SF百科図鑑

"Best Of Interzone"

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October 22, 2005

"Best Of Interzone"

インターゾーン傑作集の一番新しい総集編。ゆっくり読むつもりなので、感想を最後にまとめる形だとはじめの方に読んだものの内容を忘れてしまうから、読んだ都度コメント欄に書いていくことにする。
silvering at 00:12 │Comments(18)読書

この記事へのコメント

1. Posted by slg   October 22, 2005 00:21
イーガン「ミトコンドリア・イヴ」★★ だいぶ前に短編集(祈りの海の方だったか?)で読んでいるが、アイデアは面白いものの物語的なおもしろみは全くなく、イーガンにしては凡作だった。
バラード「火星からのメッセージ」★★★ 火星から帰った探査船、しかし、乗組員は降りてこないまま何十年が経過&&。火星の特殊なウイルスにやられたのか? メインの謎そのものよりも、それに対する人類の奇妙な反応の方に作家の興味はあるようだ。なかなかの佳作。
2. Posted by slg   October 22, 2005 00:22
ギャリー・キルワース「彫刻家」★★★★ これは傑作だ。一種の改編歴史物か、いつの時代とも知れぬ砂漠をわたり、巨大な建造物を造る権力者の元に333個の彫像を届ける男。それは復讐のためだった、彼の計画は&&。人物描写もうまいし、不思議な「もう一つの地球」の風景描写もいい。人間性の本質に迫るオチも秀逸。キルワース、ジャンル的にはファンタシイになると思うが、なかなかイイ短編を書く作家だと思う。第2集に入っていた短編もまあまあじゃなかったっけ。
3. Posted by slg   October 24, 2005 23:34
リチャード・コールダー「魅力」★★ 未来のファッション業界の話。生体培養した特殊素材の服とかが出てくるが、話はつまらなかった。
ニコラ・グリフィス「ウシガエルの歌、鵞鳥の叫び」★★★1/2 疫病もの終末小説の佳作。情感あふれるエンディングがなかなか良い。
4. Posted by slg   October 26, 2005 21:02
イアン・リー「主に、豚です」★ 変な農場で豚を飼ってる女と息子の話。超速でとばし読みしたら、全然意味がわからんかった。気が向いたら後日再読。
ポール・パーク「旅行客」★★★ 2つのビッグバン、2つの時間流がぶつかり過去も未来も消えるという奇想SF。アイデアは面白いんだがストーリーがないよ&&
バクスター「ジョージと彗星」★★★ 遠い未来、太陽系滅亡間近な時代に猿の姿でよみがえらされた2人の人物の話。なかなかいい。イアン某と違って、やっぱりふつうのSFはわかりやすくていいね。
5. Posted by slg   October 27, 2005 21:37
ジェフ・ライマン「ぬくもり」★★★ 母親代わりの教育ロボットとのふれあいを描いたほのぼの系作品でまあまあの出来。
マクラウト「我が家のフットボール」は「20世紀SF」か何かで既読のためとばす。
ワトスン「アヘッド!」★★★ 頭部を切断して長期間保存する技術により人類の長大な未来史を見る男の話。ワトスンらしい佳作。題名は「前へ(ahead)」と「頭(a head)」の駄洒落。
モリー・ブラウン「愛は時を超えて」は既読・レビュー済みのため飛ばした。
フィリポ「第3次世界大戦」★★1/2 改変歴史物。ある男がタイムマシンで時代をさかのぼって原爆開発に関わった科学者を皆殺しにすることにより歴史が変わった平行宇宙で、第3次世界大戦が起こっているという話。まあ水準程度の出来。
チェリイ・ワイルダー「時の枝にとまる鳥」★★ 題名<鳥>は主人公の名前でもある。猫ものの小品。全然面白くなかった。
6. Posted by slg   October 30, 2005 11:53
ジョン・ミーニー「刺激臭」★★★ オーソドックスなエイリアンものだった。手堅い。
7. Posted by slg   October 30, 2005 12:19
デヴィッド・ガーネット「迷い道」★★1/2 アメリカとメキシコの国境付近を旅するイギリス人夫妻。寂れたガソリンスタンドに立ち寄り、退役軍人の男と話す。その会話から、ベトナム戦争が核戦争に発展した別の歴史が浮かび上がるという話。並の出来。
8. Posted by slg   October 30, 2005 12:47
オールディス「眼を瞠るもの」★★1/2 原題eye-openerは「驚くべき発見」という意味と、文字通りの意味をかけている。この駄洒落から思いついた話だろう。近未来の地球上に謎の巨大な顔が現われる。実体のあるものか、UFOのような集団幻覚か、それとも異次元の存在が見えているのか、謎は深まる。見る人によってそれは男に見えたり女に見えたりする。なんらかの宗教的な啓示だろうか? 人々の見守る中、その顔は最後に「目を開ける」という話。
9. Posted by slg   October 31, 2005 13:35
クリス・ベケット「福祉員」★★1/2 絶滅動物が遺伝子工学で復元され動物園で陳列される未来社会における福祉団体員の生活の一こまを描いた作品。凡作。
ベン・ジープス「データ・クラス」★★1/2 これもぱっとしない。ネットに逃亡したAIが革命を企てるというVRものの凡作。
10. Posted by slg   October 31, 2005 23:10
グレアム・ジョイス&ピーター・ハミルトン「<リースのパン>を食う」★★★1/2 何とも贅沢な組み合わせ。英国幻想小説界の俊英とニュースペースオペラの旗手のコラボレーションである。内容は、この二人の単独作品よりも面白い。ジョイスの奇想性や暗さと、ハミルトンのSFガジェットの扱いや俗っぽいストーリーテリングとが、うまい具合に調和しており、互いの欠点を相補っている。突然変異で生まれた両性具有の新人類迫害の物語で、ラストは近い将来に彼らが旧人類に取って代わるべきことが暗示されて終わる。無眠人とそっくりな話だが、手堅く面白いエンターテインメントに仕上がっている以上、文句の出ようはあるまい。
11. Posted by slg   October 31, 2005 23:10
ステイブルフォード「カラスの非情さ」★★★ 遺伝子操作で知能を持つに至った鳥たちが脱走するが、生存競争にさらされ次々と命を落とす。最後に残った鳥が、開発者の許に助けを求めに行く。この知性は遺伝しないため、鳥たちは自らの卵にひとつひとつ知性を持たせるための遺伝子操作をしなければならないが、一定数は命を落とすことになるというショートショート。
12. Posted by slg   October 31, 2005 23:15
ディッシュ「本を読んだ男」★★★★ 「アジアの岸辺」に収録されているようだが、持っていないのでこれが初読。出版業界に対する皮肉が効いた近未来奇想小説。書物が読まれなくなった未来に、出版業界はたばこ産業のごとく国の保護を受けるようになっている。作家や出版社は、読者を金で雇って本を読んでもらう。仕事にあぶれた主人公は<読書業>につき、ある作家志望者から読むことを依頼された本の内容から、新たな長編小説を書き、大ブレイクを果たすという話。現実の出版業界の不条理が効果的にデフォルメされており、可笑しい。
13. Posted by slg   October 31, 2005 23:18
キム・ニューマン「スロウ・ニュース・デイ」★★★ ドイツが第二次世界大戦に勝利したパラレルワールドにおけるドーヴァー海峡海底トンネル開通式の一こまを描いた小品。オチがあるタイプではなく単なるスケッチ風の作品。
14. Posted by slg   October 31, 2005 23:21
ラングフォード「バベル・ネット」★1/2 古代の図書館の書物データをコンピュータデータ化して解読する話。意味不明で何が面白いのかさっぱり分からない。ラングフォードは他にも何編か読んでいるが、全部意味不明。相性が悪いのだろう。
15. Posted by slg   October 31, 2005 23:28
ショーン・マクミュレン「緑の火の輪」★★★1/2 中世のヨーロッパである「魔女の息子」の女好きがペニスに「緑の環」を発症し、これを女たちに感染させる。主人公はその治療に駆り出され、わざと難航した上で治療に成功し、国王の持病治療に抜擢され、国王を見殺しにする。実は、国王に妻を寝取られた復讐であった。手堅いファンタジー作品。
16. Posted by slg   October 31, 2005 23:31
メアリ・ジェントル「人間の屑」★★1/2 厭人病の女がナノテク自動再生システムを組み込んだ息子をペットにしながら人間への愛を取り戻そうとする話。怪作。
17. Posted by slg   October 31, 2005 23:35
ユージン・バーン「電脳豚シリル」★★★1/2 愉快なキャラクター、電脳豚シリルをフィーチャーした、ユーモア・エンターテインメント小説。当初はアニメのキャラとして主人公がデザインした、「人の脳の機能を持つ機械を備えた知的豚、シリル」をある企業がリアルに実現し、売り出す。この電脳豚シリルは、パフォーマンス用に建造された劇場で、暴動を起こしたフーリガンを射殺し、逮捕されてしまう。諸々の騒動を乗り越えたシリルは脱走し、主人公の家にたどり着く。主人公はシリルの脳に自分の体験をインストールし、シリルとともに新たな漫画の構想を練る。そして恋人とともに新たな漫画プロダクションを設立するという話。普通に面白かった。
18. Posted by slg   October 31, 2005 23:38
2巻と同様に、ホームラン級の傑作は1編もなかった。総合★★1/2。
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