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アルフヘイムにも
ニヴルヘイムにも存在しない素材で作られた厚手のマント。
どちらの世界にも存在しない素材で作られているが故に、
どんな武器も魔法も魔物も、この防具をどう破壊すればいいのかを知らない。
くるまると、母の胎内を思い出すような安心感を感じられる。
装備者に夢を見せると謳われるこのマントは、
装備時に近接と魔法二種類の
スキルを使用出来るようになる――
布製の平たい袋に羽毛を詰め込み、それらをいくつも縫い合わせ、人がくるめるほどのサイズにしたマント。
大半のプレイヤーは初入手時、これを防具と呼んでいいのか悩んだはずだが
更に追い打ちとなるのが、布と羽毛で作られたこの聖鎧オフトゥーン、
『漂流物シリーズ』と呼ばれる伝説級の装備品の一つである。
性能面での特徴はフレーバーテキストの通り、まず全ての属性に対する高い耐性値。
装備時にのみ追加されるスキルは
『夢見る時間(ドリームフォウント』と『目覚めの時間(ファイブ・モア・ミニッツ)』。
『夢見る時間』は魔法タイプの自己バフスキル。
羽織るように装備したオフトゥーンにくるまり一定時間過ごす事で、
夢から汲み上げた想像力を魔法に乗せ、MATKを大幅に上昇させるといった効果。
もう一方の『目覚めの時間』は近接攻撃と共に設置型の広域デバフエリアを生成するスキル。
羽織ったオフトゥーンをばさりと一度振り払う事で、周囲から夢の気配を払い除ける。
夢を打ち払われた空間において魔法は十全の働きを示す事が出来ず、
全ての魔法ダメージが低下する。
高い耐性とやや癖があるものの強烈なメリットを得られる二つの固有スキル、
総合的に見て間違いなく最終装備候補の一つとなるオフトゥーンだが、一つだけ難点がある。
この防具、マントと表記されているものの――どう見てもお布団なのだ。
「何がオフトゥーンだふざけてんのか」とキレながらも
性能が優秀すぎて装備せざるを得ないブレイブ達を、運営はきっと笑っている。
最終更新:2022年10月23日 11:09