「ありがとうございました、楽しいゲームでしたわ」
「俺の方こそ、しかし本当に強いな、本戦余裕じゃないか?」
今のゲームの様子を見ている限りではデッキの強さもプレイングも申し分ない。
特に「
肩代わり」を最初のフランに対する2発の狙撃でなくミラージュスナイパーに発動した点。
見事過ぎて言葉が見つからない。
「光栄ですが、上には上がいるものですしね……クラスでは3番手ですわ」
「3番手って、お前より強いのがクラスで2人も居るってのかよ?」
「ええ、一度も勝った事も無いですし追いつめた事もありませんわ。悔しいですけど」
正直な所驚きだ。
あの
吸血鬼姉妹を以ってしても追いつめる事が出来ないなんて。
そんなプレイヤーがこの学校に居るというのだろうか?
「お前のデッキで勝てないとか……どんな奴だよ?」
ここでの情報収集はかなり大きい。
俺達が見逃している強力なプレイヤーだとしたら是非とも情報が欲しい。
「1人はあそこの方ですわ。予選では絶対に当たりたくない相手ですわね」
言ってミリアが示した先にはミルが居た。
なるほど、確かにあいつなら吸血鬼デッキを相手にしても勝てるかもしれない。
「あいつは確かに当たりたくないな、あのデッキ相手に勝つイメージが湧かねえしな」
「デッキもそうですけど、何よりプレイングが恐ろしいですわね。
次に相手が何を仕掛けるかが全てお見通しみたいな
ゲームの進め方をしますわ」
ミル……やはりあいつだけは要注意みたいだ。
「そしてもう1人は……セラという背の小さな銀髪の女性ですわ」
ここで初耳な名前が挙げられる。
容姿を聞いた限りでは目にした記憶も無いので去年の本戦に残っていた奴でもなさそうだ。
「セラか……どんなデッキを使うんだ?」
ミリアが勝てないという相手なのだから要注意だ。
「分かりませんわ。戦うたびにデッキが変わるのでどんなデッキで大会に臨むのか……。
ただ、どのデッキで来られても私は勝てませんでしたわ」
戦うたびにデッキを変える……そしてどのデッキでもミリアを倒せる。
実力の最上値は不明か。
セラ……常識的に考えたらそりゃ関わりたくない相手だわな。
「そうか、サンキューな。助かったぜ」
「いえ、貴方はXYZがお好きそうでしたし同じプレイヤーとして当然ですわ」
「それでは、本戦で再びお会いできるように頑張りましょう」
最終更新:2011年07月19日 04:52