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坂口 志文

【生年月日】

1951年

【出身地】



【肩書】

大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 教授
京都大学 再生医科学研究所 所長

【学歴】

1976年 京都大学 医学部 卒業
1983年 京都大学 医学部にて博士号取得

【予想授賞理由】

制御性T細胞による免疫応答制御に関する研究に対して。

【受賞歴】

2005年 武田医学賞
2008年 慶應医学賞
2012年 朝日賞

【著書】


【主要業績】


【研究内容】

免疫はなぜ自分の体に反応せず、どういう状況で自分と反応して病気になるのだろうか。現在の免疫学には、三つの考え方がある。一つは自分に反応するリンパ球が出てきても、すぐに壊されて排除されるというもの。二つ目は、自分を認識するリンパ球はいるが、反応しないように不活化されるという説。三つ目は、誰の体にも自分に反応するリンパ球がいるが、悪いことをしないように別のリンパ球が抑えているという考え方だ。
このうち、最近は三つ目の考え方が注目されている。ある時は自分に反応して悪いことをするかも知れないが、自分の体から生じた"自分もどき"のがんをやっつけるなら、そういうリンパ球もいた方がいいからだ。あまりに悪いことをするなら抑えるが、体にいい行いをすれば抑えるのを緩める、というバランスをうまく保っているという考え方だ。
三つ目の説を証明するため、自分に反応して病気を起こすリンパ球を抑え込む「制御性T細胞」というリンパ球を取り除くと、自己免疫病が起きるはずだと考え、マウスを使った実験を始めた。すると、甲状腺炎や胃炎、1型糖尿病、炎症性腸疾患、関節リウマチといった病気が実際に起きることが分かった。逆に、制御性T細胞を補えば、いろんな自己免疫病を抑えられることも確かめられた。
病気の原因を考える際には、この制御性T細胞と、自分の体を攻撃する「自己反応性T細胞」のバランスが重要だと明らかになった。健康な人も自己免疫病を起こすリンパ球を持っているが、うまくコントロールされている。しかし、遺伝的、環境的な影響でバランスが崩れると自己免疫病が起きる。逆に、バランスを是正すれば自己免疫病の治療や予防が可能になること分かり始めた。

免疫システムは、体内に侵入したウイルスや細菌などに対し最初に攻撃する「自然免疫」と、一度かかった病原体を記憶し、二度目の攻撃に備える「獲得免疫」に大別されます。 獲得免疫の主役は、抗体を作る「B細胞」と、いろいろな生理活性物質を出してB細胞を含む種々の免疫細胞に指令を与える「T細胞」です。
B細胞は病原体一つ一つを攻撃するよう自らの遺伝子を組み換えて、様々な抗体を作ります。一方のT細胞には機能の異なるいくつかのグループがあることが知られていますが、正常な自己組織に対する免疫反応を起こす「自己反応性T細胞」を抑制することで免疫自己寛容を維持するT細胞の存在が長年議論の的になっていました。
この議論に終止符を打ったのが、坂口博士です。坂口博士は1980年代、正常マウスから、細胞表面抗原を指標に分別した特 定 のT 細 胞サブセット「制御性(Regulatory)T細胞」を除去すると、自己免疫疾患が発症することを示されました。これは、当時提唱されていた「サプレッサー(Suppressor)T細胞」とは異なるものでした。1995年には、制御性T細胞を判別するマーカーとしてCD25(IL2受容体のα鎖)を同定されました。2003年には、ヒトの遺伝性疾患の一つで自己免疫病・アレルギー・炎症性腸疾患がすべて現れるIPEX症候群の原因遺伝子であるFoxp3が、制御性T細胞で特異的に発現し、制御性T細胞の分化と機能を制御するマスター遺伝子であることを示され、制御性T細胞が免疫自己寛容の維持に重要な役割を果たすことを明らかにされました。さらに、坂口博士は、臓器移植やがんなどの免疫関連疾患における制御性T細胞の意義や活用法の研究にも取り組まれ、次々と成果を上げられておられます。
現在では、制御性T細胞は、免疫制御の新たなターゲットとして世界中で研究が進んでおり、制御性T細胞をうまく操ることで、多くの人を苦しめている様々な自己免疫病、炎症性疾患、がんの治療が可能になりつつあります。この分野のますますの発展に大きな期待がかかっています。

【関連書籍】


【本人HP】


【その他】


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最終更新:2013年12月29日 17:22