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ヴァーナー・ヴィンジ『遠き神々の炎(上下)』創元SF文庫 - (2005/12/06 (火) 15:25:23) の編集履歴(バックアップ)


1999年

10/20
今週は仕事が圧していてヘヴィーだった(頭が容量オーバー寸前で白痴化)ためか、読む本をいろいろ変えても集中できなかった。ブリンは「知性化」が読めず「スタータイド」に手を出したものの、やはり前作が気になって読めない。結局「サンダイバー」まで遡ってしまうのだろう(笑)。
またチェリイ「ダウンビロウ&&」も何となくそつがないが凄みもない感じがして、読み進められず。ヴィンジ「雪の女王」もアンデルセン童話下敷きというので「何がかなしゅうて男のオヤジがそんな代物を&&」と二の足。かといって70年代以前は、当分読まないと決めただけに逃避するのも悔しい。
で、気分転換に未読ミステリを手にとってみたものの、笠井は相変わらず入り込みにくいし、摩耶の「あいにく&&」はつまらないし、二階堂も綾辻も何となく手管が読めて熱中できない。
結局、書店で手にとったヴィンジ「遠き神々の炎」が面白そうだったので即買いしてしまい、読み始めたが、実際面白い。ディック「聖なる侵入」を髣髴させる宇宙規模の神学法螺話で、ぐいぐい引き込まれる。ウィリス「ドゥームズデイ&&」とヒューゴー同時受賞らしいのでアメリカでの人気は凄いのだが、我が国ではあまり評価されておらず、この本も4年前の初版本がまだ書店の本棚に眠っている(笑)。理由を考えるに、寡作な作者のネームバリューの低さ(特にジョーンの元ダンナというイメージ)もあるが、作品も本格SF王道であるが故に逆に特徴に乏しいということもあるだろう。しかし逆に考えると妙に普通小説化したり、逆にやたら緻密な科学読み物になってしまったり、流行テーマに便乗したりと多様化のため薄味化していた昨今のジャンルの風潮から言うと、こういう濃い口の話を、しかもこれだけのスケールで書けること自体が稀少価値なのではなかろうか(まださわりだけだけど、十分その手触りはある)。私はちまちました話よりも、話があっちに飛びこっちに飛び(時間軸においても空間軸においても)する話のほうが圧倒的に好きなので(SFだけじゃなくミステリもそう)、この作品はまさに私の趣向にぴったり。しばらく楽しい時間を過ごせそうである。

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