魂乞いコーリングウォー

バルクマタル王墓の最奥部に隠されている短剣。
スペック的には短剣特有の装備条件の緩さ、重量の軽さの代わりに
攻撃性能がやや落ちた、魔剣ロンダルキアのマイナーチェンジといった具合。

こう書くとロンダルキアの下位互換のように思われるかもしれないが、
実際には魔法使いタイプのパートナーでも余裕を持って装備出来る上、
サブウェポンとして懐に忍ばせられる重量でロンダルキアよりちょっと劣るレベルの水属性攻撃が可能な、いぶし銀の有能装備。


ストーリー上における魂乞いコーリングウォーは墳墓都市スカラベニアが誕生するより遥か昔、
ヒートスウィーク砂漠のとある国に君臨した賢王バルク・マタルによって開発されたものとされている。

砂漠という環境は往々にして雨が少ないものだが、バルク・マタルはこれをどうにかしたかった。
天の機嫌一つで民の生死が分かたれるなどという事が我慢ならなかったのだ。

為政者でありながら国一番の魔術師でもあった彼は、各地から集めた貴重な素材を用いて雨を呼ぶ宝剣『雨乞いコーリング』を作り出した。
バルクの国ではいつでも望んだ時に雨が降り、乾きで人が死ぬような事はなくなった。
が――この話はここで終わらなかった。

雨の降らない砂漠の中である日突然、一国だけが雨に恵まれるようになった。
周辺諸国はどう思っただろう。


雨乞いコーリングの完成から程なくして、必死の外交努力も虚しく、バルクの国は砂漠中の国から戦争を仕掛けられた。
それでも国は滅びなかった。
いつでも雨を呼べる事で培われた国力は、砂漠中を敵に回してもなお抗戦可能なほどに強大だった。
そして、それ故に戦争はひどく長引いた。

バルク・マタルは結局戦争に勝利したが、乾きで死ぬよりもずっと多くの国民が死んだ。
砂漠中が疲弊して、戦後の復興が出来ないままいくつもの国が滅んだ。
賢王は失意の中、王族の墓に雨乞いコーリングと共に姿を消した。

この雨乞い戦争によって生じた荒廃と貧困は、
後に王になり得るほどの魔術の才を持ち、しかし慈悲も愛も知らない少年を生み、
ヒートスウィーク砂漠を更なる暗黒の時代へと誘う事になる。


サブクエスト雨乞いコーリングでは、NPC歴史学者リリコから依頼されて、
プレイヤーはこの宝剣を探しにバルクマタル王墓を訪れる事になる。

王墓の最奥部では賢王バルクマタルが姿を消した後に研究の末に編み出した、
術者の詠唱のみでも発動可能な大魔法、スペルカード『雨乞いコーリングウォー』を発見出来る。

また最奥部には隠された宝箱がある。そこからかつての雨乞いコーリング――
戦争を招き、数多の死者を生んだ事で魔に堕ちた宝剣『魂乞いコーリングウォー』が手に入る。



【魂乞いコーリングウォー=取り回し良好。強烈な水属性攻撃値。装備中、専用スキル『魂乞い』が使用可能。

 賢王バルクマタルの最高傑作であり最大の失敗。数多の死を呼び、堕ちた魔剣。
 雨乞いの祈りはとうに歪んで、今ではこの剣の為に流された血を呼ぶ事しか出来ない。
 怨嗟、怒り、悲嘆――人が抱き得る全ての負の感情が溶けた雨は、骨すら凍り付くほど冷たい】


【魂乞い=広域に長時間持続する、高威力の水属性ダメージエリアを展開する。

 魂乞いコーリングウォーの権能を解放し、かつてこの剣の為に流された血を雨として召喚する。
 人の全ての負の感情が溶けたこの雨の中でも、特に色濃く溶けている感情がある。
 それは嫉妬――かつては雨への、今はあらゆる生命、存在への妬み。

 故にこの雨はそれら全てを奪う。浴びた者は凍えながら、干からび、朽ちていく】


【雨乞いコーリングウォー=超広域に、極めて長時間持続する水属性ダメージエリアを展開する。

 賢王バルクマタルの執念の産物。触媒は最早不要、熟達の魔術師ならば十分にこの魔法を発動出来る。
 それでも、賢王はこの魔法にコーリングウォーと名を付けた――戒めと、警告の為に。
 どんなに広くに雨を降らせようとも、そこから漏れる者は必ずいる。

 それを忘れてしまえば――砂漠はまた血に染まる事になると】

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最終更新:2022年11月30日 22:51