明日の練習も、君に見ていてもらいたいのだが……。頼めるだろうか?
遊馬は有能だ。運動神経が良く、器用で、新しい振りつけもすぐに覚える。

二択会話

今日は弓道場に行くが構わないだろうか? じき、試合も近いのでな……。
見学してもいいですか? 俺は集中すると周りが見えない。退屈かもしれんが、それでも良ければ是非来てくれ。
頑張ってくださいね! ありがとう。弓は、俺の心を落ち着けてくれる。弓を射る時間は掛け替えのない時間だ。
新しいパフォーマンス衣装を用意してくれたそうだな。君の気遣い、いつも痛み入る。
不破先輩に似合うと思って お、俺に……!? ……そうか。ならば、君の期待に叶うよう着こなさねばならんな。
これが私の役目ですから 己の役割を果たそうの精一杯の力を尽くす……。そんな君の姿は、とても輝いているな。
桃越があれこれと俺の服装に口を挟んでくるのだが……。どういうつもりなのだろう。
不破先輩が好きなんですよ ……そうか。……だとすれば、あまり無下にできんな。桃越の意見も聞くようにしよう。
桃越先輩、センスが良いですよね ああ。そう思う。……だが、桃越が着るような服装は、俺には似合わんと思うのだ……。
'3年になると進路希望に沿ってクラスが分けられるが、君はもう進路を決めているのか?'''
文系進学かなって…… そうか。偶然にも俺と同じだな。何かわからないことがあれば、いつでも相談に乗ろう。
まだ決めていません…… いや、急かすつもりはない。将来のことは、じっくり考えて決めるべきだ。慎重にな。
最近の俺は何やら浮かれているのではないか、と祖父に指摘されてしまった……。
おじいさんと仲が良いんですね ああ。幼い頃からよく武道を教えてくれた。厳格な人だが、俺は心から尊敬している。
何かいいことがあったんですか? 祖父に指摘され、初めて気づいたのだが……、君と毎日顔を合わせているためだろう。
歌は、少し弓に似ているかもしれんな。心を研ぎ澄まして取り組む必要を感じる。
先輩って、真面目ですよね 人前で歌った経験はあまりないゆえ。本番で失敗せぬよう、練習も真剣に取り組まねば。
気持ちを込めるんですか? ああ。想いを乗せなければ、それはただの言葉の羅列に過ぎないのではないかと思う。
また、西園寺と九条が揉めていたようだ。あのふたり、仲が良いのか悪いのか……。
幼馴染なんですよね らしいな。だからか俺が見る限り、西園寺が本気で怒ってところは見たことがない。
先輩が仲裁するんですか? ふたりは級友だからな。教室内で口論しているようであれば、見て見ぬふりはできん。
君と出会うまで、女性というものに対して少なからず苦手意識を持っていたやもしれん。
お姉さんたちは……? ……確かに俺には姉が4人いるが、彼女たちこそ苦手意識の元凶だろうな……。
私と出会って、変化が……? 大和撫子とはこういうものか、と感銘を受けた。君はとても慎ましく、優しい女性だ。
弓道に余計な動きはない。ダンスもまた然りだが、振りつけは複雑なものが多いな……。
照れますか? 無論、照れる。……だが、照れてばかりもいられないだろう。腹はくくったつもりだ。
不破先輩なら大丈夫です! ……俺は、君に信頼されているのだな。確かに、振りつけを覚えること自体に苦はない。
東雲とは話が合う。感性が近いのか、彼の武道に対する姿勢には深く共感できるからな。
東雲先輩は空手部ですよね 空手部の部長だな。東雲には人を引っ張る力がある。後輩にもよく慕われているようだ。
不破先輩は弓道部ですよね 実は、中学に入るまでは弓以外にも様々な武道を習った。空手もそのひとつだ。
君は朝食なら、和食と洋食、どちらが好みだ? 俺は普段、和食ばかりなのだが……。
朝は白いごはんに限ります! 俺も同じ意見だ。……和食ばかりで味気ないと、姉たちは今朝も文句を言っていたが。
パンを食べることが多いかも…… 俺は洋食も好きだが、家ではまず出てこないな。今度、洋風の朝食の魅力を教えてくれ。
今日は来るのが遅くなってすまない。お年寄りが道に迷っていたので案内していたのだ。
不破先輩らしいです お年寄りは大切にせねば。亀の甲より年の劫と言うが、年長者の言葉は実に含蓄がある。
ご無事で良かったです 心配させてしまったか?すまない……。今後はまず君に連絡を入れることにしよう。
パフォーマンスには演技力も必要になるわけだが……。俺は決して芝居が得意ではない。
頑張ってください! 応援に感謝する。俺とて任された役目を放り出すつもりはない。常に全力で取り組もう。
先輩は嘘が苦手そうですよね ああ。ゆえに芝居は正直下手だと思う。しかし上手く感情移入できれば、あるいは……。
藤城フェスティバル実行委員に属していた折には、皆を盛り上げるため、努めたものだ。
遊馬先輩の様子はどうでした? 遊馬は人懐っこいというか、場の空気を作るのが上手い。委員会の良いまとめ役だ。
2年生たちの様子はどうでした? 鷺坂と明神は、ある意味好対照だ。どちらもやる気はないが、発想は光るものがあった。
[苗字]、大丈夫か? ……いや、気のせいか表情が曇っているように見えたのでな。
少し疲れているのかも…… いつも俺たちのために心を尽くしてくれているからな。週末、気分転換に出かけないか?
先輩のことを考えていたんです 俺の? どういう意味だ……? そ、その、あまり見つめられると、照れるのだが……。
普段の昼食は弁当を持参したり、食堂に行ったり、だな。……好き嫌い? 特にないが。
私も見習わないと…… 誰にでも好みはある。多少の好き嫌いは気にするまでもないと思う。……心配無用だ。
パフェは……? ! パ、パフェも決して嫌いなわけではないのだ。繊細で複雑で、どうにも不得手だが。
様々な生徒と組むのはなかなか気疲れもするな……。もっとも、楽しくはあるのだが。
悩みがあるなら相談に乗ります ありがとう。君が傍で支え続けてくれるから、俺は日々の練習に打ち込めるのだと思う。
交流が広がりましたか? ああ。普通に学校生活を送るだけではあまり関わらなかっただろう者とも親しくなれた。
大和撫子然とした女性は……、とても素敵だと思う。いつも慎ましやかで、心が美しい。
好きなんですね す……!? ……ま、まあ、そうなのだろうな。惹かれていると認めざるを得ない……。
誰のことを考えているんですか? !!! す、すまない、今のは忘れてくれ。つい、口から本音が零れてしまった……!
弓道も団体戦がある。呼吸を合わせ、互いを助け……、パフォーマンスに通じるな。
先輩、どんどん上達しています ……そうだろうか?君にそう言ってもらえると、その……とてもうれしい。感謝する。
仲間を大切に、ですね そうだ。仲間は常に、新しいものを教えてくれる。無論、君も俺にとって特別な仲間だ。
いずれ、君に話したいことがある。……その、できればふたりきりで。どうだろうか。
私も先輩にお話があります もしや俺たちは同じことを考えているのだろうか?だとすれば、俺はとても幸福だ。
ふたりきり、ですか……? あ、いや、下心はない。合意なしに不埒な真似をするつもりはないゆえ、安心してくれ。

ボイス

ボイス 藤城の強豪部といえば、やはり剣道部、フェンシング部だろうな。
家族構成? 父母、姉4人、俺、そして祖父母と同居している。
正直に言って、女性は苦手だ……。しかし、君は特別だな。
特に祖父からは、武道、礼節など、様々なことを教わった。
あの、パフェ、という食物だけは苦手だ……。歯が立たない……。
今までに恋をした経験? そ、それは……黙秘権を行使する……。
君を見ていると、いろいろなことに気づかされるな……。
弓道に興味があるなら、いつでも見学に来るといい。待っている。
両親は共働きゆえ、幼少期は特に祖父母が面倒を見てくれたな。
俺の血液型? B型だが。……意外? そういうものなのか?
週末、ふたりで出かけないか? ……君の好きなところがいい。
自分の想いをもっと率直に伝えられたら良いのに、とたまに思う。
家はいわゆる日本家屋だが。……遊びに来たい? ほ、本気か?
食材の好き嫌いはないゆえ、作り手を困らせることはないと思う。
君の話を聞かせてくれないか? もっと君のことが知りたいんだ。


アクション会話

+ ...
考えごと? 己が弓を射るより、人に指南するほうがずっと難しいと思ってな。
少しばかり考え事をしていたんだ。……その、君について……。
椅子におすわり 君も休みに来たのか? 練習は大切だが、身体に無理をさせてはならん。
君も休みに来たのか? 練習は大切だが、身体に無理をさせてはならん。
うたたね す、すまない。昨日はよく眠れず……、つい居眠りしてしまった。
寝ていたわけではなく、瞑想していただけだ。……ほ、本当だ。
すやすや 東洋医学では、横向きの姿勢で睡眠をとることが推奨される。
ああ、すまない。男として、君より先に休むわけにはいかないな。
チラチラ ……君には、大和撫子という言葉が本当に相応しいと思ってな。
い、いや、なんでもない。……ほ、本当になんでもないんだ!
首かしげ パンケーキとホットケーキの違いはどこにあるのかと思ってな。
女性というのは難しいものだな。理解しがたい、神秘の存在だ。
へそ曲げ 君は誰に対しても優しいのだな。……それが悪いわけではないが。
『渓士は堅物すぎる』とまた姉にからかわれてしまってな……。
ぱちぱち 君の頑張りは、いつも俺の心を温かくしてくれる。……不思議だな。
今日も懸命に俺たちを支えてくれて、本当にありがとう。感謝している。
考え中 今日は部活がないゆえ、放課後の過ごし方に悩んでいたところだ。
戦国武将の名前をど忘れしてしまった……。何だったかな……。
指をふりふり だんだん君は眠くなーる、眠くなー……俺に催眠術は無理だな。
これが格好良いポーズだと聞いたんだが、どうだっただろうか?
しずかにっ 頼む、かくまってくれ。追われているんだ。……姉たちに。
俺がパフェを苦手だという件は、くれぐれも秘密にしてくれ。
バキューン! 君のハートを射抜いてみせる。……なんてな。俺には似合わんか。
この仕草をするとたまに死んだふりをしてくれる奴もいるらしい。
うとうと 妙に眠気が強い……。もっと君と語り合っていたいんだが……。
君が傍にいてくれると心が安らぐ。……安らぎすぎて、少し眠い。
ガッツポーズ 俺は心情を動作で表すのが不得手ゆえ……、練習していたのだ。
……茶柱が2本立っていたので、つい大げさに喜んでしまった。
筋トレ中 暇さえあれば身体を鍛えるようにしている。君も一緒にしないか?
武道を極めたいのなら、まず基礎トレーニングに励むべきだ。
ぷんすか あまりの己の未熟さに、怒りが湧いてきてしまった……。もっと精進せねば。
くっ……。いかんな。心頭滅却すれば火もまた涼し。冷静にならねば……。
やった〜! 明日から姉たちが旅行に行くらしいんだ。俺は自由を満喫できる。
弓道部の後輩が、初めて的中させた。我がことのようにうれしい。
はにかみ 明日から姉たちが旅行に行くらしいんだ。俺は自由を満喫できる。
弓道部の後輩が、初めて的中させた。我がことのようにうれしい。
がっくし どうも心が乱れていて、弓を射る段階まで至れない。なんとかせねば……。
俺はあまり他者の気持ちを察するのが上手くない。己の不器用が悔やまれる。
びっくり! いつからそこに? いるならいると言ってくれれば良かったのだが。
桑門に『おにぎり』と『おむすび』は別のものだと聞いてな……。
こまったなあ 姉たちから俺に、何か頼みがあるらしい。……正直、悪い予感がする。
し、しまった……。うっかり弁当を家に忘れてきてしまった。
手をふりふり 少し、いいだろうか?次のパフォーマンスについて相談があるのだが……。
君の姿が見えたので、つい手を振ってしまった。……俺らしくなかったか?
おねがい! 君に、頼みがある。週末、俺に時間をくれないだろうか……?
俺が例のものを不得手だという件、どうかくれぐれも内密に……。
うたの練習 音楽の授業で歌唱のテストがある。その練習をしていただけだ。
い、いい気分だったので、つい歌を口ずさんでしまった……。
はい、どうぞ 音楽の授業で歌唱のテストがある。その練習をしていただけだ。
い、いい気分だったので、つい歌を口ずさんでしまった……。
床におすわり 少し休憩していたところだ。良ければ、君も隣に来て座らないか?
弓に触れる前に、精神を統一させていた。俺の好きな時間だ。
読書中 これか? 東雲に借りた、最新の筋力トレーニングに関する本だ。
桃越に借りた雑誌を読んでいた。これに鷺坂が出ているらしい。
床でくつろぎ これか? 東雲に借りた、最新の筋力トレーニングに関する本だ。
桃越に借りた雑誌を読んでいた。これに鷺坂が出ているらしい。


ひとりごと

+ ...
つぶやき ふむ。
鍛錬だ。
日々精進。
日々是精進、だな。
最近、桃越によく構われるが……。よくわからない。
西園寺とは、瞑想法について語り合うことがある。
九条はパフォーマンス中も、身のこなしが優雅だな。
次は、アランと東雲と組むらしい。上手くやれそうだ。
身体を動かすことなら不得手でもないのだが……。
パフォーマンスとは難しいものだな。奥が深い……。
今日のパフォーマンスも、俺の全力でぶつかってくる。
まずは課題を終わらせねばな。
洋食が苦手なわけではないんだ。
今日の予定は決まっているか?
女性は……。得意ではない……。
君の笑顔を見ると、何故か、心が安らぐ。不思議だな。
何か困ったことがあれば、いつでも俺を呼んでほしい。
君に見守られていると実力以上のものを発揮できるな。
俺は、君に弱いようだな……。い、いや、忘れてくれ。
あ、あまり見ないでくれるか?……照れてしまう。
その……。君は、他の男にもこんなことをするのか?
いつもありがとう。……君には、心から感謝している。
本当、気分転換





最終更新:2019年04月24日 21:19