赤崎 勇

【生年月日】

1929年1月30日

【出身地】

鹿児島県知覧町

【肩書】

名城大学大学院理工学研究科教授、名古屋大学特別教授等

【学歴】

学部…京都大学理学部化学科
名古屋大学で工学博士号取得。

【予想授賞理由】

窒化ガリウム (GaN) の結晶化に関する技術を開発し、世界初の高輝度青色発光ダイオード(青色LED)を実現させた(1989年)。

【受賞歴】

1996年 紫綬褒章
2000年 朝日賞
2002年 勲三等旭日中綬章
2004年 文化功労者
2009年 京都賞(先端技術部門)
2011年 文化勲章

【著書】


【主要業績】


【研究内容】

1960年頃よりLEDの研究が本格的に進められ、赤色、橙色、緑色などその発光色の種類を順次増やしてきたが、「青色」の実現には困難を極めていた。窒化ガリウムに青色発光の期待を寄せながら研究は進んでいたが、p型を作成することは難しく、窒化ガリウム系では実現が不可能であるといった理論的報告まで現れ、1970年代末には、世界の多くの研究者たちがその研究から撤退していった。もし「青色」が実現すれば光の3原色が揃い、組み合わせによってあらゆる色の発光が可能となる。

OVPE(有機金属化合物気相成長)という新しい合成手法と低温緩衝層の導入に着目し、1985年、高品質な窒化ガリウム結晶膜の作成に成功した。その後、度重なる障壁を乗り越えた博士は、ついに1989年、マグネシウムをドープした高品質窒化ガリウムに電子線を照射すると、p型になることを発見した。

この青色LEDは、携帯電子機器のディスプレイ、街頭や駅などの大型表示機器、鉄道や道路の交通信号機、車両のランプなどに広く利用され始めている。また青色半導体レーザーへの展開が可能になったことで、ブルーレイディスクなど光学系記録メディアの容量を格段に向上し、私たちの社会生活に大きな利便性をもたらしている。最近では、一般照明にもLEDが使われ始め、省エネ効果が高いことも実証されている。
赤﨑博士の先駆的な研究は、エレクトロニクス機器の様々な用途で応用されるだけではなく、地球環境保護という面においても一役を担っている。

赤崎氏の青色LED研究は、大学の研究成果が事業化された代表的な成功例として有名。豊田合成株式会社を開発実施企業として科学技術振興機構の「委託開発(独創的シーズ展開事業)」に選定され、1987年から90年の4年間に5億5,000万円の開発費が支出された。これによる見返りは大きく、豊田合成は95年に事業化に成功、榊原清則・慶應義塾大学 総合政策学部教授によると97年から2005年までの9年間で携帯電話や大型フルカラーディスプレーなど、同社の青色発光ダイオードを利用した応用製品の売り上げは、約3兆6,000億円に達した。日本の産業界に3,500億円弱の付加価値が生み出され、約32,000人の雇用創出、国にも特許の実施料として約46億円の収入をもたらしている。
青色LEDの市場はその後も拡大しており、赤崎氏自身によると価格性能が蛍光灯を上回った2009年からさらに爆発的に伸びているという。

 国立大学が昨年度、大学所有の特許で得た4億円を超すライセンス料収入の96%が、赤崎勇・名古屋大名誉教授の青色発光ダイオード(LED)に関する発明で占められていることが文部科学省の調査で分かった。寿命が長く、明るく輝く青色発光ダイオードは「世紀の発明」といわれ、信号機に使われるなど需要が急増している。
 文科省の03年度産学連携実態調査で判明した。同年度に特許が他者に使われた国立大(大学共同利用機関、高等専門学校含む)は14機関で、ライセンス料収入の総額は約4億2700万円。そのうち約4億1000万円が赤崎さんがかかわる6件の特許だった。
 赤崎さんは名大教授時代、窒化ガリウムを使って、電気を通すと青く光る半導体を世界で初めて作った。これを日亜化学工業の研究者だった中村修二・米カリフォルニア大教授が製品化した。

【その他】


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最終更新:2013年11月15日 21:43