遠藤 章

【生年月日】

1933年11月14日

【出身地】

秋田県由利本荘市(旧東由利町下郷村)

【肩書】

東京農工大学名誉教授
株式会社バイオファーム研究所代表取締役所長
早稲田大学特命教授

【学歴】

1957年 東北大学農学部農芸化学科卒業
1966年 東北大学より農学博士号授与

【予想授賞理由】

スタチンの発見により。

【受賞歴】

2006年 日本国際賞
2008年 アルバート・ラスカー臨床医学研究賞

【著書】


【主要業績】


【研究内容】

2年間のアメリカ留学(1966-68)で、コレステロールがアメリカで年間60-80万人が死亡する冠動脈疾患の主要原因であることを知り、食生活が欧米化するわが国でも近い将来コレステロールが大きな問題になるだろうと感じた。その頃、体内コレステロールの大半が肝臓で合成されること、HMG-CoA還元酵素が合成を制御する重要な酵素であることが知られていた。そこでHMG-CoA還元酵素の阻害剤が有効なコレステロール低下剤になると考え、帰国後カビとキノコから阻害物質を探す研究プロジェクトを立ち上げた。ただし、目的の物質を発見できる保証がなかったので、2年間やっても駄目なら中止する覚悟であった。71年から6,000株のカビとキノコを調べ、運よく73年夏に青カビ(Penicillium citrinum)のから有望な新物質"コンパクチン"("ML-236B"、"メバスタチン"とも呼ばれる)を発見した。

メルクは膨大な動物実験でロバスタチンに発ガン性がないことを証明し、87年にFDAの認可を得て、商業化"スタチン"第1号として発売(コンパクチン同族体を"スタチン"と総称する)。89年にはメルクがモナコリンJから合成したシンバスタチンを、三共はコンパクチンの構造造を少し変えたプラバスタチンをそれぞれ発売。その後4種の合成スタチン―フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン―が商業化された。スタチンは冠動脈疾患と脳卒中の予防と治療の特効薬として、毎日世界で4000万人近い患者に投与され、同じ青カビから発見されたペニシリンと並ぶ奇跡の薬と呼ばれている。05年には、スタチン製剤の年間総売上高が250億ドル(約3兆円)に達した。

【関連書籍】


【その他】


【本人HP】


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最終更新:2013年12月14日 16:27