【生年月日】
1957年9月28日
【出身地】
【肩書】
東京大学 工学系研究科 応用化学専攻 教授
等
【学歴】
1980年 千葉大学 工学部 合成化学科 卒業
1987年 東京工業大学より工学博士号授与
【予想授賞理由】
多価配位子と金属イオンを用いた自己組織化による球状錯体・金属有機構造体などの研究に対して。
【受賞歴】
2000年 日本化学会学術賞
2001年 日本IBM科学賞
2009年 文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)
2010年 江崎玲於奈賞
2010年トムソン・ロイター第3回リサーチフロントアワード
等
【著書】
【主要業績】
- [[Metal-directed self-assembly of two- and three-dimensional synthetic receptors (Fujita, M.).
- Preparation, Clathration Ability, and Catalysis of a Two-Dimensional Square Network Material Composed of Cadmium(II) and 4,4'-Bipyridine (Fujita, M., Kwon, Y. J., Washizu, S., and Ogura, K.). J. Am. Chem. Soc. 116 (3): 1151–1152. (1994).
- Preparation of a macrocyclic polynuclear complex, _(en)Pd(4,4'-bpy)_4(NO3)8 (en = ethylenediamine, bpy = bipyridine), which recognizes an organic molecule in aqueous media (Fujita, M., Yazaki, J., and Ogura, K.). J. Am. Chem. Soc. 112 (14): 5645–5647. (1990).
【研究内容】
DNAの二重らせんやタンパクの3次元構造など、分子が自発的に集まって構造と機能を生み出す「自己組織化」は、自然界や生物界の至るところで見ることができる。しかしこの現象は、人工的に条件を整え、その環境下で化学反応を引き起こし、作為的にモノをつくりあげていく化学合成とは相いれないと考えられていた。そのような常識を覆したのが、東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻教授の藤田誠氏だ。
有機化学者である藤田氏は、まだ研究者としては駆け出しの千葉大学助手時代、比較的小さな分子が金属イオンと引き合うと自然に集まり規則性の高い構造に落ち着く「自己組織化」という現象に気づき、以来、人工的な分子の集合体を自発的に構築させる研究に取り組んできた。氏の研究は今までの化学反応の考え方を変え、化学の底力を引き上げ、様々な領域を進化させる無限の可能性を秘めると言われている。この新しい研究領域はまた、2012年に第3回トムソン・ロイター リサーチフロントアワードを受賞し、同アワードの選定を担うアナリストDavid Pendlebury(デービッド・ペンドルベリー)に、「藤田氏の業績は、ノーベル賞予測の際にもいつも念頭に置いている」と言わしめた。
まだ大学で助手になったばかりの駆け出しの頃、手探りで研究しながら、誰の仕事を手本にした訳でもなく、自分たちで自己組織化の原理に気付きました。その時、この原理は化学のモノづくりの根底を覆す現象だと思いました。化学のモノづくりの原則は化学反応なんです。化学反応を繰り返し、化学結合を作りながらモノを作っていく。しかし、自己組織化は分子がバラバラでいるより、集まった方が状態が安定するという仕組みを逆手に取って化学反応を使わずにモノづくりをする考え方なのです。
【関連書籍】
【その他】
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最終更新:2013年12月27日 23:06