シグマ「……………。 パチン(刀を鞘に納め、歩き出す」
プシー「(シグマについて行く)………随分あっさりやられちゃったね、本当にあいつが
オメガをボロボロにしたの?」
シグマ「……奴は、物体に憑依するで戦闘能力を得る兵器………奴の特徴を分かりやすく言えば、奴に憑依された物体が『兵器』となり、奴自身はその『兵器』を動かす核(コア)の役目を担う……物体に憑依している間は、おそらくオメガに並ぶ程の戦闘能力を得ることも可能なのだろう……。」
プシー「へぇ………じゃあ、その物体から引きはがすか、物体を壊しちゃえば、後は楽勝なんだね。」
シグマ「所詮は生きたドーピング剤のような物……『体』に入れてもらわなければ何の効果も発揮できぬ………そんな物がオメガの名を語るなど………ただ、湧き上がる恨みの感情を力に変換するという能力だけは、厄介だったな………。」
プシー「恨みかぁ……怖いなあ…… ボクらも、誰かに恨まれてたりするのかな……。」
シグマ「………さあな…………ところで良いのか、オメガはもう先へ先へと行っているようだが。」
プシー「えっ……… ちょっと、待ってよオメガ、置いてかないでー!!(走っていく」
シグマ「………フッ……昔はとにかく手のかかる奴らだったのが………随分変わったものだな。(プシーとオメガの後姿を見て」
~町外れの避難所~
オメガ「(避難所のドアの前に立ち)………
キルビス………。(ドアに手をかける」
コツ……コツ……コツ……コツ……(足音が近づいてくる)
プシー「みんな、どうしてるかな……… ?(足音に気づいて振り向く」
フッ……(足音が消え、特に誰の姿も見当たらない)
オメガ「………どうしたの?(プシーを見て」
プシー「い、いや、別に……変だな、さっき誰かいたような気が………」
トントン(後ろから誰かが2人の肩を叩く)
プシー「ひっっ………だ、誰!?(振り向く」
オメガ「ビクッッ ………!?(同じく後ろを振り向く」
キルビス「………………(いつの間にか2人の後ろに立っている)………よぉ、お前ら。 」
オメガ「(キルビスの見て)………………………! キル………ビス………?」
プシー「………………キルビス………び、びっくりしたよぉ………。(胸をなで下ろし」
キルビス「ははは………(オメガを見て)……おかえり、よく帰ってきたな。」
オメガ「…………………た……ただ………いま………。(少し震える声で返事をする」
キルビス「……ん?(オメガの右腕があった個所を見て)うわっ、ど、どうしたんだその腕………! 」
オメガ「! ……こ、これは………(右腕のあった個所を押さえ)」
キルビス「………ったく、結構派手にやってたみたいだな……とりあえず、今度清空博士にでも見てもらおう、腕くらいはなんとかなるかもしれねえからな。」
オメガ「………………うん………。(頷き)………キルビス………。」
キルビス「ん、何だ?」
オメガ「………………前にした約束………ワタシの力で……多くの人を救うって……………ちゃんと、救えた?………ワタシ、約束守れた………?」
キルビス「……お前……………… ああ、救えた…お前はちゃんと約束守ってくれた、良い子だ。(オメガの頭を撫で」
オメガ「…んっ……(撫でられ)………本当に………?」
キルビス「…ああ、本当だ。」
オメガ「………っ(キルビスに抱き着き)………ぅ……………ぅえ………………(微かに嗚咽の様な物を漏らし」
キルビス「わっ……(抱き着かれ)か、片腕だけでも結構力が………… あれ…お前、泣いてるのか……?」
オメガ「………ぁ…ぅ………ぁぁああああ………ぁああああああぁあああぁんっ……!(声を上げて泣き始める」
キルビス「………ま、マジか……………(動揺しながらも、再び頭を撫で)よ、よしよし、怖かったか?辛かったか?よく頑張ったな………うん、頑張った頑張った……もう泣くな……兵器が泣くなんて前代未聞だぞお前………。」
プシー「………………ど、どうしちゃったの?オメガ………(泣きじゃくるオメガを不思議に思い」
アキラ「(いつの間にかプシーの後ろに)よっぽど兄さんに会いたかったのかな……普通の兵器と違って感情がちゃんとあるから、溜めこんでたのが一気に溢れちゃったのね。」
プシー「!(振り返り)ァ……アキラ―!(アキラに抱き着き)」
アキラ「きゃっ!?(抱き着かれ)ちょ、ちょっと……プシー………お、重いよ………。」
プシー「あっ……ご、ごめん……。(離し」
アキラ「ふぅ………相変わらずよく飛びつくんだから……(服についた砂をはらい)………お疲れ様、あなたもよく頑張ったね。(プシーに」
プシー「………!(アキラを見て、かなり照れくさそうな表情をする)う……うん、頑張ったよ、ボク………。」
アキラ「………?(プシーの顔を覗き込み)もしかして照れてるの、プシー?」
プシー「て、照れ……な、何それ?」
アキラ「ふふっ、褒められて照れるなんて、あなたも人間っぽくなったね。」
プシー「……そ、そうなの……? ねえ、もしボクが人間になれたら………アキラ、ボクのお嫁さんになってくれる……?」
アキラ「えっ? え、えーと………。(少し赤面で戸惑い」
キルビス「コラァー!何勝手に口説いてんだてめえ、アキラはやらんぞー!(怒」
オメガ「グシグシ…(涙(?)をぬぐい)………… ギュッ(キルビスの手を握る)………ねえキルビス……。」
キルビス「んっ?(オメガを見て」
オメガ「………ワタシも……人間になれたら、キルビスのお嫁さんになりたい………。(少し恥ずかしげな表情で」
キルビス「なっ………!?(赤面)お、お前まで何言い出すんだ……! ま、まあ……確かに嫌いなタイプじゃないけど………。」
ミオリ「バァンッ!(避難所のドアを開け)人が見ていないと思って…彼氏に手を出そうとする泥棒猫は誰かしら!?……あなたもあなたで勝手に承諾しようとしないで!(キルビスの胸ぐらをつかみ」
キルビス「うわっ!ミ、ミオリ……いや、別にそんなんじゃ……… ぐわあっ……!しょ、承諾とか何の話だーーーー!?(滝汗」
オメガ「あっ………キルビスをいじめちゃダメーーー!(ミオリの手を掴み」
ミオリ「うるせー泥棒猫ーーー!!(オメガを引き離そうとする」
カイ「(少し離れたところからキルビス達を見て) ………フッ、若いもんは元気があっていいねえ。」
フィー「何が「お嫁さんにして…」よ、あんな奴が結婚なんて一生無理だっての!(腕組みしながらオメガを見て」
シグマ「それは貴様も同じだろう………(呟く」
フィー「な………なんですってぇぇ~~~!?(シグマに掴み掛り」
ユプシロン「やめなよ2人とも……とりあえず、これでまた少し平和が戻ったってことかな。」
カイ「ああ、そうだな………さてと、結構エネルギー使っちまったから、ちょっくら補給させてもらうかね。(避難所に歩いていく」
フィー「まったくぅ………そこのあんた!報酬はきっちりもらうからねーーーー!(大声でキルビスに」
キルビス「へっ?………あ、ああ、分かった!ちゃんと全員分きっちり払うからちょっと待ってろー!(フィーに)……ああもう、2人ともやめろってのー!(ミオリとオメガを仲裁しにかかる」
こうして、古代の兵器と、現代の兵器による激しい戦いは、幕を閉じたのでした……
~Fin~
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第四章
tacicaより「黄色いカラス」
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最終更新:2012年01月11日 20:31