永久凍土フロウジェンの中心部に突き刺さっている剣。
当地が永久凍土たる所以であり、その魔力でもって土地そのものを凍てつかせ続けている。
見た目は刃渡り80cmとやや大振りで、飾り気のない諸刃の片手剣。
分厚い氷のように青白い半透明の刀身を持ち、放たれる冷気が周囲の水分を凝結させ、常に白い霧を纏っている。
刃の素材となっているのは、
ニブルヘイムの魔神
『氷獄のコキュートス』の角である。
魔神の一部から削り出した刀身には非常に強力な氷結魔法が備わっており、
その威力は突き立った大地の四方百里を溶けることのない氷で覆いつくすほど。
斬りつけた対象を凍てつかせ、生じた氷そのものが新たな氷結魔法の触媒となって周囲を凍らせる。
つまり、ひとたび斬りつけられたら最後、全身が凍り付くまで氷の増殖が止まらないのである。
ゲーム本編より100年ほど前に起きたニブルヘイムによる大規模侵攻の際、
当地に出現し暴虐の限りを尽くしていた魔神コキュートスと
アルフヘイムの戦士たちが交戦。
奮戦の末にコキュートスの右角を斬り飛ばし、撤退させることに成功した。
戦利品として手元に残った角はコキュートスの魔力の源でもあり、
これに目を付けた
霊銀結社が魔剣の素材として加工。
人対魔の終わりなき戦争を勝利に導く新兵器として戦線に投入されるはずだった。
しかし試作段階の魔剣は出力が強すぎて人類の誰もまともに扱うことが出来ず、
運搬中のちょっとしたトラブルで地面に突き刺さってしまい、氷結魔法が誤発動。
開発途中で安全装置を組み込んでいなかったため制御不能に陥り、その地を広範囲にわたって凍てつかせた。
そうこうしているうちにニブルヘイム側の全面撤収によって大規模侵攻は終わり、
戦災復興の為に解呪を行う人員確保が困難であったこともあり、魔剣はその場に放置された。
いつかどうにかしなきゃと思いつつもズルズルと問題を先送りにしているうち、
関係資料がどっかにいってしまったために誰も魔剣を引き抜くことができなくなってしまった。
これが永久凍土フロウジェンの成り立ちである。つまりだいたい
ゴッさんが悪い(冤罪)。
凍土にほど近い位置にある結社の総本山
バルディア自治領が年間を通じて雪に覆われているのもこれが原因である。
人災と天災の合わせ技のような経緯でフロウジェンは永久凍土と化したわけだが、
当地はれっきとした人類の生活領域であり、そこそこの人口を有する街である。
ふるさとが凍り付いても住人たちはめげず折れず、寒冷気候を活かした文化を築いている。
氷床の張った湖では氷に穴を開けて漁業がさかんに行われ、寒冷地に適応した脂の乗った魚は美味。
また切り出した氷は通常のものに比べ遥かに溶けにくく、食料保管庫の冷却材に適している。
何より特産品であり、極寒の地で身体を温めるために愛飲される「火酒(フロウジェン・ロック)」は、
成分の揮発を防ぐために極低温化で熟成を行う必要があり、凍土の環境なしには完成しえない。
夏であろうが春であろうがお構いなしに気温が低いため、フロウジェンは避暑地にもなっている。
王都に住まう貴族の中には、夏の間だけフロウジェンの外縁に立てた別荘に引きこもっている者も。
魔剣から距離が離れていればほどほどに涼しく、寒冷な気温は観光資源にすらなり得る。
このように、今や魔剣ロンダルキアは超強力な兵器としてよりも、
その特性がもたらす地域のインフラとして当地になくてはならないものであり、
多くの人々が恩恵に与っている。アルフヘイムの連中は頭がおかしい。
ちなみに右角を空調設備に変えられてしまった哀れな魔神コキュートスであるが、
力の源を半分失ったことで大幅に弱体化しつつも、ニブルヘイムに生き残っている。
角を取り戻すため、手下を率いて当地に再度の侵攻をかける「魔剣奪還作戦」なるサブクエがあり、
大事な資源である魔剣を奪われてはならないと徹底抗戦する住人と共にコキュートスと戦うことになる。
上記の経緯からわかる通りコメディ色の強いクエストであり、何故かコキュートス視点で進行する。
力が半減しているとはいえそれでも
レイド級相当の実力があり、気を抜いていると全滅しかねない。
コキュートスに引導をわたしてやるつもりで、心してかかろう。
首尾よく勝利を収めればもう片方の角も叩き折り、霊銀結社に持ち込めば二本目の魔剣ロンダルキアを新造できる。
武器名は『魔剣ロンダルキア改』。反省を活かして改良を重ね、人にも扱える武器となった。
武器として見た場合のロンダルキアは、水属性最強の剣と言える性能を発揮する。
攻撃の際付与される固有デバフ「コキュートスの呪縛」は、ターン経過ごとに対象のDEXを下げ続け、
同時に
DoTダメージを永続的に与える恐るべきもの。
基礎攻撃力も非常に高く、水パーティを組むならぜひ手に入れておきたいところ。
またコキュートス自身も
捕獲して、
パートナーとすることができる。
捕獲したての状態では『角なしコキュートス』という名の準レイド級に過ぎないが、
育成することで角が再生し、本来のレイド級『氷獄のコキュートス』に成長する。
水属性の強力なモンスターであり、高いINTから放たれる氷魔法で並み居る敵を氷漬けに出来る。
また前述のロンダルキア改を装備できるため、低めのDEXを補う立ち回りが可能になるほか、
氷魔法強化のパッシブを持つため高いシナジー効果を発揮する。
魔剣と魔神を揃えられたら、本来の持ち主に返してあげるのもよいだろう。
力の復活を喜ぶ専用セリフが用意されており、
開発のゆがんだ愛が見受けられる。
最終更新:2020年06月13日 00:16