第一章



コロボックル編
RPGみたいな空間
空にあいた穴を見て騒ぐコロボックル達。
「空に穴があいてるよー。」
「ホントだー。」
「なんだろねー。」
「ザワザワザワ」
ざわめくコロボックル達の中に少年のコロボックルがいた。
彼の名は、カイル・ウェザーライト。一応、バックストーリー
の主人公・・・・である。
物語はここから始まる。

「ちょっと散歩してくる。」
祖母にそういって家を出た。カイルは今、人間の年齢に例えると10歳くらいの少年である。
明るい一本気な少年だ。しかし、カイルには、両親がいない。二人ともカイルが幼いころに死んでしまった。カイルは散歩が好きだ。だから、この日も外にいた。村はずれの湖で空にあいた穴をみていた時だった。
穴から黒いものが落ちてきた。だんだん大きくなってきた。
「なんだぁ、あれ?」
カイルがそう思っているのもつかの間、物体は、カイルの方に落ちてきた。よく見るとそれは
少女であった。カイルは間一髪の所でその少女を助けたることができた。だがしかし、その少
女の耳はナイフのように尖っていた。
「何だろう。この子、本で見たエルフにそっくりだ・・・。」
少女が気絶しているので、とりあえずカイルはこの地の創世記から生きているというドラゴン達の話を聞いてみることにした。

「なんじゃとぉぉぉ」
長齢のドラゴンの中で最も長く生きているシルことシルヴィス・ドラゴンが叫んだ。カイルは今、ドラゴン達
が会議をする大龍堂という所にいった。
「空から落ちてきたものは、不吉という伝説があるのじゃぞ!?」
「だが、あくまで伝説だろう、シル。」
カイルと仲がいいジャック・ドラゴンが割ってはいってくれた。
「たしかにそうじゃ。そうでないと、雨まで不吉となってしまうしのう。」
たくさんのドラゴンがざわついている中でカイルは眠っている少女の隣にいた。その時、どうやら少女が目覚めたようだった。
「★~#、◆◆◎・・・?」
カイルには、少女が何を言っているか分からなかった。そう思っていると、
「みなさん、お騒がせして申し訳ございません。」
頭の中に声が、響いてきた。ドラゴン達にも聞こえているようだ。
「私はエルフの世界から来た、シュシュ、シュシュ・フォルト・ファイリーです。あのすみません、私を助けて下さったのは、いったいどなたでございましょうか?穴から落ちたところまでは、覚えているのですが。あっ、えっとテレパシーのことなんですけど、私に念じてみて下さい。」
「オレが助けたんだ。」
「貴方ですか?」
「そうだよ。」
どうやら会話が通じたらしい。やってみたらできた、というやつだ。
「このご恩、一生忘れません。」
シュシュが深々と頭を下げた。
「ところで一つ聞いていいかの?シュシュ殿。」
シルが割って入ってきた。
「何故、お主はエルフの世界からやってきたのじゃ?」
「そう、それなんです・・・。みなさん、これから私の話を聞いて下さい。XYZってご存じですか?
全ての空間が、繋がっていた頃の昔のことなんですけど、そのXYZという空間とそこに住む者達が全ての空間に攻めてきたのです。閉じていた空間を開けたことから分かるように、XYZは空間を操ることができます。
当然、攻撃を防ぐことはできませんでした。世界が絶望しかけていたその時、4人の勇者が現れたのです。
その勇者達は、武器に宝玉がついたものを使っていたそうです。宝玉のついた武器は、宝器(ユグラ)と
呼ばれ、何故かは分かりませんがユグラを使えばXYZに攻撃できるのです。ユグラについてなんですが、
その勇者の家系の者しか使うことができません。しかも、そのユグラの名を知っていなければ、ならないのです。勇者の種族は、エルフ、ドワーフ、シルフ、そして・・・・、コロボックルです。」
カイルは、かなり驚いた。ここまで黙ってなんとなく聞いていたがまさか勇者と自分の種族が一緒だったとは。
「私は、エルフの宝器所有者なんですが、残り3人の仲間を探しに来たんです。えっと・・・、たしか
コロボックルの勇者の名は・・・」
「ドオォォン」
シュシュが言おうとしたその時、大きな音がした。
「そのXYZととやら来たらしいな。」
ジャック・ドラゴンがそう言った。
それは、人の顔、ライオンの鬣と前足、鷲の翼と後ろ足、蠍の尻尾を持ったマンティコアだった。
「XYZマンティコア・・・、私が行きます。」
シュシュは外に行ってしまった。
「オレも行く!!」
カイルも家にあった剣を持って、行くことにした。

「すいません、では貴方はサポートして下さい。」
「分かった!」
「グランディオーソ!」
どうやらそれがシュシュのユグラ・・・指輪の名前らしい。その指輪にはサファイアがついていた。
「ラルゴ・アンダンテ・アレグロ」
シュシュがマンティコアに攻撃していく。マンティコアの周りで何かが爆発した。
マンティコアが上を向いた。次の瞬間、大きい火の玉がとんできた。
「ドオォォン」と、爆発音が響いた。
カイルは起きあがった。近くにシュシュが倒れている。
シュシュにテレパシーで話しかけた。
「恩を返すことが・・・できましたか?」
「庇ってくれたのか・・・?」
「まだ、貴方の名前を聞いてませんでした。教えていただ・・けますか?」
「カイル、カイル・ウェザーライトだ。」
「ああ、貴方も・・・勇者の一人。ウェザーライト家の方・・・だったんですね。」
ガクッ、シュシュはそう言って気絶した。
カイルはとても困惑していた。オレが勇者?ユグラ?XYZ?
どうする?どうするんだ?
どうするかって?答えなんか、最初っから出てたじゃないか!
XYZマンティコアを倒す。
カイルは決意した。
剣で何度もきりかかった。だが、剣の名を知らないので斬ることができない。弾き飛ばされてしまう。
ドラゴン達もやってきたが、みんなやられた。
「ユグラ!名を教えてくれ!今、アイツを倒せないとどうにもならないんだ!!あの子を・・・、
みんなを・・・・、守りたいんだ・・・・!!」
その時、剣が光りだした。
「父さん・・・?母さん・・・?」
そして、カイルの記憶は飛ぶ。

「この子の名前は、何がいいかしら?」
母がいった。
「そうだなぁ、よし。この世界を救ったと言われている勇者の剣の名にしよう。」
これは、父だ。
「ふふ、いい名ね。この子の名前は・・・・」
そうだ。剣の名前など生まれた時から知っていたのだ。
自分につけられ、今となっては自分と両親をつなぐ唯一の絆。
そう、この剣の名は・・・・

「カイル!!」
自らの名前でもある剣の名をカイルは叫んだ。
刃の部分が紅く光っている。そして、刃と柄の間には真紅のルビーがついていた。
「ウオォォォ!」
カイルは、マンティコアを一刀両断にした。
「ぎいああぁ」
マンティコアが断末魔の咆哮をあげて崩れ落ちていく。
バタッ、そこでカイルは倒れてしまった。

「目が覚めましたか?」
シュシュの声でカイルは、目を覚ました。
気が付くとそこは、カイルの家であった。
「カイルさん、まる二日間寝ていたんですよ。」
カイルとシュシュは火傷と打撲がひどかったそうだが、命に別状はないらしい。
カイルは、ドラゴン達を訪ねてみた。
「カイル、お主は英雄じゃぞ。」
「ありがとう、シル。オレ・・、行くことにしたよ。」
「そうじゃな。あれはおそらく、そなたの天命じゃ。」
「空の穴から行くのだろう?私が二人を乗せていってやろう。」
ジャックがそう言ってくれた。
「おばあさまにちゃんと、言っていくんじゃぞ。」
家に帰り、カイルは祖母と話をした。
「やっぱり、血はあらそえないねぇ。おまえのお父さんも旅が好きだった。
お母さんとも旅先で会ったんだ。お守りだよ、持ってお行き。」
ペンダントだった。中には、写真があった。
ばあちゃん、父さん、母さん、カイルが映っている。
「うん、じゃあ行ってきます。」
家の外に出るとシュシュがいた。
「もう、いいんですか?カイルさん。」
目が赤い。さっきの会話を聞いて泣いていたらしい。
「そうだ、敬語じゃなくていいと思うよ」
「あ、うん。じゃあ、もういいの?カイル。」
「ああ。」
穴の手前までジャックに乗せていってもらった。
これから、ジャンプで入っていくのだ。
「離ればなれになっちゃうから、手を離さないでね。」
「分かった。」
「それでは・・・、小さき者たちよ。さらばだ。」
ジャックがそういった。
「せえぇの!!」
そして、二人は飛び込んでいった。

コロボックル編 終了

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最終更新:2009年10月22日 16:55