DOT

ドット

一般ゲーム用語。
ダメージ・オン・タイムの略称であり、時間経過と共に少しずつダメージを与える攻撃のことを指す。
いわゆる毒や出血のような状態異常に代表される継続ダメージはDOTの一種。
作品によっては「スリップダメージ」とも呼ばれ、ターン経過でダメージが発生する場合は、
「ターンダメージ」や「ダメージ・オン・ターン」と表記されることもある。
毒の沼地やバリア床といった地形によるダメージに対しても使われることが多い。

ゲームバランスの都合上、原則として必要時間(ターン)とダメージはトレードオフの関係にある。
大抵の場合、DOT攻撃の1秒あたりの威力は同クラスの単発攻撃よりも遥かに低いが、
時間経過で蓄積される継続ダメージの総量は単発攻撃を大きく上回る。
つまり、ダメージ発生までに時間がかかるデメリットと引き換えに高威力な攻撃だと言い換えることも出来るのである。

ある程度戦闘が長引く前提なら、同じコストの単発攻撃よりも高いダメージを出せる。
さらに、DOTは多くの作品で「継続ダメージを受けるデバフ」として扱われるので、
一度DOT攻撃を入れさえすれば効果時間が切れるまで術者がフリーになるメリットもある。
回復や補助に回っても良いし、単発攻撃を撃てばDOT分のダメージが威力に上乗せされることになり、
単純に火力の底上げという意味でも十分な仕事をしてくれる。

また毒など状態異常系のDOTは「対象のHPの〇%」というような割合ダメージになるケースが多い。
これは事実上、自分の攻撃力も相手の防御力も無視してダメージが発生するということなので、
戦闘を長引かせることに特化したビルドなら攻撃力が低くても火力を発揮することができる。

極論、相手に毒でも付与して自分はひたすら防御や回避に徹していれば、
解毒されない限りあとは何も攻撃せずとも勝手にダメージを受け続けてくれるのである。
敵の攻撃が激しく攻撃のチャンスが僅かにしかない場合などもDOTが輝く瞬間と言えるだろう。

弱点としては、じわじわとダメージを重ねていく仕様上短期決戦に弱いこと。
短時間で大ダメージを与えられる単発攻撃にはどうしてもDPSの面では勝てない。
HPの低い敵ならちまちまDOTを入れるよりも大火力でさっさと殲滅した方が早い。

残りHPで行動パターンが変わる敵などは厄介な攻撃をしてくるHP帯を素早く削りきることが重要なので、
フェーズ飛ばしなどの戦術とも相性が悪い。

効果時間の設定されたDOT攻撃においては、時間経過で効果が切れることをDOTの「完走」と呼ぶ。
効果終了はすなわちDOTの総ダメージが相手に与えられたということであり、
DOT攻撃の威力はこの「完走」を前提に設定されている。

そのため、DOT完走前に何らかの方法で付与したデバフを解除されれば当然ダメージは激減する。
レイドなどではフェーズの変わり目ごとにデバフをリセットしてくる敵も多いため、
理論値通りのダメージが常に出せるとは言い難い。

膨大なHPを持った敵が出てくるPVEとは違い、対戦コンテンツ(PVP)では
往々にしてプレイヤーの火力に対してHPが低く、短期決戦になりがちである。
そのためよほど生き汚いビルドを組まない限り、DOTが完走する前に決着がつくだろう。
そうした場合も当然DOTの真価は発揮されず、PVPではDOTが採用されづらい傾向にある。

DOTでダメージを出し続けるには効果時間が終了すると同時に次のDOTを入れねばならず、
複数のDOTを並行して扱うようなビルドでは綿密なタイムラインを管理する必要があるなど、
単純に高威力な攻撃として見るには様々な欠点が目立ってくる。

メリットとデメリットを秤にかけて、よりスマートな手札を取捨選択する。
悩みどころではあるが、これもゲームの醍醐味のひとつと言えるだろう。
ピンポイントで起用した戦術がバチリとハマった瞬間ほど楽しいものはあるまい。

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最終更新:2020年07月03日 00:04